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スティーグ対オークキング1

「人が眠っている間になんだこれは!?」


 オークキングが憤怒の形相でスティーグ達を睨みつけた。

 あの戦闘の最中寝ていたとは豪胆だ。

 まあ、オークの群れとこのオークキングを同時に相手にしなくて済んだのだから良かったが。


 オークキングは倒れている仲間達を見て目を充血させる。


「よくも俺の子分どもを! 許さん! 貴様ら絶対許さんぞ!!」


 オークキングは怒り狂い戦斧を振り回す。

 その振り下ろしの速度はオークの比ではない。


「慎重にいきますよ」


「ええ」


 シルフィーとクレアが喉を鳴らして構えを取った。


「なんだ! やるつもりか人間のメス。いいだろう、貴様らを孕ませ、また子分達を増やすとしよう」


「なっ」


 女として嫌悪感を抱かずにはいられないセリフに絶句する一同。

 女性達の瞳に怒りが灯る。



 一瞬触発の空気の中で、この男だけが弛緩していた。

 相変わらずスティーグはだらしない格好でいた。

 オークキングはAランクオーバー、あるいはダブルAかもしれない相手だが、これだけの面子が揃っているのだから負けることはないだろうと高を括っていた。

 完全に他人事を演じている。


 と、そこに。


「スティーグ♪」


 ミューリがスティーグの腕に抱きついて来た。


「スティーグのカッコいい所、見たいな❤︎」


 スティーグは目を丸くした。

 他の面子もこの状況でイチャつくなと思って見守る。

 カッコいい所とはつまり、オークキングと戦う所が見たいということだろう。

 見つめ合うことしばし、スティーグは肩を落としてため息をついた。


「・・・わかった」


 スティーグは、ミューリの頼み事であれば大抵は聞くのだ。


 少女達はなんだか面白くなかったが、スティーグがやる気になったのだから嫌とは言わない。

 スティーグの為に道を開ける。


「なんだ? 全員でかかってくるかと思ったが、お前一人でやる気か? 人間のオス?」


「ああ、まあ、そういうことになった。よろしく頼む」


 スティーグはポケットから手を出して頭をかいた。


「ヒョロっとして弱そうだ。そっちのオスの方が強そうだぞ」


 オークキングはアドルフを見て言う。

 然もありなん。

 普通は体格差からそう思うのは当然。

 知らないとは恐ろしいものである。


「まっ、俺をもし倒したならやってくれ。お前程度百体いてもそんなことはあり得ないが」


 スティーグはなんの気負いもなく言い放つ。

 それを聞いてオークキングは血管が浮き出る。


「なんだと貴様! この俺を相手に勝つつもりか?」


「まあそうだな。やるなら最初から全力で向かってくることを勧める」


「舐めるな人間これを喰らえ!!」


 オークキングが戦斧を振り上げた。

 スティーグとオークキングの戦いが始まった。

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