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信長天聖譚   作者: 皇城院・斎藤・田中璃音
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失われた300年

俺はごく普通の高校生、織田秀吉。


「過去と未来を繋ぐ輪廻の輪よ、俺を過去へ導け。秘術!転☆聖!!」


俺は1603年に異世界転生した。この時代はあの徳川家康が天下統一した年である。


異世界転生は10秒ほどで終わった。俺はどこかの城下町に出た。


「あれが江戸城・・・。」


俺の目の前には江戸城がそびえたっていた。月を背にしたそれは圧倒的で美しく誰にも再現はできない至宝であるかに見えた。


俺は江戸城へと歩き出した。途中で役人に捕まりかけたが現代から持ち込んだ希釈した青酸カリとクロロホルムを独自の方法で化合したものを用いて場を切り抜けた。


「ついに江戸城に着いたな。」


そして俺はついに江戸城へと辿り着いた。俺が来ることがわかっていたのか江戸城には大量の兵士がいた。しかし俺の敵ではない。

俺が手にしたスイッチを押すと江戸城は地下へと沈んでいく。実は江戸城の地下に大量のダイナマイトを仕掛けておいたのだ。しかもただのダイナマイトではない。独自に仕入れたニトログリセリンを独自に計算した方法で威力を最大限高めたダイナマイトを超える爆薬を使っている。威力は並のダイナマイトの8000倍ほどである。


江戸城は地へ沈み、天守閣だけが地上に出ている形となった。周囲の兵士はこのたった数秒のことに動けなくなっていた。そんな兵士達から良さげな刀を2振ほど頂き、俺は天守閣へと向かった。


天守閣の中は城の前のことが嘘だったかのように静かで、空虚だった。しかしそこに漂う空気はひどく重く潰されるほどの気迫も感じる。


「あなたが・・・家康か?」


俺がそう問うと男はゆっくりと立ち上がり答える。


「我れが家康なり。織田秀吉よ、我れの手にした天下を譲ることはできん。そなたの力を示し・・・」


「奪ってみせよ!!」


俺が気付いたときには家康は俺の背後にいた。直後、俺の胸が袈裟の形に斬られた。途轍もなく速い居合は目には見えないほどだ。


「速い・・・だが!!」


俺は居合を見切り、刀を振ると俺と家康の刀が触れ合い、火花が散った。力は互角かと思われたが家康はさらに力を籠め、俺の刀を折った。俺はもう1振の刀を取り出して戦うが力もスピードも相手のほうが数段上である。


俺は折れた刀の刃を家康に投げつける。まっすぐ家康の額へと向かったそれはまるで予想できていたかのようにスムーズな動作で弾かれるがそこに一瞬の隙が生まれた。


俺は鞘を使い家康の体制を崩し、家康の刀を持つ腕を固め、折れた刀の柄を腕に押し付け、全体重をかけて家康の腕を潰した。


「殺しはしない。天下を譲ってもらおうか。」


しかし家康はそれには応じず、足に仕込んでいた刀を俺の肩に突き刺した。俺は咄嗟にその場から離れるが家康は腕の痛みを感じないといわんばかりに無駄のない動作で立ち上がった。


家康の動きは一切衰えていない。むしろ刀が枷だったかのように先ほどよりも素早い動きである。相手は片腕が使えない上に拳で戦っている。刀を持つこちらのほうが有利なはずなのだがそれでも圧倒されてしまうのは史実に語られなかった家康の鬼神の如き力と疾風の如き速さによるものだろう。もう1振の刀も折れてしまった。


「織田秀吉よ!腕の1本で手に入るほど我れの天下は安くないぞ!」


家康は俺の首を掴み壁に投げつけ、そこからさらに何度も俺を壁に打ち付けた。


「これで終わりにしてやろう!天下の夢から醒めろ、織田秀吉ぃ!!!」


家康は俺の身体を地面に放り、足で踏みつけ、首を引っ張る。全く抵抗できず、肋骨は悲鳴をあげ、首はミシミシと音を立て始める。


絶体絶命と思われたその時、折れた刀の刃が落ち、俺の首を掴んでいた家康の腕を切り落とした。先ほど家康が折った俺の刀の刃である。俺は折れた刃で家康の足を切り落として脱出し、怯んだ家康を壁に投げつけ、柄を家康の手に突き刺し、十字の形をとらせた。


「もう一度言う。殺しはしない。天下を譲ってもらおうか。」


「天下は譲らん。そして我れは武士である。情けをかけず一思いに殺めてもらおう。」


俺は家康の刀を取り、袈裟の形に深く斬り下ろした。家康はすぐに息を引き取った。








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― 新着の感想 ―
[気になる点] 三点リーダーは、2つ繋げて……。  改行したら、1行空ける、 [一言]  他ジャンルへの挑戦、とても良いと思います。
2021/01/22 01:11 退会済み
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