武道会と美食大会
か、書き上がった・・・
--武道会と美食大会
「あ、師匠来てくれたんですね」
4人の子供らが俺を見つけるなり駆け寄ってくる。
「おつかれ。もう予選は終わったのか?」
「はい。…全員予選敗退でしたけど」
「そうか。どうだった?」
「勉強になりました。動きとかお手本になるような人でしたし」
悔しそうにしているが勉強になったのならよいだろう。
「んじゃこの後はどうする?最後まで見るか?反省会兼ねて飯でも食べに行くか?」
「「「「飯で!」」」」
はい決定。
武道会の方はちらっと見た感じでは双剣使いが強そうだったな。
あと大剣持ってた全頭の虎の獣人。
ま、俺には関係あるまい。
市場へ移動した俺らはすでに両手に大量の食べ物を持っていた。
いやだってねぇ。どこの屋台も美味しそうなんですもの。
おにぎりとか見つけた時には狂喜乱舞しましたよ。
中身何も入っていなくても塩振ってあるだけで思い出せる向こうでの極貧生活。
あれ、なんか目から何かが。
子供らもこれ美味しいですね!とかガツガツ食べてるが食い過ぎるなよ?
「美食大会受付はこちらー!食べる方でも作る方でもまだ参加枠はありますよー!」
こっちでは美食大会か。
ってモス達深紅の斧が並んでいるのを見つけた。
「なんだ、モス達は出るのか?」
「おう、ヒフミじゃないか。好き放題うまい物が食えるんなら出るしかないだろう」
「おー、食べ放題なのか。出とけ出とけ」
モス達は何が食えるのかと楽しみにしている様子なのでそのまま受付前から離れようとする。
受付が「作る人が足りない」とかいう言葉なんて聞いてない。
聞いてないったら聞いてない。
「師匠、食べる方で出ていい?」
ウィステリアちゃんが指を咥えてこれから出てくるであろう料理に思いを馳せている。
…やはり食いしん坊キャラか。
「好きにしていいぞ。ただ、食うと肥えるからな?」
「問題ない。若いから代謝がいいから太らない」
そんな話を結構な大声で話しているから周りの女性陣が自分のお腹を見ていたりこっちを睨んだりしている。
気になるなら食べなきゃいいじゃない。
俺からの許可が下りたのが嬉しかったのか喜々として受付に走って行った。
他の三人の子供らはやれやれ的な顔で苦笑している。
諦めてあげて。
それにしてもまだ続々『食べる方』での参加者が並んでいるけど大丈夫なんだろうかね。
あ、参加者打ち切りしたみたいだ。
まぁそうだろうなぁ。あと50人は並んでたからな。
ウィステリアちゃんはギリギリ参加出来そうだな。ふむ。
作る人がもうちょっと増えるといいな。
ん?俺は料理出来ないから参加しないよ?
さ、観客席に行きましょうねー。
----
会場に行くとそこはまるでスタジアムの様な所。
あ、キッチンスタジアムじゃないぞ。闘技場の様な所な。
その中央に50人ほどの『食べる人』と10人ほどの『作る人』が揃っている。
…釣り合ってねぇな。
「ではこれより美食大会を開始します。ではルール説明はトキさんお願いします」
「はい。助手のトキです。ではルールを説明します。まず部門は二部門あります。調理部門と大食部門です」
「なるほど。調理部門で作られた料理を大食部門で消化するわけですね」
「そうです。調理部門の採点は調理するスピードと料理の芸術展、大食部門の方々の評価、大食部門の評価はどれだけ食べたか。となります」
「今回の調理部門は10名の参加とのことですが、50人もの大食漢を相手に調理することができるのですかね?」
「そこらへんは見応えありますね。ただ去年優勝のボーデンさんがいらっしゃるのでどうにかなると思います」
「おお、あの去年ニードルバードの丸焼きを不死鳥の様にあしらえ優勝したボーデンさんですね。これは楽しみです」
「はい。その他の出場者の方は追々紹介していくとしましょう。では調理部門の方は用意お願いします」
司会と助手?の二人のルール説明が終わり調理人の説明を続けていった。
その間に大食組が調理人達の前に置かれたテーブルに揃って並び、椅子に座る。
腹が減って目が血走っている50人に見られながら調理するって結構なプレッシャーだろうなぁ。
ウィステリアちゃんは一番はじっこだな。
一人だけ小さいから目立つのう。
「さて大食部門の面々も用意が出来たようです」
「おや、一人小さな子がいますね。大丈夫なのでしょうか?」
さっそく弄られてるな。
「さて、大食部門ですが、各調理人が作った料理をどれでもいいから食べること。その食べた量が採点基準になります」
「どの料理でもいいんですか?」
「どの料理でもいいです。数える両は皿の数ではなく、あくまで量ですから」
「なるほど。量の少ない皿を食べても多い皿1枚よりは点が低いということですね」
「はい。調理人側には一皿の量を事前に見本として作っていただき、こちら側で計測しています」
「ふむふむ。では好きな料理を好きなだけ食べられるということですね」
「そうですね。調理人達は美味しいもので量の少ない物を作れば数は捌けますがその分作るスピードを要求されます。また逆で量の多い物は一回作れば注文の数はすくなると思いますが選ぶ人が少なくなると」
「バランスが重要ですね」
「はい。そしてそれを選ぶ大食組の皆様も質と量をご自分の目で選んでいただき、それを食べるという役目が発生します」
「一度口をつけた料理は完食するまで別の更に手を出すのは禁止ですよね?」
「そうです。だから選ぶ皿は慎重に検討してくださいねっ!」
なるほどね。よく出来たルールだ。
味は当然のこと、量が多ければゆっくり作ればいいが、それだと選ぶ人が少なくなるから自分の評価点が下がる。
評価点を上げようと思えば量を少なくすればいいがそれだと回転率が上がりすぎて調理が間に合わない。
必然的にどの調理人もほとんど同じ量になっていく事だろう。
そうすると後は見た目と味の勝負になって選ばれれば選ばれただけ評価は上がる。
それを決めるのが大食い組、というわけか。
司会達は今度は大食部門の参加者の紹介をしているが、さすがに50人もいると一人一人が短い。
「さて、次は今大会最年少。ウィステリア嬢!なんと12歳です!他の大人に混じっての参加、胃袋が心配です!」
「無理しない程度に頑張って貰いましょう!」
ほんとに無理はしないでな。
「さて、そろそろ調理部門の方で動きがありました!」
「ある程度の量が出来上がるまで大食部門には待っていて貰ったわけですが…そろそろ解禁です!」
ぼぺー
気の抜けた音と同時に大食組の面々が料理を取りに席を立つ。
これから大食い達の熱い戦いが始まる。




