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蹂躙

ちょっとどころかだいぶグロ表現があります。ご注意下さい。

--蹂躙


 バキンッ!


 開始の合図と同時に水晶が一つ割れる音が静寂に包まれた会場に響く。

 ステージの上ではピクピクしながら地面にキスしているリズテインの姿。


 顔のある位置の地面は蜘蛛の巣状にひび割れている。


 静まりかえっている観客達は何が起こっているのかわかってない様子。


 見ればわかるじゃないか。


「えっ、あれっ。何がおこったのでしょうか…」


 司会までもがわかっていないのか。


 …開幕一発目に打ち下ろしでぶん殴っただけなのに。


 つーか弱すぎるだろうこいつ。

 あの程度の攻撃も避けられないでずいぶんとでかい口を叩くもんだ。


「まぁなんだ…あと4個…」


 残りは遊ばせて貰おうかね。


 気がついたリズテインとやらは頭をふるい何が起こったのかわからないまま立ち上がる。

 頭蓋骨が陥没するほどの強さでぶん殴ったのに今はまったく傷もなく開始寸前と同じ様子でいる。

 水晶が割れると全快するのかね。

 …これは面白い。


「不意打ちとは卑怯じゃねーか…まぁFランクがまともに勝とうと思うならこういう手段しかないんだろうけどな!」

「まだ言ってるのかお前は。まぁいい。良かったな。あと5回”死ねるぞ”」

「ごちゃごちゃうるせえんだよ!死ぬのはお前だ!」


 叫びながら担ぎ上げた大剣を鋭いと言える速度で振るってくる。

 ふむ。実力的にはBランクに片足突っ込んだくらいか。

 こんなので優勝出来るなんてなぁ。

 ちょっと前にギルドでも言っていたが質が落ちたもんだ。


 ブンブンと振り回されている大剣を手のひらを添えることで全て軌道をそらす。

 当たらないからか全部に対処されているからか知らないがどんどんムキになってきている。


 遠心力を使ったなぎ払いの攻撃もジャンプして刃に手を添えて剣身を下に押しつけるようにして躱す。


 やはり身体強化はいいな。

 自力が上がってスキルなんかが組み合わさるとなんでも出来る気になってしまう。


 適当にあしらい続けるのを10分ほど続けるとそろそろめんどくさくなってきた。


「ほれ」


 振り下ろしの剣身を指で挟んで止めてやる。

 そのまま剣身を横から殴り、真っ二つに折る。


 なんという脆い剣。


 折れた大剣を唖然とした表情で見ているが、そんな隙だらけでいいのか?


氷鎖(アイス・チェイン)


 地面から手足に向かって伸びる氷の鎖両手足を拘束。

 その後リズテインに向かって一歩ずつ進んでいく。


「さて、どうやって死にたい?」


 近くまで来たところで唾を吐きかけられたのでお礼をしようか。


麻痺(スタン)


 右手、左手、右足、左足と部位毎に麻痺させていく。

 もう立っている事すら感じられていないかもしれない。


視角奪取(ブラインドネス)聴力奪取(ディファイネス)沈黙(サイレス)


 味覚と感覚を残して五感を奪う。


 突如何も聞こえない暗闇の中に放り込まれたらどう感じるのかね…?


 脂汗を流して震えているがまぁまだ二回目だしな。

 まだかろうじて麻痺していない身体に対して咥えていた串を一回、二回と刺していく。


 その都度身体を捩らせるが両手両足は拘束されているため満足に逃げられない。


 身体の前面が血で真っ赤になる程繰り返されたその攻撃は…。


「うん、飽きた。次行こう」


 この一言で終わらせた。


 血まみれになった串を首筋から上に向かって突き立てる。

 あ、折れちまった。

 その瞬間、目がぐるんと上に回り、身体から力が抜けるのがわかった。


 そして聞こえる水晶の破裂音。


 次の瞬間、リズテインは全快し、床で荒い息をしていた。


 …二個目。


「一応聞くが、まだやるか?」

「当たり前だろう!!!ぜってぇぶっ殺す!」

「はいはい、出来たらね」


 折れた大剣までは元に戻らなかったみたいで半分ほどの長さになった剣を相変わらず振り回している。


 さっきより躱す必要のなくなったそれを変わらず手を添えるだけ、という行為を繰り返す。


「ちょこまかと逃げやがって!怖えのか?」

「…あ゛?」

「受けやがれ!俺の最大技!破裂の衝撃スマッシュ・インパクト!!!!」


 大上段に構えられた剣をものすごい勢いで振り下ろしてくる。


「しょうがないな。受けてやろう」


 初めて手のひらを剣が通る軌道に置き、振り下ろされる剣を受け止める。

 その瞬間、ドカンという衝撃が身体を通り、足下のタイルが激しく割れる。


「受け…止めた…だと…」

「ふむ。これが最大の攻撃なのか?」


 未だに手に乗っかっている剣を掴み、リズテインから奪い取る。


 最大の技を防がれたからなのか半ば放心状態のままでいるリズテインの前で、奪い取った大剣を振って感触を確かめる。


 ふむ。


「いくぞ。受け止めろよ?こうかな?破裂の衝撃スマッシュ・インパクト


 先ほど打たれた『最大の技』とやらをそっくりそのまま真似してやる。

 放心状態から覚醒したリズテインは両腕をクロスさせ受け止めようとするがその瞬間剣に纏っていた魔力が爆発し、顔から何からを吹き飛ばす。


 パリン


 三個目。


 あんな攻撃で死ぬのかよ。

 つまらん。つまらんな。


 もう肩で息をしていて俺の事を恐怖の目で見ている。


「さて、まだ続けるか?」


 もう口を開く元気もないらしく、首を横に振っている。


「まぁあと三回残ってるしな。頑張って貰おう」


 頭を抱え込み叫びだしてしまったリズテインの周りに氷槍を展開。


 無様にステージ上から逃げだそうとしているリズテインを後ろから氷槍で串刺しにしていく。


 パキンッ


 四個目。


 もう放心状態で口もだらしなくあけ、よだれが垂れているが、まだあと二回残ってるぞ。


「ほらほら、頑張って俺を楽しませろよ。先輩?Fランクの俺に稽古をつけてくれるんだろう?」


 座り込んで動こうとしないリズテインに蹴りをくれて地面を転がす。


「ちっ。つまらんな。あれだけ大口を叩いたんだからもっといいところを見せてくれよ」


 腕を組んでリズテインを見下ろしていると司会の子が再起動したのか、急遽大声で中止を求めてくる。


「ちょ、ちょっと!そこまで!そこまでです!」


 ステージ上に俺を止めるようにリズテインとの間に立ちふさがる。

 その司会の子の足に縋り付くようにするリズテイン。


 …が、いきなり司会の子を羽交い締めにし、急に立ち上がった。


「うへへ…もう、もうどうでもいい。こいつを殺したくなかったらお前が死ね」

「…落ちるところまで落ちたな、お前」

「お前のせいだ!お前さえ出てこなければ俺はこれから領主付きの兵士として将来が安泰だったんだ!」


 あぁもうだいぶ逝っちゃってるな。


「まぁあれだ。お前、もう死ね」


 指で鉄砲を模り、バンと打つまねをする。

 まぁ実際は空気の塊を打ち出しているんだが。


 "それ"はリズテインの眉間に着弾し、血と脳漿を飛び散らせながら後ろへ倒れ込む。


 司会の子が小さくてよかったわ。


 パンッ


 これで五個目だな。

 あと一回か。めんどくせぇな。


 ゾンビのように起き上がってくるリズテインから逃げ出し、俺の後ろに隠れる司会の子は震えながらも「終わり、終わりですよ」と声にならない声で喋っている。


 いやもう一回残ってるだろう。


 領主がいる席を見ても親指で首を横に引いているしな。


「ふはははは!これで!これでおわりだああああああああ!」


 なにやら指輪の魔道具を発動させたのか身体全体を光らせてこっちに特効してくる。

 なんだ、結局自爆か。


「つまらん。一人で勝手に死ね」


 氷壁でリズテインが身動き取れない様に氷に閉じ込める。その周りには風を上空に吹き上げさせ結界もどきを。

 数回リズテインの身体が明暗したかと思えば…その直後、視界が真っ白になるほどの爆発が起こった。



40話、トータル10万字やっと超えました。

ブックマークももうすぐ100件達成です。

皆様ありがとうございます。

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