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レベッカ  作者: 橘晴紀
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帰郷

 あれから一年、なんとか娘も病気をせず毎日元気に保育園に通い、オレもそれなりに会社で新しい仕事をこなしていた。

そんなある日、前事業部で世話になった山口課長に呼ばれた。

「勝部、元気か?ずいぶん見ない内に老けたな。髪形のせいか?」

 それはそうだ。毎日仕事と家事に追われ、いつも短髪をジェルで固めていた髪形は束ねられるほど長くなったからだ。

 痛いところを突いてきやがる。

「課長のほうこそ、眉間のシワがまた増えましたね」

「バカヤロー!お前がいなくなって手が回らないんだよ」

 仕返しとばかりにオレは冗談を言ったつもりだが、山口課長は真剣な表情でタバコに火を付けて眉間のシワを増やした。社内のほとんどの者がオレの事情を知っていて、仲のいい同僚や部下は気を使ってくれて、飲みにも誘われなくなった。

 それでも、歓迎会や忘年会でどうしてもという時は千葉にいる伯母に頼んで、会に出席している。

 酒席は重要でただ飲んでバカ騒ぎをしているだけではなく、そこで仕事が生まれることも多い。

 特に営業や海外相手にしている部署はそうである。

事務の仕事に変わったオレはそういう面で情報のやりとりに疎くなった。

 それだからこそ、こうやって今でも気に掛けてくれる山口課長や同僚などと話す機会を大事にする。

「勝部、助けてくれないか?どうしてもお前の力が必要なんだ」

 正直オレは驚いた。海外事業部にいた頃、山口課長からそんなことを言われたことはなかったからだ。

 いつも怒鳴っていて、人にモノを頼む事が嫌いな人で、相手にそう仕向けてまで事を進めるような人だった。

 以前、オレが担当したプロジェクトでトラブルが発生

して、先方との契約がご破算に成りかけているという。

 あまりにも漠然とした内容の話と変な違和感を抱いたオレは山口課長が休憩時の愚痴をこぼしているだけだと思い、軽く挨拶をして喫煙所を離れようとした。

 すると山口課長はオレの腕を掴んで言った。

「川崎常務が言っていたのだが、お前の元女房、再婚するらしいぞ」

「えっ!」

 オレの驚きは元妻の再婚話ではなく、山口課長の中途半端な話と今の流れに接点が見えないことだ。

 元妻のことは遅かれ早かれ、そうなると覚悟はしていた。

しかし、少し早すぎる気もする。

 一旦休憩所を出かけたオレが戻るのを確認して山口課長は話だした。オレが海外事業部にいて最後に担当したプロジェクトにマレーシアでリゾート施設を建設する仕事を任された。

 部署移動でもちろん担当が変わり、オレが後継指名し、起用した課長初め、上層部も期待した後輩も問題なく仕事をこなしていたらしいが、突如先方側から契約見直しを打診されたという。

 話を聞いていたオレは不思議に思ったのだが、それぐらいの事でいくら社内にいるからといって前任者に助けを求めるのもおかしいと思った。だが話を聞いている内に、さっき山口課長が言った何の脈略もない言葉の意味が理解できた。

 それはリゾート施設の出資者が急遽変わり、計画を一から見直すという話になったという。

 そして何故オレに白羽の矢が立ったかというと、その出資者は元妻の再婚相手だったからだ。

 スウェーデンに渡ったところまでは聞いていたが、どういう経緯でそうなったのかは分からない。

 山口課長によると彼も断片的にしか知らないらしいが、現地でスウェーデン人の大富豪と出会い、婚約までことが運んでいるらしいとのことだ。この際どうでもいいことだが、果たして元妻がたった一年でそんな出会いをして、結婚を決めたのかは疑わしい。そんなオレの気持ちと裏腹に山口課長は、元妻経由でマレーシアに滞在する出資者に接触して、どうにかプロジェクトを引き戻せという内容の話だった。

 内容を聞く限りかなり危険で、一歩間違えれば手が後ろに回るかもしれない。だからこそ山口課長は、いや会社かあるいは特定の誰かはオレに命を下した。

 何と皮肉なことか。忙しさのおかげと言ったらいいのか、別れた妻の事と華々しい仕事は頭の片隅に追いやられ、これから娘とふたり細々と父子家庭でやっていこうと、やっと慣れた頃に、その忘れかけていたものが一遍に舞い戻ってきただけでは飽き足らず、まるでスパイ映画のような展開になる予感すらある。

 娘を独りにするのは嫌なので、一度は断ったものの、二週間だけだと懇願され、ひょっとしたらオレ自身、話を聞いたあと絶対行きたくないといったら嘘になるのもあって、渋々引き受けたかたちになった。

 そんなこんなでここ一カ月はその下準備でほとんど寝てお

らず、車を西へ走らせている。

 父の苦労を全く知らないで、すやすやと助手席で眠るかわいい娘は、ドアミラーに反射している朝日に起こされた。

「う~ん、もう着いたの?パパ。れいあ、ヘンな夢見た。怖い!」

 目を擦りながらべそをかいている。娘は妻が出て行ってからというもの、寂しいはずなのにいつも涙を堪えている。

 そんな健気な娘を見ていると、自分の無力さが腹立たしくていつも心の中で謝っていた。

「大丈夫だよ怜亜。どんな怖い夢を見ても起きたらなくなるから」

「だってパパが遠いところに行っちゃうもん。れいあ、ひとりになるのはイヤだ」

 正直ドキっとした。いつもの生活リズムは崩さず勤務時間中に全て終わらせ、家事にも影響しないように、娘が寝てから下準備をして、もちろん娘にはマレーシア行きのことはひとことも言っていない。この一年、オレとふたりっきりで暮らしてきた娘にとって初めて二週間も自宅以外で、父のいない生活を送るための道のりでは、言わなくても感じ取るのであろう。

 昼ごろには実家に着いた。ちょうど畑仕事に出ている父と兄の弁当を届けるために兄嫁と子供たちが外に出ていた。

「あら早かったわね、友二さん」

「久しぶり、義姉さん。朝早く出たから」

 車を降りて挨拶をすると、恥ずかしがってジっとしている娘が座る、助手席のドアを姪の菜月が開けて言った。

「れいあちゃん、一緒に行こう。今からパパとおじいちゃんのお弁当を持っていくの」

 そう言った小学三年生の菜月の横で、ニコニコ笑っている一年生の雄太が娘を外に引っ張り出した。

それにしても子供の回復力は早い。

 さっきまでふくれていた娘はもう一緒にはしゃいでいる。

「ちょうどよかったわ、友二さん。疲れているところ悪いんだけど、ちょっと頼まれてくれないかな?この子たち連れて畑へこれを届けてくれない?私、お義母さんを迎えに病院に行ってくるわ。夏休みに入ると待ち時間が長いのよ」

「お袋、どっか悪いの?」

「ううん、いつもの腰痛」

 長らくの畑仕事で腰を痛め、繁忙期以外は家にいる母は週に一回、井戸端会議を兼ねて病院に通っている。

 義姉は車に乗り込み出発した。オレは子供三人を伴って、家の裏庭から延びるあぜ道を弁当片手に畑へ向かった。

 子供の頃、よく兄とふたりで遊ぶのも畑仕事を手伝うのも、このあぜ道を使った。あの頃はずいぶん遠く感じた畑も今では近くて、五分くらいで着いた。

 オレの実家はみかん農家で、高齢になった父の後を長男である兄が継ぎ、父が手伝うかたちで営んでいる。

「菜月、おじいちゃんが上にいるから呼んで来てくれ」

「うん、わかった」

 兄の号令に答えて子供たちはここから、更に上にある畑に走っていった。

「友二、今日はゆっくりできるんだろ?」

「いや、明朝出発だから、すぐ東京に戻らないといけない。それに寄るとこあるし」

 前回実家に戻った時も、妻と離婚の話し合いがあったので娘を預けて、すぐに東京に戻った。

「兄貴、怜亜のことよろしく頼む」

「なんだよ、友二。戻らない気か?」

「バカ言え!少し長くなるし、海外だから何あるか分からないからだよ」

 しばらくして父が子供たちと一緒に下りて来た。

オレは父と二言三言話して、手伝いをするという雄太を残し、怜亜と菜月の三人で家へ戻った。

 家に着くと母も帰宅していて、夕飯の用意をするところであった。一年ぶりに帰省した息子と孫。

 独身になったオレと娘が普段まともなものを食べていないだろうからと、腕を振い張り切っていたのに、オレの断りが母を悲しげな表情に変えた。

 母と義姉に事情を説明し、帰国してきたらゆっくりすると約束して、同時に娘、怜亜のことも頼んだ。

「パパ~、約束だよ。早く帰ってきてね」

「あ~、約束する。怜亜がちゃんとおとなしくしていたら、パパはすぐ帰ってくる」

 車の前で泣きべそをかいている娘は、今までで一番悲しい顔をしてオレを見つめている。何か言いたそうだが、堪えているのか言えないのか。仕事が忙しくて家にあまりいなかった時は気付かなかったが、ふたりで暮らすようになって初めて知ったことがある。

 それは娘、怜亜の勘がいいというか、何かを察知するのが得意ということだ。幼い子供特有の能力や感受性とは違うようだ。そんな娘の瞳は何かを語っているようで、オレは抱きかかえて娘の涙を拭いた。

「大丈夫だよ。これを怜亜に預けておくから、パパが帰って来るまで面倒をみてやってくれ」

「うん。わかった」

「怜亜、これ何だか分かるか?」

「カエルさん。でもこれはパパがいつも大事に持っているものだよね?」

「そうだよ。だから怜亜に預けるんだ。パパが怜亜のところにちゃんと帰るという意味なんだよ」

「わかった。じゃあパパが帰るまで、れいあが、カエルさんと一緒にいる」

 そう言ってオレはいつも車のキーホルダーに付けているフエルトで作られたカエルの人形を娘に手渡した。

 それはまだ結婚前に妻がオレのために作ってくれたものであった。車を出発させたオレは手を振る娘の姿が見えなくなるまでルームミラーを見ていた。

 そしてオレは今日のもうひとつの大事な用事を済ませるべく車を走らせた。

 しばらく進みコンビニの駐車場に車を停めた。

それは何かを買うために入ったのではなく、その先の進路

に躊躇したからだ。目の前の看板には左が東京方面、右が名古屋方面それぞれ東名高速の案内、直進が岬に向かうケープロードと書かれてある。東京に戻るのであれば、交差点を左折すればいいのであって、いつも迷わず左にハンドルを切る。でも今日はある用事のため直進せねばならない。東京に出て十五年、何度もこの交差点を曲がった。

 何も考えず、いや考えないようにしていたのか、もしくは逃げていたのか。確かにこの先には海しかなく、山道を進んで岬に出て、道なりに行けば遠回りではあるが絶景を見ながら東名高速にも繋がっている。

 オレはこの十五年間ここから先に行ったことがない。それまでは毎日のように走っていた大好きな道だったにもかかわらず。十五年前、オレと親友の達也は毎日学校から帰ると、苦労してバイトで溜めた金で買った中古のバイクで峠を攻めていた。国道からケープロードに入り、断続的に続くワインディングロードを何度も往復する。

 ちょうど中間地点に岬があり、多くのギャラリーと呼ばれる見物人が見守る中、バイクを走らせる。

 そこはヘアピンカーブになっておりスピードが落ち、よくバイクが見えるからと、たくさんの若者が見物していた。

ケープロードは地元だけではなく、他県からも多くのライダーがこぞってやって来る有名なスポットである。

 なぜなら、以前そこで腕をならした者がその後、レーサーになったということも結構あったのと、これは攻めたものにしか分からないが、命がけで極度の緊張感から一瞬見える海がなんとも言えないと皆いう。

 オレと達也も高校に入ってすぐ、禁止されていたが原付免許を取ってミニバイクで峠に出かけギャラリーをしていた。

 そして、見ているだけでは飽き足らず、二年になると中型免許を取って念願のバイクを手に入れた。

 最初はふたりとも他のライダーの邪魔ばっかりをしていたが、何度も何度も攻めているうちに段々おもしろくなって、気付けば地元でオレたちを知らないものはいないくらいになっていた。その頃、高校生を中心にバイクブームが再燃し、モータースポーツなどよくテレビで放映していることも相まって、レースを見に行く人も増えた。

 オレたちも真剣に当時流行っていた鈴鹿8時間耐久

レースに本気で出るつもりだった。自惚れだったかもしれないが…。そんなある日、達也が真剣な顔で言った。

「友二、やっと見つかったんだよ」

「何が?」

「ガンマ、RGγ 。これで、本当に鈴鹿が近くなった」

「本気か?そんなマシンに頼っているうちは無理じゃねぇのか?」

 オレは教室の机を抱えながら、素っ気なく達也に答えたが、内心焦っていた。オレのバイクはスズキのGSX400Rといい、達也のバイクはヤマハのFZ400Rというバイクで二台とも4ストロークエンジンである。達也が見つかったと言ったガンマというのは、当時世界のバイクレースで大活躍していたモンスターマシン、スズキのRG500γ の縮小版のRG250γ 。これは2ストロークエンジンでオレたちのバイクより早かった。

 人気車種でなかなか中古でも見つからず、ずっと探していた代物であった。親友の達也とは小学校の時から仲が良く、いつもいいことも悪いことをするのも一緒で、それだけにヘンなライバル心があり正直、ヤツには勉強やスポーツではだいたい負けなかったが、峠を攻めるのはいつもリードされていた。その上に早いマシンを手に入れて、本気でレーサーになることを夢見ていた。達也のバイクが翌日に納車で今日が最後になるから、走り納めとばかりにいつもより多く峠を攻めていた。

 そして、達也は自分でも納得できたのか、いつもの発着点である展望台に戻って来た。すでに走り終えていたオレは密かに考えていた。達也と同じ性能のバイクで走れるのも、今日までだ。明日からヤツはより性能のいいバイクで走る。

 これでは勝ち目がないオレはズルイ考えが頭によぎった。

達也は暗くなるとどうも視力が落ちるらしい。

 前にそう言っていたし、実際日が暮れかけるとオレの方が早いこともあった。

「もう終わりだろ?友二。堪能したから、俺も仕舞いにする」

「いや、ちょっと待ってくれ達也。もう一回勝負しないか?」

「あ~、今日はもうやめにしよう」

いつもの達也らしくない返事だった。日が沈んだとはいえ、いつもならまだ攻めている時間だ。今日は歯切れが悪い。

「どうかしたのか?オマエらしくない」

「あ~、なんかヘンなんだよ。友二さっきヘアピンで見えなかったか?太陽」

「太陽?あ~沈む時か、見えなかったな」

長い下り坂の先にここで一番の難所ヘアピンカーブがあって、その先に海が見える。ちょうど太陽が沈んで行くところが拝めて、絶好のポイントだがスピードが一番出て、その後フルブレーキをかける最も危険なところで、実際死亡事故もあって、見ているヒマなんてあるわけがない。

 でも達也はそんな余裕があったのか。そらオレも何度か視界に入ったことはあったが、それは見ているとはいえない程度だ。

「やっぱり今日は止めにしないか?」

「なんだよ、達也。付き合い悪いな!一回だけ、あと一回頼む!さては負けておごるのがイヤなんだな?」

「バカ言え!ここ一カ月、オマエが払ってるだろ?忘れたのか?」

オレは達也が日暮れに弱く、初めてヤツに勝った時にトワイライトレースと、勝手に名前をつけて、負けた方が帰りにラーメンをおごるというのを考えた。

 打算で作ったのはよかったが、圧倒的に俺が負ける方が多くて、まだ三回しか達也に出させたことはなかった。

「あんな色の太陽を見たのは初めてだ」

達也は海の方を見て静かに言った。

 日が沈んだとはいえ、まだ十分明るかった。

「ちなみに何色だったんだ?」

神妙な顔の達也とは正反対にオレは軽く聞いた。

太陽の色といえば決まっているからだ。

「緑…」

達也は目を細めて答え、首を捻った。

「緑?そんなわけねぇだろ?達也オマエ、色まで見分けがつかなくなったのか?」

「そんなことねぇよ!確かに緑色に見えたんだよ!」

「わかった、わかった。緑色でも青信号っていうからな!それより早く行こうぜ」

 オレは軽くあしらって、とにかく早く走りたかった。達也の気が変わらないうちに…。オレはヘルメットをかぶり、バイクに跨ってエンジンをかけた。いつもなら同じように達也のバイクのエンジン音も聞こえるが、まだヘルメットを持ったままでこっちを見ている。

 オレはエンジンを空吹かしして催促した。

「友二…」

達也が何か言おうとしたちょうどその時、オレたちの前を甲高い音とともに駆け抜ける一台のバイクが通り過ぎた。

見覚えのあるヘルメットとマシンカラー。

「アル子だ!達也先に行くぞ!」

オレは慌ててバイクを発進させ、バックミラーを見るとためらっていた達也がバイクに跨っているのが見えた。

 <アル子> それはヤマハのRZ350を操るヘルメットから長い黒髪をなびかせている、女性ライダーである。

 とてつもなく早く、この峠を走るものでアル子に追いついたものはいない。この峠を攻める者は皆、発着点となり休憩所でもある展望台で交流があり、顔見知りのライダーも多い。だがアル子は日の出前と日没後しか攻めているところを見た者がいない。それに展望台には寄らず、もちろんヘルメットを取っているところも見た者もいないので、勝手にRZからもじってアル子と呼んでいた。

 昔からここを知る者の話によると、三年前にこの峠で一番早く、後にレーサーになった人が言っていたらしいが、アル子がサーキットを走行しているのを見たという。

 女性レーサーはいないので、間違いかとも思ったらしいが試走会であって、ヘルメットのデザインが特徴的だったのと、ライディングのくせがアル子そのものだったらしい。

 オレたちはレーサーという目標に限りなく近く、またそれを追い越さない限り絶対にそこへはたどり着けないと思い、少ないチャンスを無駄にはしないと、いつもアル子が現れた時は死に物狂いで彼女のあとを追っていた。

 遠くでアル子のエンジン音は聞こえるが、姿は見えない。

出遅れたがもし同時にスタートしても離されているだろう。二往復ほどして一旦、展望台に戻り様子を伺っていると達

也も帰ってきた。

「友二、今日は諦めようぜ。アル子、もう帰ったかもよ」

やはり達也は暗くなってきたのを気にしているようだ。

オレは最後のひと押しをした。

「じゃあ、ラス一としよう。お前の走りを見てアル子も現れるかもしれないし」

オレは達也の心を揺さぶった。ヤツがアル子という名前にいつも引っかかっていたのを知っていたからだ。


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