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小さくていいというのはでかくてもいいということ。

おまたせしました。

--小さくていいというのはでかくてもいいということ。


 門前に並んだ執事とメイドの間から見える家を見る。

 …なんというか、洋館ってイメージしか沸かない。

 ぱっとみ三階建てくらいの高くはない建物。

 正門を囲むようにコの字型に配置された建物は正門から入る来訪者を圧巻とさせている。


 見える範囲の庭の広さもさっき歩いてきた塀の内側と言えばたしかにそうなんだが、軽く小学校の校庭くらいはある。

 あぁ、小学校って言っても都内のじゃなくて田舎の方のな。


 一辺が大人の普通の速度で歩いて十五分ちょい。

 その敷地のほぼど真ん中に洋館が立っている。


 建物の正面には貴族の建物なんかによくある噴水と、馬車の乗り降り場があり、そこに続くまでの正門からの道は白い岩で舗装されている。

 道の端にはいくつもの石像が置かれている。

 造詣的には…戦乙女とかがモデルかな?

 一体一体が違う造詣のそれが道を挟んで十二体、武器を構えて立っている。


 その石像の後ろは塀までの範囲が綺麗に青々とした広い芝生になっている。


 …小さい家で良いって言ったのに。


「なぁシルヴァ」

「なんでしょう?」


 褒めてもらえるのかと尻尾をぶんぶんと振っている様子でドヤ顔をしている駄犬が側に来る。


「俺は小さくてもいいと言ったよな?」

「小さく『ても』いいなら、大きく『ても』問題ありませんよね?」

「あのなぁ…こんな屋敷手入れとかどうすんだよ。俺、普段ここにいないんだぞ?お前が留守番するのか?」


 褒められると思っていたシルヴァは大人しめとはいえ叱責を受けていることに気づくとしょんぼりとする。


「これから奥方様をお迎えになる事ですし、Sランクの主様に見合う物件を、と探したのですがご不満でしたか…」

「さすがにこれはでかすぎる。まぁもう金は払ってあるんだろうからいいさ…。それでこの使用人達は?」

「はい。この家に付いてきました。付属品扱いでいいとのことで衣食住さえ保障すれば給料も要らないとのことです」

「…ま、いいか。家の面倒見る人手も必要だしな」


 半ば諦めた感じでシルヴァに告げると、叱責を受けていたとは思えないようなシルヴァが振り返り使用人達へ声をかける。


「主様から許可を頂けた。以後主様のご迷惑のかからないようにすること」

「承りました。使用人一同旦那様に心より仕えさせていただきます」


 先頭にいた執事が代表でそう言うと再び礼をしてくる。

 もういいや…。どうにでもなれ。


「で、だ。家の案内をお願いしてもいいか?」

「もちろんです。諸々の設備を説明させていただきます。旦那様、シルヴァ様。こちらへどうぞ」


 家の方を見るのに目を離した一瞬で執事を残しメイド達は全員消え去っていた。

 なにこれ怖い。


「今いる場所が正面門で、今回はここから屋敷まで歩くことになります。次回からは屋敷までの移動の足を用意しておきますのでご容赦を」

「気にしないでいいぞ。こんな距離で馬車とか用意されても無駄だ」

「畏まりました。ではそのように」


 腕をお腹に当て礼をしてくる執事だが、いいから案内を続けろと促す。


「そういえば名前を聞いていないんだが何て呼べばいいんだ?」

「お好きにお呼びください。執事でもじじいでもセバスでも。旦那様に決めて頂ければ幸いです」

「そういうのは面倒くさいからやめてくれ。お前一人にやったらメイド全員やることになるだろうが」


 ですが…と言いよどんでいる執事をシルヴァが「ではお前はこれからランクスと名乗るとよい」と言い出す。


 俺じゃなくてシルヴァが決めたことに不満を持っている様だがもう呼び方なんてなんでもいいじゃん。

 とか思っていると不承不承頷き、案内を始める。

 セバスという名前にあこがれていたらしい。

 まぁある意味執事系の名前じゃ伝説の名前だしな。


 この中央の道沿いにある石像は魔力を込めると守護ゴーレムとなるらしい。

 きちんと正門を通ってない来客や、あからさまに敵意を持っている来客の前には動き出して排除するらしい。

 なんとまぁ。

 後で破裂寸前まで入れてやるからな。


「主様、顔が卑猥です」

「やかましい」


 そのまま玄関まで歩き扉を開ける。

 すると先ほど消えたメイドの内数名が扉の前で待っていた。


 上掛けを預けるように言われたので脱いで預ける。

 どうやら埃落としをしてくれるみたいだ。


 そのままランクスに連れられ各部屋の案内をされる。

 とはいえ、実質の部屋の数なんかは十以上あるみたいだし、全部は回ってられない。

 よく使うであろう、二階の中央にある大きめの部屋を寝室とし、その横それぞれを執務室と転移拠点とする。


 その他の設備の説明はシルヴァに代わりに聞いて貰い、転移拠点の仕掛けを行う。


 扉自体に魔方陣を刻み込み、血を刷り込み、転移の付与(エンチャント)と共に魔力によるロックを掛ける。

 これで俺以外がこの扉を通った場合は何もない中の部屋に入る様になる。

 俺が開けるとこのように…森の中の拠点に繋がるわけだ。


 これで各所の拠点からいつでもここに戻ってこれるようになったわけだ。

 ロザリアを迎え入れてもすぐにここに戻ってこれれば寂しくさせることはないだろう。


 …さっそく今日にでもまた会いに行かなくてはな。

 そして…思いの丈を。


次回は2/19の予定です。

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