ダンジョン
--ダンジョン
「こちらですこちらです」
森の中に入って小一時間歩いた所にある地面に潜っていくタイプの入り口があった。
入り口は門の様な造りになっていて、素材は岩。そしても門の先は即刻暗闇になっていて中が見えない。
「では早速中へ」
ラートが門を潜り、消えていく。
子供らがどうしましょう?という顔で見てくるのでそれぞれ手を繋がせて門を潜る。
「いらっしゃいませ。当ダンジョンへ。マスタールームはこちらです」
入り口のすぐ横にある壁に隠された小さなボタンを押すと床に魔方陣が現れる。
人一人乗れるくらいの大きさの魔方陣に、ラートが乗り転移していく。
先ほどと同じように続く。
一瞬のめまいの後、子供らを含めて俺は、ログハウスの部屋の様な所にいた。
「ここがマスタールームです。お茶でも入れますね。たしかここら辺に茶葉があったと…」
ラートが棚をごそごそやっている間に部屋の中を見回す。
部屋の端っこに…テレビ?
32インチくらいの大きさのテレビの画面が置かれていて、そこにいろいろ文字と数字が表示されている。
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□ステータス画面
ダンジョン名:考究の社
来場者数:283人
累計ポイント:292pt
□ダンジョン構造
階層:地上0階/地下3階
総距離:592m
壁構造:岩壁
床構造:土床
□使役
スライム:2体
ゴブリン:5体
コボルト:3体
□管理者メニュー
→こちらを押してね
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…なんだろう、このゲーム感。
「あ、それですよ。管理者端末。ダンジョンの詳細が出ているでしょう」
ラートが机の上に人数分のお茶を用意し終わったのかこっちに声を掛けてくる。
「そのptがなかなか100を超えなくて階層の増設も出来ないんですよね…」
「ん?300近いぞ?」
「え、そんなわけは…出ている間に何かが死んだんですかね」
たしか来た人の魔力を吸い取るんだっけ。
…まさかな?
「…ちょっと試してみたいことがある。ダンジョンへはどう戻ればいいんだ?」
「ほへ、そこの扉を潜るとさっき転移してきた所に戻れます。どうするおつもりで?」
「ちょっと三層まで歩いてくる。モニター見てればやりたいことはわかるはずだ」
そういうと扉をあけ、暗闇へ飛び込むとさっきと同じめまいに襲われ、気がついたら入り口に戻っていた。
「さて。考えが正しければ…まずは三階まで行ってみるか」
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その後1時間ほどで三層まで何も起こらず進めた。
トラップ設置したり魔物配置したりするポイントがなかったんだろうな。
これからは変わるだろうけども。
三層の一番奥の部屋は宝箱が一つだけ配置されている小部屋だった。
宝箱の中にはポーションが一個。
世知辛いねぇ。
そこからまた一層まで歩いて入り口の横にあるボタンを押すが反応がない。
マスターしか反応しないのかね。
とか思ってるとラートが転移してきて、興奮した様子で俺の腕を掴んで再度マスタールームに引きずり込まれた。
「まずは画面を見て下さい!ヒフミさんがやりたかった事って言うのはこういうことなんですよね?」
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□ステータス画面
ダンジョン名:考究の社
来場者数:284人
累計ポイント:92292pt
…
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おお、9万超えたか。
狙い通りだな。
「だいぶだるいけどな。これだけあればダンジョンも発展させられるだろう」
「はい。これでご飯もしっかり食べられます…魔物達にもいい餌が…うっ」
子供らは何が起こったのかわかっていない様子なので帰り道で説明でもしますかね。
「それだけポイントがあれば当面の間は大丈夫だろう?」
「はい。これでなんとかなります…ありがとうございます」
涙をボロボロ流しながら俺の両手を掴み拝むように礼を言ってくるラートに苦笑しながら落ち着くのを待つ。
ほら、子供らもどうしたらいいか困惑してるじゃないか。
「取り乱してすみませんでした。このptのうち少しを使ってお送りさせていただきますね」
「いや、少しでも節約しろ。そうやって使うからすぐ無くなるんだ。今後は考えて使え」
「はい…はい…」
あぁまた泣く。
つきあってられん。
「さて、んじゃいくぞ」
扉を開け、子供らを先に行かせ、俺も扉を潜る。
その際ラートに「頑張れよ」と声をかけると、深々と礼をしていた。
明日はちょっとお休みです。




