番外編 聖夜の夜に
サプライズ特別編です。
本日二回目です。ご注意下さい。
公開直前にブクマ100件達成しました!みなさまありがとうございます!
--番外編 聖夜の夜に
「団長団長。一人黄昏れてどうしたんですか?」
「プロデューサーと呼びなさい。いや、もうクリスマスの時期なんだなぁってな」
「クリスマス?」
「あぁ…」
みなさまお久しぶり。
みんなのアイドル、レンズ・グラシール♂です。
知らない人…いないよね?いないよね?
いや、ほんとね。いろいろあったのよ。
ダンゴールの街出てから放浪開始して、行く街行く街でメガネとお金を餌に可愛い女の子スカウトして。
やっとの思いでプロダクションといえる規模まで育て上げて。
あ、事案発生とか言わないで。ちゃんと成人している子だけを選んでるよ。
ちゃんと親御さんの所に挨拶にも行ってるしイヤだとかダメって言われた子は泣く泣く諦めてる。
衛兵さんを呼ばれた事も何回もあったけどね…。
ここまで来るのに五年かかった。
もうここまで来たら向こうに戻る事は諦めている。
残した母親が気になるところだけど今更言ってもしょうが無い事だろうしね。
まぁ今更戻れるって話になってももう戻らないけどね!
こんなにメガネが似合う可愛い子達をおいて帰るなんて選択肢があるだろうか、いやない!
「また団長がおかしい」
「ほんとだ。いつものようにほっとこう」
「目が怖いです」
なんか散々言われてるけど気にしない!
君らは俺の宝物だからな。
「そんで団長クリスマスってなんです?」
「あれ、ミリそんなのも知らないの?」
「ミリはおこちゃまだからなー。知らなくて当たり前か」
三人寄ると姦しいとかよく言うがほんとにこいつらは…。
「おまいら…ちゃんと知ってるのか?」
「いやん、団長のエッチ」
「うら若き子にそんなことを言わせるなんて。変態」
「それ絶対違うからな!」
絶対知らない…というか勘違いしてるだろ。
「俺の故郷であったイベントでな。元々は神様の誕生祭だったんだがな」
「「「へー」」」
いつの間にか大事な人や恋人達と愛を語り合う夜、性夜になっている。とは言えない。
絶対に。
「そのクリスマスを思い出してなんで遠い目をしてたんですか?」
「故郷に戻れなくなってさみしいなー、ってところですか?」
「なんでしたっけ、ほーむしっくでしたっけ?」
やかましい。
戻ったところで一緒にクリスマス過ごす子なんておらんわい。
「…まぁそういうイベントが故郷にはあるわけなんだが。その日にはアイドルイベントとかもたくさんやってたわけだ」
「歌ったり?」
「踊ったり?」
「抱きついたり?」
「まて。最後違う。アイドルとはそんなことしない!」
「「「アイドル『とは』?」」」
「あぁ、いや。すみません。誰とも抱きついていたりしませんでした。」
なんだろう、この小娘達に尻に引かれている感じ。
…悪くない。
「また団長がキモい」
「そろそろ自覚して欲しい」
「ほんとにね…」
そろそろ泣くぞ…。
「もっと早く告知して、イベントやればよかったなー」
キャラバンの規模になりつつある移動プロダクション。
俺を団長と慕ってくれる3人の子。
こいつが今、俺の一番大事な仲間。
「そうだよー。次の街では踊れるのー?」
「次の街はどこー?」
「早く歌いたいー!」
「そうだね。次はアルファミラの街だよ。別名冒険者の街。あと一日進めば着くよ」
そうだな。アルファミラでクリスマスイベントするのもいいな。
「次の街でクリスマスのイベントしてみようか」
「「「賛成!!!」」」
よし、じゃあその方向でやろうか。
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「総員、抜剣!!!!」
「おまわりさん、違うんです!!!」
懐かしいフレーズだな、これ…。
「はっはっは。冗談だよ。おまえさんレンズだろ?覚えてるか?」
目の前にいる衛兵さん…誰だっけ?
「おいおい、忘れたのか。ダンゴールの街ではいろいろ世話焼いてやったのに」
「えーあー。あの時の衛兵さん?なんでここに?」
「んむ。衛兵ってのは一定期間で街が変わるんだぞ。しばらく街に逗留するんだろ?後で飲もうか」
「そうですね。それもいいですね。じゃあ宿が決まったら後で使いを出します」
「おう、まってるぞ」
というやりとりで門はくぐれてしまったが…いいのか?ま、いいか。
「さすが団長有名人ですね(悪い意味で)」
「そんなこたぁない」
実際この街は立ち寄っただけで何も起こらなかったから俺の事を知ってる人なんていない…はず。
それよかイベントをするのに各ギルドに告知出しに行かないと。
「んじゃお前らはみんなと宿で休んでいてくれ」
女の子達にそう告げ、事務方に宿を貸し切りにして全員確実に休めるように指示を出す。
その後は領主へ始まり、商業ギルド、冒険者ギルドへとイベントの告知の許可を宣伝を師に行く。
その際街を歩いている女の子を横目で眺めているとメガネの普及率が高くなっていることに微笑む。
その隣には必ず男が連れ添っているところが解せぬ。
俺の隣に可愛い子が来るのはいつですか!
あ、来ませんか。はい。
バタバタと走り回っているともう夕飯の時間になってしまったので約束通り衛兵との待ち合わせの飲み屋へ。
「おう、こっちだこっちー」
飲み屋の一角に衛兵さんがすでに飲んで出来上がっている。
「おまたせしました」
「おうおう、先にやってるぞー」
それからしばらくは飲み食いしながら俺がダンゴールを出て行ってからの近況報告をしあう。
ちなみにこの衛兵さんの名前はサジさんというらしい。三年立って初めて知った件。
「そういやおまえさん、お嬢ちゃんがこの街にいるの知ってるか?」
「え?お嬢ちゃん?」
「あれだよ、ダンゴールの領主の娘」
「え?ショコラさんとかレイラさんですか?」
「違う違う。ノエル嬢ちゃんだよ。今冒険者だぜ、あの子」
what?
「え、ノエルちゃん?え?」
「もう結構こなれてきていて今D級だったかな?」
すげぇ…。
成長したものだね-。
ノエルちゃんの近況とかザジさんの話を聞いてたらあっという間に夜も更けていた。
ザジさん、既婚なんて反則です。仲間だと思ったのに…!
がっかりだよ!
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「みんなー!いっくよー!さーん!にー!いーち!」
カウントダウンと同時にステージの上で煙幕が張られ、風魔術で一気に上に吸い上げられる。
その煙幕が晴れたステージにはアイドル衣装に身を包んだ三人の子。
演奏隊の演奏が始まり、それに合わせて歌が始まる。
観客の盛り上がりも絶好調だ。
ステージ前で光り棒を振っている奴ら。下から覗き込んでもぱんつは見えないぞ。
見えそうで見えない絶妙の仕込みを舐めるなよ?
「団長お客さんですよ!」
観客席の端っこで腕を組んでステージを見守っていたらそう声を掛けられた。
振り返るとそこには焦げ茶の髪をしたメガネをかけた10歳前後の女の子。
「ノエルちゃ…ぐふっ」
駆け寄ってきたので抱擁しようと両手を広げていたら一瞬で懐に入り込んでからのボディブロー。
いい拳だ…世界を狙えるぜ…。
「おにいちゃんお帰りなさい?」
「なんで挨拶が過激だったの…」
「え、なんとなく?」
なんとなくで拳を向けるのはよくない!
「さっきおにーちゃんがいるって連絡したらおばーちゃん達が『今日の夜そっちに行くから開けておきなさい』って言ってたよ?」
「まじすか…。とりあえずわかったよ」
今夜も予定が入ったことを近くにいた部下に伝え、ステージの撤去などの指示をあらかじめ出しておく。
「うし、これでとりあえず大丈夫かな?」
「じゃあ今晩は一緒にいられるね!」
ノエルちゃん、その台詞を大声で言うと周りの人の目が痛いの。
のーのーのー。
あいどんとたっち。
両手を上げて無罪を主張するのを知っててかわからないけど、俺の腰に抱きついてくるノエルちゃん。
あ、これわかっててやってるタイプだ…。
この悪女め!…だが悪くない。
「おにいちゃん、ちょっとかがんで?」
「ん?こうか?」
ノエルちゃんと目線が合う所までしゃがむと抱きついてきて、耳元で一言小さな声で呟いた。
「おかえりなさい…そして、めりーくりすます」
「メリークリスマス」
「サンタさん期待してるねっ!」
なんというオチ…っ。
というわけで特別編です。
こいつ誰よ。って方は第二章をお読みいただければ!(と宣伝
なんでノエルちゃんはクリスマスとかサンタさんの事を知ってたんですかねぇ(すっとぼけ
ではみなさまよいクリスマスを!




