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不遇なる回避盾と驚愕の事実

今回はルブラ視点です。

--不遇なる回避盾と驚愕の事実


 ボナンさんというAランクの先輩との模擬戦も終わってすぐ次がマヤの出番だった。

 しかしあぁも全部捌かれるとは思わなかった。

 一撃くらいは当てられると思ったのに。


 だけど…まだ上が遠いことがわかった。

 もっと師匠に稽古をつけてもらってみんなと強くなろう。


 っと、そうこうしてるうちにマヤの準備が終わったみたいでボナンさんと対峙している。


 ボナンさんと数回会話をした後、マヤが距離をとっていく。

 身長ほどの杖を構え、軽い詠唱から不可視の風の矢を打つ。

 音からして五本かな。

 

 ボナンさんはその場からさほど動かず軽く身体を捻ったり大斧をかざしたりするだけでその初撃をかわす。

 マヤもさすがにイラっとした見たいで今度は詠唱もしっかりやり始める。

 今回もボナンさんは受ける方向の選択をしたようだ。


 閃光(フラッシュ)炸裂(ラップ)を同時発動し、目と耳を使えなくしてから爆発(ボム)で地面を抉って土を飛ばす。

 …今の詠唱速度ものすごい速くなかった?

 まるで師匠みたい…。


 さすがにその攻撃は意表をつかれたようでボナンさんも顔を庇う様に両手を上げる。

 そのタイミングで突風(ストーム)で後追いさせた氷槍(アイスランス)を放つ。

 師匠みたいに同時発動で何十本も、とはいかなかったみたいだけどそれでも片手では足りないくらいの数が発現してボナンさんを襲う。

 そのうちの何本かは身体を掠り、一本ががら空きになった胴体に突き刺さった…かのように見えた。


 たぶん、だけど。うっすらと光っている所から、身体強化を使った筋肉という鎧で防いだんだろうな。

 なんという硬さ。

 僕だったら絶対貫通するくらいの攻撃だったのに。


 胴体を襲った氷槍が弾き返され地面に落ちたところで、ボナンさんからの終了の言葉が発せられた。

 実際ボナンさんがまともい戦っていれば詠唱している間に距離を詰めてしまえば魔術師というものは弱く、脆い。

 それをしないで純粋に攻撃力や応用力を見てくれたことには感謝すべきだろう。

 先ほどの僕やリアと同じようにマヤが反省点や改善点、また軽いアドバイスをもらっている。

 魔術にも詳しいんだな…さすがです。


「最後はウォートか。いける?」


 やる気が漲っているウォートに声をかけると「当然」と帰ってくる。

 その目はすでにボナンさんに向けられ集中している。

 これは邪魔しないほうがいいね。


 マヤもこっちに戻ってきて代わりにウォートがボナンさんに向かう。

 ウォートはタンカーという立ち位置なんだけど、師匠に師事し始めてから盾を使うのはどうしてもいやだって言い出した。

 なので今は双剣を使っての回避盾といわれる部類のタンカーをしている。

 軽業師の様な身のこなしで相手を翻弄し、意識を向けさせる。

 リアの弓と交互に攻められた相手は一人に意識を集中できなくなりほとんどが自分のスタイルを崩す。

 その間にアタッカーの僕やマヤの魔術で止めを刺す。

 …そう考えると、僕らのチームの要って、ウォートなんだね。


「ウォート、大丈夫かな」

「大丈夫だよ」


 マヤが心配そうにウォートを見ているが、リアは真剣にボナンさんとウォートの対峙を見ている。

 自分があの戦いの中に混ざるとしたらどうするのかを考えているらしい。

 …確かに僕らはチームで一つの塊みたいなものだしね。

 個人技能がまだまだだとしてもみんなが合わさればもっと強い敵とも戦えるのはわかっている。

 だからこそ、自分があの戦いの中に混ざった場合、どう攻撃していくのがいいのか、を考えているんだね。

 リアもウォートもマヤも。

 師匠に師事してから考え方も動き方もしっかりしてきた。

 僕も負けてられない。

 

 みんなは僕のことをリーダーと慕ってくれているけど、このチームは誰がリーダーという位置づけをする様な集まりじゃないと思うんだ。

 

 …むしろみんながリーダーでみんなが支えるメンバーだよね。


「ねぇ、ルブラ」

「ん?どうしたんだい?」

「…もう、終わっちゃったよ?」

「えっ?」


 考え込んでいる間にウォートの試験が終わっちゃっていたらしい。


 …ウォート。ごめん。


 まぁそのウォートも訓練所内で誰かを探すようにキョロキョロしていたが突然がっくりとして肩を落としていた。

 何をしていたんだろう?


 ウォートは僕らの中で一番ボナンさんに褒められていたらしい。

 攻撃も軽いながらも数度当てたとのこと。

 さすがだね…。


----


「さて、次は依頼試験です」


 訓練場を出た後、受付に戻ってきた僕達にかけられた言葉は労いの言葉ではなかった。

 試験中だから当たり前なんだけどね。


「二日しか時間がないとの事なのでチームでこなせる依頼の中で片道半日程の距離で行える依頼を選ばせていただきました」


 そうしてリオナさんがカウンターの上に一通の依頼書を置く。


 それを手に取り、内容を確認する。


----

 依頼ランク :C

 依頼内容  :ランシールの森の中にある結界で隔離された場所の調査

 依頼期限  :依頼試験の為受領から二日

 報酬    :調査結果に順ずる。最低銀貨一枚。

 完了条件  :ギルドによる報告内容の確認

 依頼主   :冒険者業務斡旋組合(ギルド)アルファミラ支部

 備考    :結界内部に侵入できた場合は中に何があるのかを調査してくること。危険な場合は命を優先でかまわない

----


 調査依頼。

 森の中だから戦闘もあるだろうし、調査をする為の知識も必要とされる。

 さらにそれを報告する必要も出てくる。

 Cランクの依頼という難易度にはちょうどいいのかもしれないね。


「調査依頼という事理解しました。報告の方法は口頭ですか?書面ですか?」


 リオナさんが驚いた顔をしているが、調査依頼の場合はこれを必ず聞くのが正しいらしい。

 モスさんに教わったんだけどね。

 これを確認しておかないと、後になって「やはり書面で」とか言われることがあるらしい。


「では今回の報告は口頭でお願いします」

「わかりました」


 モスさん達はこのままギルドに残って別の依頼をするとの事なのでこのままここで別れて師匠の所へ向かう。

 師匠はまだ宿屋に戻っておらずいろいろ話を聞いているとまだ鍛冶屋にいるということがわかった。


 師匠の顔なじみだったよね、たしか。

 どんな人なのかな、とか思って鍛冶屋に向かっていると、通りの向こうから師匠が歩いてきた。

 

「師匠!」

「おう、どうした」


 駆け寄った僕らの頭を撫でながら宿に向かって歩き始める。


「試験でこれから明日の夜までいなくなる報告です」

「ほう。どんな試験なんだ?」

「ランシールの森にある結界の調査です」


 依頼内容を聞いた師匠は首をかしげなにか考えている様。


「師匠、どうしました?」

「うーん、それなぁ…。そっかぁ、そんな依頼か」

「知ってるんですか?」

「…そこ、たぶん、俺んちだ」

「「「「ええええええええええええええええええ」」」」


 驚愕の事実でした…。


次回は1/25の予定です。

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