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78話 本選状況


 時刻は14時。


 DAY1が始まってから4時間、折り返しを迎えていた。


 僕らチーム『APG』はというと、もぐもぐとマッチの合間に昼ご飯をかきこんでいるところだった。


 メニューはおにぎりやバナナといったエネルギー源となるものが主だ。

 アスリートのような食事だが、ゲームがEスポーツと呼ばれる時代だ。それに4時間も集中しっぱなしで実際遜色ないだろう。




「現在20位……悪くはないけど、もうちょっと上も目指したいところね」


 会場中央にあるメインモニターには現在の戦いの様子や、ハイライト、全体での順位などが切り替わりながら移されている。

 DAY1から25位以内のチームがDAY2に進める。100チームいることを考えると上位5分の1には入っているが、優勝候補と言われたのにこの体たらくでアカネは少し不満そうだ。




「現在1位は『GD』……やっぱりすごいね」


 アカネの不満はもう一つの優勝候補がしっかりその力を発揮しているところからも来ているのだろう。


 SSSの一マッチは大体20分ほど。現在どのチームも12マッチほどこなしている計算になる。

 そんな中『GD』は既に6回もスターを獲得している。毎回とは行かないようだが、それでも十分にすごい数だ。

 キルポイントもしっかり取っているようで、総合ポイントはぶっちぎりの1位。


 対して僕らは2回しかスターを獲得出来ておらず、キルポイントも僕の消極的オーダーのためそこまで伸びていない。

 その2回のスターも『GD』が同じブロックにいないときに取ったものだ。何回か一緒になったのにそのときは勝てていない。




「…………」


 いや、焦るな。

 100チームもあるためスターを獲得できていないチームの方が多いくらいだ。それにちゃんと予選突破圏内には入っている。


 このままポイントを重ねていけば大丈夫なはずだ。




「マッチ準備状態のチームが25になりました、そろそろ始まりそうですぞ」


 目敏く状況を見ていたジイクさんからの言葉。


「了解です!」


 最後にスポーツドリンクをひとあおりしてから、僕は席に着いた。


 そして再び戦場へとダイブしていく。










 それからさらに3時間半ほど経った。


 僕らは必死に戦った。

 さらにスターを1回獲得も出来た。


 それでも結果というのは相対的なものだ。


 20位から30位までのチーム。

 DAY1を通過出来るかの当落線上にあり、どのチームも決死にポイントを重ねる。


 折り返しでは20位。

 守りに入ったつもりは無いはずだった。

 それでも順位を維持することでどうにかDAY1は突破したいという心がどこかに合ったのだろう。

 いつも以上に消極的になってしまい、それが良くなくて負けるということが何回かあった。


 対して積極的にポイントを稼ぐことに成功して追い上げを見せるチームがあり――気付けば僕らはラスト1マッチの時間を残して26位という結果になっていた。




「…………」


 このままじゃDAY1を突破出来ない。

 どうしてこんなことに……後悔することで動きが硬くなりさらに後悔するという、負のスパイラルに陥っている。

 分かっているのに修正出来ない。




「どうやら25位のチームも次は同じブロックのようです。ちゃんと直接対決でポイントを上回れば逆転の目はあります」


 ジイクさんの話は朗報だ。別ブロックになっては僕らがスターを獲得しても、相手もスターを獲得して同じ程度にポイントを稼がれて負けるというどうしようも無い事態が発生する可能性があった。




「問題は同じブロックに『GD』もいることよね……ああもう未だに総合1位だけど油断とかはしないわよね……」


 アカネの言うとおり『GD』はその地位を盤石の物としている。2位とかなりの点数差を付けて、ラストマッチを初動で負けても1位通過確定だろうが、そんなことにはならないだろう。




「マップは『火山地帯』みたいだね」


 マッチ毎に切り替わるマップだが、ラストマッチに選ばれたのは『火山地帯』。

 開けている場所が多い物のそこかしこにある溶岩エリアに落ちると体力が削られていくため立ち回れるスペースは狭いといったマップだ。


 


「よし、泣いても笑っても今日のラストマッチです! 腹を括りましょう!」


 チームに檄を飛ばしたところで、どうやら25チーム集まったようだ。

 マッチが開始されて僕らが乗る飛行船がマップを横断する。




 負けたら終わり。

 これまでの努力も水の泡。


 そんな悪い想像をどうにか頭を振るって追い出す。


 逆にここで勝てばいいだけだ。

 そうだ、いつも通りにやれば大丈夫……!






 そう、僕は――ことここに至っても現状維持を選んでしまった。


 想像が回っていなかったのだ。


 敵がどれほどの覚悟で臨んできているかということに。






 『火山地帯』でのいつも通りの降下場所はマップ端の『展望台』だ。

 そこに向けて降下を開始したところで。


「1チーム付いてきているわ!」

「……っ!」


 アカネの警告にハッとなった。


 物資もとぼしく滅多に被らない降下場所。

 DAY1のラストマッチというこの重要な局面で被せにくるチームには一つ心当たりがあった。




「……おそらく25位のチームです! 開幕で僕らを潰して予選突破を確定させるつもりです……!!」



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