88話 SSS全国大会決勝戦
翌日。
SSS全国大会本選DAY2、決勝戦の朝を迎えた。
「熱気がすごいなあ」
会場入りして昨日と同じチームのスペースにやってきたマモルこと僕は周囲を眺めて雰囲気に押される。
まだ朝の9時過ぎだというのに会場は既に満員だ。
「この大観衆の前で戦えるなんて最高ね!」
目立ちたがりのアカネが強がりでもなく言う。この時ばかりはそのメンタルが羨ましい。
「25位、決勝メンバーでは最下位からのスタートとなりますが、昨日のラストマッチのおかげで注目されているようですな」
ジイクさんも楽しそうな様子だ。
「また今日も一日みんなで遊べるね! 楽しんで行こう!」
リリィさんも昨日からずっとテンションが高い。やっぱりこうして対面で意思疎通できるのが良いのだろうか。
「そうですね……悔いを残さないようにやっていきましょう!」
僕も声を張り上げる。
そうする内に時間となり、練習時間が始まった。
SSSの訓練場にて決勝前の最終調整をそれぞれチームで行う。
その間に実況と解説がルールの説明を行っていた。
『さあて、やってきましたね! SSS全国大会、アマチュア部門、決勝! 本日アマチュア界の頂点が、新たなプロが誕生します!!』
『いやあ楽しみですね』
『二日に渡って行われる本選。昨日は予選を勝ち抜いた100チームで行われました。それを勝ち残った25チームでDAY2となる本日は戦います』
『25チーム……SSSの基本ルールであるバトルロイヤルにおける最初の部隊数と一緒ですね』
『ええ、その通りです。今日はこの25チームで優勝者が出るまで戦い続けることになります! 詳しく説明しましょう!
まず基本はこれまでと同じです! キルと順位それぞれに振られたポイントを集めていく。しかし25チームでは初期ポイントが違います。DAY1での順位に応じたポイントを持っています』
『昨日を高順位で突破したチームほど有利になるということですね。これはDAY1で予選を突破出来る順位を確保した後も上を目指して戦ってもらうための措置です』
『25チームでバトルロイヤルを行いスター獲得者が出るまで戦います。マッチ終了後、10分の休憩を置いてまた戦います。
そうして何度も戦い規定のポイントを超えたチームはビクトリースタンバイとなります! この状態でのマッチでスターを獲得したチームが優勝です!!』
『ビクトリースタンバイになってから、どれだけポイントを稼いでも優勝とはなりません。スターの獲得、マッチで1位を取ることのみが条件となります』
『先にビクトリースタンバイに入れれば有利ではありますが、当然ながらそのチームにスターを取られないよう、他のチームは徹底マークしていくでしょう! それでも尚スターを獲得できる力を示してこそ優勝できるのです!!』
『ビクトリースタンバイに入ったチームが1,2くらいだとマークがきつく、4,5も出てくるとマークするのも難しいので本来の動きになる傾向ですね』
『というわけでルールの説明は以上です! 決勝開始まで今しばらくお待ちください!!』
「よし、最終調整も完璧っと。初戦のマップを確認……って『黄昏』からのスタートか」
決勝のマップはマッチ毎に変わる。
マップによって立ち回りは大きく変わる、既にこの時から僕の戦いは始まってるといってもいい。
「いいマップね。分かってるわよねマモル、アカネをちゃんと活躍させるのよ」
「接近戦が強いマップだ、言われなくても働いてもらうぞ」
「よろしい」
建物の残骸など乱雑したマップのため接近、奇襲の行いやすいマップ。
決勝初戦、どのチームも最初は様子を見ていきたいところだろうが……。
だからこそちょっと積極的に仕掛けるか……?
ルール説明でも言われたが僕らはDAY1を25位の最下位で突破している。初期ポイントは0だ。優勝を目指すならまずはDAY1一位通過の『GD』に追いつかなければならない。
「逆に『GD』は余裕がある……昨日それだけ頑張ったってことだけど良いなあ……」
『完全指揮』ならその優位を着実に広げるに違いないだろう。
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『GD』チームスペースにて。
「カイト様……?」
「……ん、どうしたシズカ」
「初戦のマップが『黄昏』に決まりましたが、どのように立ち回るかブリーフィングを行わないのですか?」
「ああ、そうだな……アポロン、アルテミス、訓練場から上がれ」
「……(いつもと様子が違うような……私の気のせい……?)」
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『さて午前十時、開戦時刻を迎えました!』
『そうですね、最初の予選から約一ヶ月、長い長い戦いの決着が今日付くでしょう』
『それではSSS全国大会、決勝戦開始!!!!』




