情報収集は重要です。
遅くなりました。
ちょっと短いですがアップします。
--情報収集は重要です
「で、どういうことだね」
「刑事さん…出来心だったんです…」
「そうか。カツ丼食うか?」
「…いただきます」
なんていう茶番をしていると、娘さんがため息をついて「団長…高いよ?」といいながらレンズの肩をたたいている。
「という掛け合いは終わりにしてだな。ちょっと聞きたいことがある」
「おや。もう終わりですか…久しぶりの掛け合いなので楽しかったのですが」
「まぁそれはまた追々とな。最近のこの街のことだが」
「不審者が、って奴ですか?そうですね。私が気になった点程度の話で良ければ」
「それで十分だ。どこか個室を取った方がいいか?」
「いや、ここで大丈夫ですよ。たいした情報が出せるわけでもありませんし」
「そうなのか。じゃあこのまま話を聞かせて欲しい。」
いつの間にか回りで飲み食いをしていた客も話しに混ざっていていろいろな情報が集まった。
ロタラさんが聞いた話以外にもいろいろ情報が出てきた。
聞いていると「見知らぬ奴が街をうろついている」や「最近になって神官が街を巡回している」、「酒場がガチムチに占領されていた」などの訳のわからない情報が多い。
ちなみに騎士団や自警団なんかも動き始めているらしい。
…なんか放置しててもいい気がしてきた。
「まぁ特に害はないですし、ほっといてもいいと思いますよ?」
「そうだな。こちらから絡む必要もないだろう」
「そうだ。お近づきの印にこちらをどうぞ」
そう言ってレンズが手渡してきたのは何かのチケット。
見てみるとライブのチケットらしい。
「これは?」
「うちの娘達のライブのチケットです。来週この街で催しをさせて頂くので見に来て頂ければと」
「来週か…」
この街にいるのは三日だっけか。さすがに見てはいられないな。
「残念だが…この街には三日しかいないんだ。王都に向かう最中でな。すまん」
「そうですか…同郷の方へのプレゼントと思ったのですが。残念ですね」
「すまないな。機会があったら見させて貰う」
「それは是非。うちの娘達を見てあげてくださいね」
「久しぶりに楽しい時間を過ごせた。感謝する」
「こちらこそ。またお会いしたらよろしくお願いします」
手を振り送り出してくれるレンズを背に食堂を出る。
もう刀のメンテも終わっただろう。というか時間がかかりすぎた。
二時間どころかもう三時間程過ぎている。
まぁおっさんだし待たせとけばいいか。
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「遅い!」
「やかましい!」
鍛冶屋に入った瞬間カウンターに座ったおっさんに怒鳴られる。
つい反射的に怒鳴り返すとおっさんからナイフが飛んでくる。
指で挟むように受け止めてそのまま投げ返すとおっさんも同じように受け止める。
「ふん。腕は鈍っていないようだな」
「当たり前だろう。おっさんとは違うんだよ。おっさんとは」
お互いドヤ顔をしながらカウンターを挟んでにらみ合う。
「ここのところ連絡もなかったから野垂れ死んだのかと思ったわ」
「死ぬわけなかろう。故郷に帰ってただけだわ。それよかおっさん白髪増えたな。年か?」
「まだまだ現役だわい。それよかお前さんの武器こんなのだったか?」
「俺の刀達は今まだ封印中だ。これは途中の街で買った奴だ」
「こんなクソみたいな刀使ってんじゃねぇよ」
「おっさんが打った刀らしいぞ?」
そう言うとおっさんは刀をもう一度よく見て…俺を見た。
「これは俺が適当に打った刀だ…」
「適当て。結構な金額してたぞ」
「店の飾りにって言って買っていった奴だからな。実際使えなくてもよかったんだろう」
「俺、それでだいぶ戦闘したぞ?」
「こんな駄刀でか?よく折れなかったな」
「そこは腕だな」
「抜かせ。もうちょっといい奴持ってくるからこれこのまま置いていけ」
どうやらおっさんの中では駄刀扱いらしい。
あの貴族との戦いやその後の魔物狩りなんかでだいぶ活躍してもらっていたんだが・・・。
まぁもう少しいいのになるならお任せしよう。
次は1/17予定です。




