表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

忘れ物

作者: 五月病

彼は悩んでいた。

悩み、悩み抜いた末に包丁を首に当て・・・やめた。

彼はまだ生きていたかった。夢や希望があった。それゆえに、しねなかった。

彼は数分ほどボーッとした後、長いこと寝たきりだった患者のように、恐る恐る立ち上がると、包丁をシンクに置き、歯を磨き、髭を剃り、顔を洗った。

始業時刻はとっくに過ぎていた。会社に遅刻と謝罪を伝えるメールを送り終えると、彼は今まで感じたことのないような清々しい気持ちになっていた。鼻歌を歌って、通りすがりの誰かを抱きしめ、この世界の素晴らしさを大声で叫びたいような、そんな気持ちになった。

彼は上機嫌になっていた。

昨晩用意しておいた仕事ようにカバンを手に取ると、軽やかな足取りで玄関へと向かい、ふと、何か忘れ物でも思い出したような様子で部屋に戻ると、包丁で喉を深々と切り裂いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ