新しい小さな家の小さな先住民
少し短めです。
--新しい小さな家の小さな先住民
到着した目的地にある目の前にある白い家。
森の中に立てた家とほぼ同じ形で、違うのは石造りであること。
庭も家庭菜園が作れるほどの広さがある。雑草まみれだけど。
…だがなぜか家の中から何かが動いている気配がする。
「主様…」
「わかってる」
気配から察するにネズミとか猫とかそういう動物の気配ではない。
サイズは小さそうだが完全に人のサイズだ。
あれか。空き家に居座って占住権の奪い取りとかか?
リィフォンに言って別の物件を用意してもらう事も考えたが、もう気に入ってしまった以上これは俺の家だ。
好きにさせてもらおう。
なんにせよ見てみないと話が進まないだろう。
扉の前に立ち、取っ手に手をかける。
そのとたん扉の向こうから殺気が浴びせられるのでお返しにちょっと多めの殺気を当ててやる。
すると扉の前から一気に気配が遠のき、気配が消えた。
「ふむ。それなりに殺気はわかるレベルか」
手をかけた取っ手を引き、扉をあけると、部屋の中には何もおらず、ガランとしていた。
ただ、部屋の中には食べ物の食い残しや、水の入ったカップ等が残されていて、誰かが住んでいた形跡がある。
「さぁて。悪い子はいねがぁ」
部屋に入り、まっすぐに地下室の方へと向かう。
床に仕掛けられた隠し扉を持ち上げ、はしごが架かっている穴の中に閃光を投げ込む。
「きゃぁっ」
穴の先から小さな女の子の声が聞こえたので穴に飛び込むと、地下室の中で小さな女の子が目を押さえて蹲っていた。
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「さて、小さな先住民さんや。そろそろ落ち着いたか」
あの後シルヴァも地下室まで追いかけて来るように飛び込んできて少女に追い討ちをかけようとしていたので後頭部へのチョップで止め、床に正座させている。
その目の前では少女が震えながら力なく座っている。
服はスラムの子の様で、ボロボロの辛うじて服といった程度の布を身体に巻きつけている。
その頭の上には狐の耳が乗っており、よく見ると顔もちょっと人が混ざった狐の顔だった。
「狐獣人か…」
呟いた声に少女はビクッと身体を震わせ、さらに身を縮こめる。
「あぁ、身構える必要はないぞ。別に捕まえて食おうとか考えているわけじゃない」
そう声をかけたとはいえ、そうそう態度は変わらず小さくなったままである。
まぁここで急に横柄な態度を取られてたら首を刎ねるがな。
「とりあえず、今日からここは俺の家になったので出て行って欲しい」
「わかった……」
そう言ってフラフラと立ち上がり、俺とシルヴァの間を通り抜け、ハシゴへと向かう。
その最中足を縺れさせて床に倒れこみ、そのまま気を失ってしまった。
…どうしたものか。
シルヴァと顔を見合わせても、シルヴァからは警戒の色しか出てこない。
うーむ、追い出すにしてもこのまま追い出したら多分直通で奴隷行きだろうな。
とりあえず気がつくまではここに置いてやるか。
「起きるまでこのまま放置するぞ。適当な寝床を用意してくれ」
「承知致しました」
シルヴァにそう告げると、鞄から簡易ベッドの様な物を出してきたので部屋の隅に設置し、そこに寝かせる
更に少女に、清潔、|付与持続治癒、睡眠をかける。
これで今日は起きないだろう。
「うし、じゃあ今のうちに王城行ってしまうか。シルヴァはここで留守番な」
「そんな!主様のお側にいさせてください!」
「だが断る。この少女を一人ほったらかしておくつもりか。そうかシルヴァはそんなに薄情な奴だったのか…」
まぁ別に着いてきてもいいんだがちょっとした意地悪を言うと下を向いて黙ってしまう。
「わかりました。主様が戻ってくるまでこの少女のことはお任せ下さい」
ランクスの様な執事礼をし、頭を下げてくるシルヴァを見てお、おう。としか言えなかった。
ま、いいや。とっとと王城行って挨拶だけしてこよう。
…挨拶だけで終わるといいが。
ヒロイン候補なるか!?
次回は3/4の予定です。




