収穫祭の始まり
すみません、今回は短いです・・・。
--収穫祭の始まり
スラムでのあれこれが落ち着いてからすでに一週間。
その間はギルドで簡単な依頼を受けたり子供らの依頼の後から着いていったりしたらあっという間だった。
「これより、グランジ収穫祭を開始する!」
領主の宣言と共に街中で雄叫びが聞こえる。
「元気だなぁ…」
「ヒフミさんは収穫祭は初めてですか?」
いつの間にか隣にいたロタラさんが立っていて俺に話しかけてきた。
「そうだなぁ。ここまで大きい祭りっていうのはなかったな」
「武道会とか出れば優勝間違いなかったですのに」
「まったりしたくて旅をしてるのに何が悲しゅうて目立たなきゃならんのだ」
この収穫祭というのは、武道会や美食大会、歌唱大会や美形コンテストのようにいくつもの催しが合わさってできている。
開会から三日ほどで全ての大会が行われ、最後に街を上げての大宴会を行うのが通年の行事なのだそうだ。
「それにしても子供達が武道会に出るとは驚きました」
「まぁそれなりに強くなったから最低ラインは超えてるだろう。後は強い奴に負けるのも勉強だ」
実際俺が出ればほぼ確実に優勝は出来ると思うがそれによって目立つのもごめんだし、なにより優勝賞品が全然欲しくなかった。
領主の近衛兵への推薦権とか誰が欲しいねん。
一兵卒とか冒険者とかが安定した職業が欲しかったら狙うのか。
俺には興味ないけどな。
つーか近衛に置くなら可愛い女の子でしょうよ。領主はわかってない。
今グランジの街の人口は三倍くらいになっているのかな。
大半が収穫祭目当ての一般人、後は大会に出る人、商売のタイミングを狙ってきている商人。
そのほとんどが温泉街へと足を運んでおり、そして温泉の魔力に取り付かれていた。
よいよい。そうやってどんどんお金を落としていけばいい。
温泉街は領主の計らいでどんどん完成形へと近づいた。
タオルや石けんなどの消耗品の補充や、飲食店、宿屋の経営経験のある人間の紹介、派遣など。
そこに商人がなだれ込み、空いている店舗で店を構える。
ソレルがいい感じでその辺の指揮をしたりしているらしいので存外平和に過ごせているらしい。
このまま任せておけそうだな。いいことだ。
武道会の会場の方ではすでに予選が始まっているようで遠くから歓声が聞こえてくる。
「ロタラさんはもう用事は終わったんですか?」
「はい。後は収穫祭が終わった後に移動する商隊に混ざって移動する事になっています」
「了解」
ロタラさんは終わるまでの期間、祭りを楽しむことにするらしく人が溢れる市場の方へ去って行ってしまった。
俺はどうするかなぁ。
屋台で買い食いをしながらブラブラ歩き、珍しい物が売ってないかを探すけどいまいちパッとする物がない。
迷子の子供もいるし、それを慰めている女の子もいれば、それを遠巻きに見ている大人達。
助けてやればいいのに。という俺も助けようという気にならないのはなんでだろう。
これが日本人か。
あまりに暇すぎるから子供達の武道会でも観戦しにいきますかね。




