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44話 これからの展望


「とにかく精進してもらわないと困るわ! 次の大会もすぐ来るんだからね!!」




 アカネちゃんが流れを変えるように言い放つ。


 反省会は終わり、これからの展望についての話となるようだ。




「次の大会って何に参加するの?」


 リリィこと私は問い返す。


「そんなことも知らないわけ……って言いたいところだけど、そうねリリィなら知らなくてもしょうがないか」

「ごめん、SSS始めたの最近だから」

「いいわよ。じゃあ1から説明すると次に参加するのはアカネも本命にしている、SSSで一番大きな大会、『SSS全国大会』のアマチュア部門よ」

「全国大会……大きな話だね」


 スポーツみたいな響きがする。




「特徴を上げていくとSSS運営による公式大会であること。毎年莫大な参加者数になるから予選も本選も複数回に分けて行われるわね。予選はオンラインで行われてそれを勝ち進んだ者が、本選のドーム会場に集まってオフラインで連日行われる戦いを経て1チームが優勝の栄冠を得るってところかしら。

 大会はプロ部門とアマチュア部門で行われて、プロ部門で優勝したチームには莫大な賞金が、アマチュア部門で優勝したチームには賞金にプラスしてスポンサーが付いてプロデビューの確約よ」




「な、何かもうスケールが……」


 複数日に分けて行われる大会、オフラインで行われる勝負、優勝したらプロデビュー……与えられた情報の濃さに少しクラクラする。


「大会の期間も予選からを含めると長いものとなります。予選、本選含めて土日祝日に行われますから学校、仕事には影響は少ないと思われますが」

「それは助かりますけど……」

「最初の予選開始がもう一ヶ月後だから、もうそこまで準備時間があるというわけでもないのよね」

「ちなみに聞いておきたいけど目標は?」




「もちろん優勝よ!!」




 マモル君の問いかけにアカネちゃんは胸を張って答えました。


「大きく出たね」

「夢を大きく持たないでどうするのよ。優勝すればプロデビュー出来る、もっと有名になれるってことだわ」

「まあ、そうか。最初から負けることを想定するのもおかしな話だしな。それにそっちの方が楽しそうだ」


 アカネちゃんとマモル君は意気投合した様子だ。それにしても若いなぁ、私なんかどうせどこかで負けちゃうかもとか考えちゃうのに。





「私はもちろんアカネ様のため全力でサポートする所存であります」

「……私も。微力ながら協力するからね」


 二人のように純度こそ高くないけど、負けたくないという気持ちは私にだってある。




「しかし優勝を狙うとなると……また今日みたいにどこかで『GD』が立ち塞がるだろうなー」

「やっぱり出場するのかな?」

「公式で発言したことは無いはずですが、まあ出場するでしょう。というかSSSをやっててチームを組んでいるほぼ全ての人が参加する大会と言っても過言じゃないですから」

「それはすごいね……」

「『GD』も優勝を狙ってくるんだろうな……」






=====






 『GD』のVCボイスチャットルームにて。

 『完全指揮パーフェクトオーダー』のカイトがチームメイトに対して話していた。




『今日のスター杯はみんなご苦労だった。『SSS祭り』に引き続きの優勝。チームとして仕上がってきた証だろう。


 さて今後の予定だが非公式の大会に何件か参加申請、または招待を受けて出場する。


 大会独特の緊張感に慣れていくためにな。


 最終的な目標は一ヶ月先から予選が始まる『SSS全国大会』


 そのアマチュア部門で優勝してプロになる。


 それも全ては俺たちの『使命』のためだ』




 『使命』と大仰な言葉を口にするカイト。




『……そうやな。そのために『組織』から脱走してきたんや』


 アポロンが真面目な声で応える。




『血のにじむような特訓もこなしてきた』


 アルテミスも今このときはそれを茶化さない。




『それも全ては――』


 シズカは、四人はあの日誓った決意を思い返して『使命』を今一度確認する。






『世界を滅亡から救うために』

『世界をここで終わらせへんために』

『世界がこれからも回り続けるために』

『世界の破滅を回避するために』




 言葉は違えど四人の思いは一つだった。




『……分かっているならいい。今日のところはこれで解散とする』






=====






「それにしても一ヶ月準備時間って言ってたけど、具体的にはどうしようか?」

「とりあえずこれまでと同じようにチームでマッチに潜って連携の確認だったりするのがいいと思ってますけど……」

「いやいや、何甘いこと言ってんのよ、マモル。絶対にやらないといけないことがあるでしょ」


 ちっちっちっ。と実際に口出しながらアカネちゃんは宣言しました。




「強化合宿を行うわよ!!」




「合宿……?」

「そうよ! 現実で四人が集まって重点的に強化するための合宿よ! そもそも大会を勝ち進めばオフラインで会場に集まって戦うわけだし、現実で顔を合わせておく機会は先に取っておくべきだわ!!」

「……まあ一理はあるな」

「ふぉっふぉっ、合宿会場については私にお任せください。伝手があります」


 アカネちゃんから先に話を聞いていたのか、ジイクさんの提案はスムーズだ。




「スケジュールに関してはどの日が開いているかのアンケートを回しておくから回答しておきなさい」

「準備がいいのな、了解」

「合宿……楽しそうだね!」

「私も楽しみですが…………いやはや、のんきですな」


 ジイクさんが最後にボソッと呟いたのは……どういう意味だろう?

 あまり聞こえないような音量で、おそらくその直前に発言した私に対しての言葉で……。


「あっ」


 そうだ……!


 合宿、みんなと直接会うってことは、私の年齢偽装がバレるってことじゃん!?


 え、ヤバい、ヤバい!! どうしよう! どうすればいいの!?



スター杯編、完。

予選はざまぁパートの締め、本選はGDの初顔見せ&負けイベント、大会後は息抜き+今後の展開の布石をばらまいた感じとなりました。


この話投稿時点で総合評価600pt達成しました! 感想も数件頂きすごい励みになりました、ありがとうございます!


次回からは新章『強化合宿』編スタートです。

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