39話 スター杯本選 2マッチ目
『さあ始まりました、スター杯本選2マッチ目!! 引き続き実況『マーク』、解説はプロプレイヤー『トーテル』選手でお送りします!!』
『よろしくお願いします』
『1マッチ目はシークレットチームとして呼ばれた『GD』がその期待にまさに応えるといった形で、合計ポイントトップで終えています!!』
『家を封鎖したウォールの使い方に注目が集まっていますが、大会本選に出るようなプレイヤーならこのテクニックについては知っているものでしょう。
ですから目を付けたいのはタイミングですね。敵チームそれぞれの『家にいるチームが屋外に出ざるを得なくなるのを待とう』『屋外で戦っているチームのどちらかが倒れるまで待とう』と考えるその隙を突いたからこそ上手く行った、突けるからこそ上手いのです』
『そうですねータイミングです。ウォールが来るのが分かっていれば封鎖される前に扉を開けて、その敵を集中放火すればいいんですからね』
『プロでもここまで鮮やかに決まることは珍しいんじゃないでしょうか? ましてや大会本番のプレッシャーの中で実行したと考えると見事です』
『と、またもや1マッチ目について語ってしまいましたが、そうです2マッチ目は始まっています! マップは変わらず『熱帯雨林』!! 各チームが降下場所が被らないように散らばってスタートしてます!!』
『本選は全部で3マッチ、一番合計ポイントが高いチームが優勝ということで、1マッチ目でポイントを稼げなかったチームはかなり苦しいですが、それでもこの2マッチ目でポイントを稼げればまだ優勝の芽はあります。他の部隊と降下場所を被せるギャンブルを選択したチームはいないみたいですね』
『飛行船が飛び去り、第一収縮と祈祷師のスキルによって見える第二収縮の場所まで表示されました!! どうやらマップ北東『巨大樹』辺りが主な戦場となりそうだ!!』
『1マッチ目のスポット『原生住民の住居』はそれぞれ家に籠もっての長期戦でした。しかし今回の『巨大樹』は上を取った部隊が圧倒的に有利になります。有利ポジの奪い合い、そして取れなかった場合にどこにポジションを取るか、そういう勝負になりそうですね』
『安全地帯が発表されたことで、早速巨大樹の上を取ろうと部隊が殺到! 小競り合いが起きてます!!』
『巨大樹自体は物資の湧きが悪いので直接降りた部隊はいません。周辺に降りた部隊が漁るのもそこそこに詰めかけているようですね』
『そして戦いが始まれば当然漁夫もやってくる!! これはもう小競り合いと言える規模ではなくなってきたぞー!!』
『戦いから引き始めた部隊もいます。まあ死んでしまっては意味ないですからね』
『と、巨大樹方面ばかり映してきましたが、一マッチ目1位通過した『GD』の動向も気になるところ。さて現在『GD』は……おおっとマップ南東辺りを移動中だ!』
『『GD』は南の辺りに降りてましたからね。北東方面の安全地帯に中央を通るのを避けて、南東方面を経由して目指そうという考えでしょう。
マップ中央『神殿の廃墟』や『森林地帯』は隠れる場所が多いため奇襲を受ける危険性があるのと、中央ということで人が通りやすい場所でもありますからね』
『そうなると『GD』はしばらく戦闘もせず移動するだけとなるでしょうか?
さて、巨大樹の方面で戦闘もどうやら落ち着いてきた様子。上を取って迎え撃つ体勢も出来たようで、こうなっては周囲の部隊も奪うのを諦めて引いていきますね』
『第一収縮も始まりました。次の範囲内に入っていない部隊が慌てて入っていきますね』
『そうですねー、しかしほとんどが巨大樹の近辺にいて、入っていない部隊はそんなに……いや、それに関して争いが起きそうだ!
マップ中央森林地帯を駆け抜けるチーム!! しかしその先に待ち伏せている部隊が存在する!!』
『ああっと、これはマズいですね。完全に付近に部隊がいないと思って無防備です』
『さて両者接近して……さあかかった!! 巧妙に岩の裏に隠した罠にかかった!! スタンで足が鈍るチームに襲いかかるのは『APG』だ!!』
『範囲ギリギリで周囲からの射線を切れそうという滑り込みたいところに上手く罠を仕掛けてましたね。これは完璧な奇襲です』
『1マッチ目『GD』のアポロン選手を狙撃したり、最終範囲における家の奪い合いにおいてキルを重ねていたり、何かと活躍している『APG』!! 敵部隊を壊滅させてキルポイント4を獲得だーっ!!』
『安全地帯の端、周囲に部隊がおらず漁夫も来ないだろうというところまで読んでいたのでしょうね。……しかしどうやらそう上手くは行かないようです』
『何とっ! 倒した敵の棺桶を漁っていた『APG』のアカネ選手の元に狙撃が!! 幸いにも一発でダウンしなかったため、スキル『焔化』を使って遮蔽まで逃げ込みます!!
さて狙撃者ですが何と『GD』だ!! 南東から範囲に入る動きをしていた『GD』が銃声を聞きつけて、この中央『森林地帯』までやってきた模様!!』
『次の範囲がさらに北東方面に縮まるため、この中央付近に残っている部隊はいません。お互い今鳥使いのスキルを使ったため、それを理解したことでしょう。
つまり『APG』と『GD』の一騎討ちです』
『さてお互い遮蔽を使いながら遠距離での撃ち合いが始まった!! スナイパーライフルを持ったジイクフリート選手とシズカ選手が激しく火花を散らす!!』
『『GD』は積極的に攻めることは無さそうですね。『APG』が奇襲で部隊を潰している間に『GD』は配置を選ぶ余裕がありました。
『APG』の背後に範囲を押しつけるように展開しているため、このまま時間をかければ第二収縮が始まり、先に範囲外になる『APG』がやられます。
『APG』は先ほどキルポイントをゲット出来た上、不利ポジションを背負わされたので戦わずに逃げたいでしょうが、それを『GD』が許すとは思えません』
『となると『APG』はどこかで攻めないといけないところ! しかしこうもにらみ合っているとその隙がありません!!』
『工作家のスキル『ウォール』があれば二部隊の間に遮蔽を作って被弾を減らしながら強引に詰めることも出来るんですが『APG』に工作家はいませんからね。先ほどの奇襲には役立った罠師も相手から攻めてこないこの場面では役立ちません』
『さあ第二収縮まであまり時間もない!! おおっとここで『APG』のマモル選手が手榴弾を取り出し上をめがけて……投げた!! 山なりに飛んだそれが、遮蔽裏に隠れたシズカ選手を直撃!!』
『ごっそり削られましたね。シズカ選手は少しの間、回復に回らないといけません。足がかりとしては弱いですが、時間も無い以上おそらくここで『APG』も詰めるでしょう』
『トーテル選手の言うとおりだ!! 『APG』全軍突撃!! 『GD』の迎撃に削られながらも強引に距離を詰めます!!』
『ああ、でも流石にキツいですね。ジイクフリート選手がダウンしています。アポロン選手とアルテミス選手の集中砲火を食らいましたね。きっちりフォーカス出来たのは流石『以心伝心』の連携といったところでしょうか』
『さあしかし『APG』は止まるわけには行かない!! アカネ選手が敵陣深くまで入り込み、回復を終えたばかりのシズカ選手をきっちりダウンさせる!! 仕返しとばかりに撃ち込まれる銃弾はきっちり『焔化』で回避!!』
『これで3対3ですね。炎となった状態で何とか確保したマモル選手とリリィ選手も待つ遮蔽物にアカネ選手が逃げ込みますが……』
『そこにお返しと言わんばかりにアポロン選手が突撃!! アカネ選手の焔化の後隙にきっちり銃弾を叩き込む!!』
『アポロン選手も巫女を使っているため反撃を『焔化』できっちり回避。前隙はアルテミス選手がきっちりカバーしていますね』
『さあここで止まらない!! アポロン選手が崩したところにカイト選手とアルテミス選手が突撃をかける!! 』
『こうなったら後は戦闘スキルが物を言う局面ですが、『APG』は体力状況が良くないですね』
『削られていたアカネ選手が先にダウン! リリィ選手も粘るがダウン!! マモル選手も決死の抵抗をするがダウン!!! 『APG』全滅だ!!』
『一騎打ちではありましたが『GD』が常に一手上を打っていた印象ですね。
先に展開された時点で厳しかったですが、『APG』も漁夫が来ないと思って奇襲をかけたのは悪くない判断だったと思います。『GD』の嗅覚が鋭かったですね』
『『焔化』を終えたアポロン選手がダウンしていたシズカ選手を応急処置で起こします。第二収縮ももう始まって範囲がそこまで迫っているため『GD』は棺桶を漁らずに安全地帯に向けて移動を始めました!!』




