漫才「ええ?って言うゲーム」
漫才用脚本
A=ボケ B=ツッコミ
二人「どうも~、よろしくお願いします」
A「最近流行ってる『ええっ?って言うゲーム』、あるじゃないですか?」
B「演者の『ええっ?』を見てどんなシチュエーションで言ったのか当てるっていう奴か。確かに流行ってるなあ」
A「僕もやってみようと思うんで、選択肢無しで当てて貰えますか?」
B「選択肢あると簡単やからな。ええよ、面白そうやん」
A「……ふぅ、やっと部屋が片付いた。僕の名前はマサル。この大学寮からラグビー部での新生活が始まるんだ!」
B「……」
A「どんな出会いが待ってるんだろう。ワクワクするなあ。優しい先輩がいるといいなあ」
B「前フリいらんねん!」
A「ええ?」(普通に言う)
B「素で『ええ?』言うな。だから『ええ?』だけで伝えな意味ないねん! 前フリいらんねん!」
A「そうは言っても、このお題は前フリ無しじゃ無理ですよ」
B「はあ? どんなお題やねん?」
A「ラグビーワールドカップで選手が一つになろうと呼び掛ける時の『ええ?』です」
B「ワンチームでええやろ! 流行語大賞にもなった言葉があるのに何でわざわざ『ええ?』って言うねん! しかも大学入学からワールドカップってどんだけ感動ストーリーを繰り広げるつもりだったんや!」
A「ええ?」(わざとらしく嫌そうに)
B「それは何の『ええ?』やねん!」
A「相方のツッコミが長くて回りくどい時の『ええ?』です」
B「やかましいわ! 誰のせいでそうなっとんねん。次! もっと簡単な奴!」
A「ええ? こんな状況でも入れる保険があるんですか?」
B「本当にどんなシチュエーションやねん? 目の前に天敵いる系の動物動画か!」
A「正解は人間ドックで何の異常も無かった人の『ええ?』です」
B「入り放題やから今の内に保険入っとけ! だから『ええ?』以外に付け加えると訳わからんくなるねんて!」
A「じゃあ『ええ?』じゃないお題に変えましょうか。簡単な奴に」
B「おっ、どんなお題や?」
A「『あのぅ、マルゲリータじゃなくてマンゴー牛タンを頼んだんですけど~』」
B「店員が間違えてマルゲリータ持ってきた時にしか言わへんやつ! シチュエーションが限定的過ぎて簡単すぎるわ!」
A「ええ?」(わざとらしく嫌そうに)
B「相方のツッコミが長くて回りくどい時の『ええ?』せんでええねん!」
A「『あのぅ、マルゲリータじゃなくてマンゴー牛タン頼んだんですけど~』」
B「続けるんかい! だからマンゴー牛タン頼んだのにマルゲリータ出てきた時の『あのぅ、マルゲリータじゃなくてマンゴー牛タン頼んだんですけど~』やろ! わからんのはその店が焼肉屋なのかファミレスなのかどっちやねん!」
A「大学寮の食堂です」
B「マサルは出しゃばらんでええねん! 他のお題ないんか?」
A「わかりました。じゃあ『ニャー』にしましょう」
B「それならマトモやな。よし、ドンとこいや」
A「『ニャー』」(可愛く甘えた声で)
B「わかった! 仔猫が遊んで欲しい時の『ニャー』!」
A「正解! 本心では汚ならしいオッサンの相手なんてしたくないのに、チュール欲しさに遊んで遊んでアピールをする時の『ニャー』です!」
B「腹黒いな! 次!」
A「『にゃ、にゃあ』」(照れながら恥ずかしそうに)
B「恥ずかしそうに……? 恥ずかしがる猫なんて見たことないな。わかった、女の子やな。普段はツンツンした彼女が彼氏に猫耳カチューシャをつけさせられて恥じらいながらもペットになってくれた時の『ニャー』やろ!」
A「ブー! 正解はマンゴー牛タンと間違えてマルゲリータを持っていってしまった寮母が何とか誤魔化そうとして猫化した時の『ニャー』でした」
B「わかるか! マしか合ってないのにそんな間違いしたら素直に謝れ! 寮母いくつやねん猫化は無理あるやろ! いい加減マサル引っ張りすぎや!」
A「ええ?」(わざとらしく嫌そうに)
B「だから相方のツッコミが回りくどい時の『ええ?』はやめろ言うてんねん! もうええわ!」
二人「ありがとうございました」