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第3話 女神との契約

 上も、下も、右も左も真っ黒な空間。

 そのど真ん中で、俺は女神ラキシスに、生き返りのための交渉を始めた。



「なぁ、女神様。そこをなんとか助けてくれないか?」


「え、ええー……? 転生を断ってくる人とは、なかなかにレアなパターンですね……」


「俺にはまだ、妻と小さな子供がいるんだ。俺がこれから面倒を見てやらなきゃいけないのに、こんなところで死ぬワケにはいかない」


「うっ……。私、そういう話には弱いんですよ……」


「それにほら、俺はまだ瀕死の状態であって、完全に死んだわけじゃないんだろ? 女神パワーでも何でも使って、何とかしてくれないか? なぁ、頼むよ!」


「うぐぐ……まぁ確かにご主人は、まだ死が確定したワケではないですが……うーん……」



 しめた。この反応ならいける。

 俺は悲痛な表情を浮かべて、必死の形相で女神を見つめる。

 営業の仕事でも、こうやって数々のお得意様を落としてきたのだ。



「わ、わかりましたよぉ……。けど、無償で人を一人生き返らせてしまったら、私としても女神の沽券に関わります! そこで! これから私が提示する条件をクリアしたら、生き返りを約束しましょう!」


「条件……それは一体……?」


「今から紹介する異世界に行って、私が設定する条件をクリアしてください!」


「結局、異世界には行け、ということか……」


「まぁ、無事に達成できればちゃんと生き返らせますから! ちゃんと事故直後の場面で生き返らせますので、『生き返るころには遺体が埋葬されてた』とかいうオチもありませんよ! ただし、達成できなければその世界の住人になってもらいます!」


「分かった、それでオーケーだ。ここまで話を漕ぎ付けることができただけでも儲けものだしな」



 それから女神ラキシスは、俺に課せられる『条件』を説明し始めた。



「あなたにはこれから『テミリオン』という異世界に向かってもらいます!」


「テミリオン……。そこは、どんな世界なんだ?」


「テミリオンは基本的に、剣と魔法のファンタジー世界です。そこには『モンスター』と呼ばれる生き物、ちぢめて『モンスター』がたくさん生息しています」


「何一つちぢんでないんですがそれは」


「そしてテミリオンでは! モンスターを仲間にする職業、通称『テイマー』が大流行しており、人とモンスターが共に歩む世界となっています!」


「ほぉ……」



 テミリオンでは、人とモンスターが共に生活し、協力し合い、時には鍛え上げて、他のテイマーが育てたモンスターと戦わせたりする。

 さらに、テミリオンでは『テイマーロード』という、最強のテイマーを決める闘技大会が開かれているという。


 その『テイマーロード』で、『プル』という最弱モンスター(姿を見せてもらったが、ぶっちゃけスライム)を使って優勝する。それも3年以内に。これが俺に示された条件だ。



「どうですか? めっっっちゃ難しい条件ですが、まだやる気ですか?」


「ああ。それで良い」


「あるぇー? 即答とはノリノリですね? めっっっちゃ難しい条件ですよ?」


「確かに難しそうだけど、おもしろそうだ。それに俺って、モンスターを仲間にするような世界に憧れてたんだ」


「な、なるほど。図らずしも、あなたと相性の良い世界を掲示してしまったワケですか」


「……ところで、条件を出す、ということは、その条件を達成するとそちらに何かメリットがある、と考えるのが普通だが、一体何の目的が?」


「え? いや、深い意味は無いんですよ。ただ、私たち女神も娯楽に飢えていた、というか」


「……つまり、俺が異世界で四苦八苦するところをエンターテインメントにしようと思ってるワケか。性格悪いなこの女神……」


「あーあー! 聞こえなーい! それより、ちゃっちゃと異世界むこうに送っちゃいますよ! あ、言い忘れてましたけど、今のご主人の肉体は死にかけているので、向こうで活動するための代わりの肉体を用意させてもらいます!」


「え。それ聞いてな―――」


「それでは! 夢と! 冒険と! モンスターの世界へ! レッツゴー!」


「ああああああああ……」



 瞬間、眩い光が俺の全身を包み込み、視界を白に塗り潰した。

 それが、遺してしまった家族の元へ帰るための、俺の冒険の第一歩だった。

あとがきチップス


・あとがきチップスとは

 お話の終わりに、テミリオンの登場人物やモンスターや世界観などを一口で説明できたらいいな、という謎コーナー。

 ちなみにTipsはヒントの意であり、うすしお味やコンソメ味などは無い。

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