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1話 追放




「聞こえなかったのかよ! おまえをこのチームから追放するっつってんだ!」


「……え?」








 今日も大盛況の生配信マッチを終えて、チームのVCボイスチャットルームに戻って放たれたのがその言葉だった。








「ったく、本当おまえはトロいな。おまえが出すオーダーと同じくらいトロいっつうの」


「ど、どうして……僕が追放って……そんないきなり……」








 大人気FPSゲーム、Star Struggle Shooting、通称SSS。


 その基本ルールは四人一組のチームが二十五組、合計百人が戦場に降り立ち、最後のチームになるまで争うバトルロワイヤルだ。




 『銀鷲』はそのSSSを共にプレイすることを目的に作られたチームである。




 そのメンバーは。








「いきなりじゃねえっての。これでもちゃんと話し合ったんだぜ」




 チームのリーダーにしてメインアタッカーのギルバート。






「何度も何度も話し合ったわ……あ、もちろんあんた抜きでね」




 サブアタッカーのアランナ。






「その結論として導き出されたのが……あなたはこのチームに不要ということです」




 スナイパーのレーヤ。






「僕がいらないって……そりゃ銃撃戦は苦手かもしれないけど、みんなで勝てるように頑張ってオーダー努めていたのに……」




 そして僕、マモルの四人である。




 僕の役割はオーダー。チームの司令塔だ。


 全体の戦況を瞬時に把握して、勝つための指示を出す重要な役割……だと自分では思っている。




 チームを組んだ際にリーダーのギルバートから『チマチマ考えるとかめんどくせえ。FPSは攻撃こそが華だろ。オーダーはおまえに任せた』と言われて、これまで必死に役割をこなしてきたけど……。








「ぷはっ! 笑えること抜かすんじゃねえっての! 勝つためのオーダー? アホくさ。おまえは敵にビビった行動ばっか繰り返す、消極性オーダー、雑魚オーダーだろうが。そんなの誰にでも出来るっつうの」




「もうそんなこと言っちゃかわいそうでしょ。ちゃんと役立ってたじゃない……荷物持ちとしてね」




「ですが荷物持ちなど誰でも出来ることですわよ。やはり必要ないじゃないですか」




「まあそんな雑魚を抱えても勝ててきたのが俺たちのすごいところなんだけどな。今日の配信だって一位、スターを連続で取ったし、チャンネルの登録数も一万人を突破した。そろそろ上を目指すために、さらなる飛躍をするためにも雑魚は邪魔でな」




「あっ、そうだよそうだよ。こいつに追放言い渡したって事はアテが付いたってこと?」




「チームの新しいオーダーを努める人材が」




「おうよ。もう待機させてんだ。今呼ぶぜ」








 僕が反論を挟む間も無く好き勝手言われる。


 その最後の言葉に続いて、VCボイスチャットルームのシステム音が鳴った。


 PCの画面を見てみると新しいメンバーが参加したとのこと。








「この度はお誘いいただきありがとうございます! 新しくチームに加入することになったフランツです! よろしくお願いします!」




「フランツって……最近ソロ配信でも積極的なオーダーでスターを量産してた実力派のフランツ!? よく引っ張ってきたわね!」




「へへっ、まあな」




「積極的なオーダー……私たちのチームにぴったりね」




「そこまで言われると面映ゆいですが、チームに貢献できるように頑張ります! ……えっと、ところでこのチャットルームには五人いるようですが……もしかして今回自分と入れ替わりでチームを抜けるって話の……」




「ああ、最後にお別れの言葉を交わしていたところでな。分かっただろ、俺たち新生『銀鷲』は安泰だってことが。あんたも心配せず新天地で頑張るんだな。じゃあ、あばよ」








「ちょ、ちょっと……」




 僕が何か言う前に再び鳴るシステム音。


 画面を見るとのVCボイスチャットルームメンバーからブロック、締め出されたということだった。


 慌てて確認するとそれだけでなく、チームで使っていたメッセンジャーアプリやゲーム内のフレンド機能もブロックされているようだった。


 完全に関係を絶たれたということだろう。








 こうして僕はあっけなくチームから追放されたのだった。



新連載始めました。隔日投下していきます。よろしくお願いします。

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