出発前夜
今回もちょっと短いです。
--出発前夜
月夜夢から出て新しく手に入れた屋敷へと向かう。
…はーっ。めっさ緊張したわ。
今まで女を口説いたことなんか何回もあったはずなのになんでロザリアのときだけこんなに緊張したんだか。
「子供か、俺は…」
そんな年でもあるまいし、告白ごときで相手の反応が気になるなんて俺らしくない。
暴虐、理不尽、傲慢。
俺が今まで言われていた呼び名。
向こうにいた頃は大人しかったはずなんだが、こっちに戻ってきてからは常識人の皮は捨てた。
命の軽いこの世界でいい人ぶっても意味がないし舐められれば生きていく上でも枷になる。
…まぁ今の方が気は楽なんだけどな。
そんな俺が理不尽な事も出来ずに一人の女の反応が気になり、おろおろしている。
なんの冗談だ。
これはどこかで八つ当たりしないといかんな。
主にシルヴァとかに。
今後のことをいろいろ考えながら歩いているとすぐに屋敷についた。
門の所に門番が立っているわけでもなく、そのまま門をくぐりぬけ、中央道を歩いていく。
中央道の両側の石像を見ると、土台に魔石が埋め込まれていたのでそれぞれに魔力を充填していく。
破裂ギリギリまで詰め込んでやると魔石からは心臓の鼓動の様な感覚で明暗が繰り返されるようになった。
それを合計十二体。
すべての石像に魔力が充填されると、土台に備え付けられた魔石がキィンという音と共に一瞬だけ共鳴した。
その後土台の上、戦乙女達の足元に置かれたランタンに灯がともり中央道を淡く照らし始めた。
「…ふむ。よい趣だ。これからも頼んだぞ」
そう呟くと振り返り屋敷へと再び歩き出す。
その後ろで土台の上の戦乙女達が片膝を立てた姿で跪いて、新たな主人に礼をしていることに気がつかずに。
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「お帰りなさいませ」
屋敷の扉を開けるとランクスがお辞儀をした姿で待っていた。
いつから待機してたのやら。
「今帰った。先に風呂に入りたいんだが用意は出来ているか?」
「はい。そろそろお帰りになると思って、お湯も温めてあります。旦那様はぬるめの湯が好みと伺っております」
「ありがたい。早速入らせてもらう」
風呂場に案内された後は服を脱ぎ、湯船のある部屋へ進む。
脱衣所でメイドが待機してて俺の服を脱がそうとしたが脱がし方がわからなかったらしく、「くっ」とか言いながら出ていった。
服ぐらい自分で脱げるがな。
湯船は石を組んで作った円形の風呂。
部屋の中に入ったはずなのに回りの景色は森の中の泉の風景。
幻影か何かで露天風呂風になってるのか。
これはいいな。
湯に入る前にかけ湯をし、大まかな汚れを落とし、ゆっくり湯船に入る。
「ふぅ…。いい湯加減だ」
この心地よさは久しぶりに味わうな。
ぬる目の湯に肩まで浸かり意識が無になる。
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気がついたら湯の中に沈んでいた件について。
多分疲れていたのか、気が抜けたことによるものなのかはわからないが、寝ていたらしく、湯に沈んでいた。
沈んだ瞬間に起きたから溺れたりはしていないがちょっとビックリしたのは内緒だ。
でも心地よいのでこのまま湯にあお向けに沈んでみる。
湯を通して星空が見えるのはいいな。
…周りに明らかに女性の生足が数本あるのは気にしない。
とても嫌な予感がするし、今後ロザリアがここを使うことを考えるとやましいことはできないな。。
残念だなんて思わないぞ。
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そんなこんなで逃げるように風呂から上がって部屋に戻り、寝間着代わりの薄手の服を着てベッドに入る。
一眠りして明日の朝には王都に向けて出発だ。
順調にいけば大体四~五日で着くだろう。
王都で拠点の調達やらなにやらやっていたらすぐに一週間だ。
ロザリアはいい返事をくれるだろうか…。
次回は2/26の予定です。




