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スラム再建計画

--スラム再建計画


 気がついたら商会のあった土地が更地になっていて、範囲は狭いがかなりの深さのクレーターの様になっていた。

 崩れたがれきに埋もれるかな。とか思っていたがそんなことにはならずに全て蒸発したらしい。

 

 …うん、やりすぎた?

 まぁいいか。クズは生きてる価値はない。


 

 ちなみに使った爆裂魔光(バースト・レイ)という魔術は、超高高度からの降下型灼熱光線という結構な極悪魔術。

 範囲をすごい絞ったから今回はこの程度で終わってるけど本来なら攻城魔術である。


 範囲を絞ったからか結構な深さがあるのよね…どうやって出よう。

 ま、身体強化(フィジカルブースト)使えばジャンプでどうにかなるか。


 ジャンプだけではちょっと足りなかったので空歩で二回ほど宙を蹴ってクレーターを抜け出すとクレーターの周りにはスラムの住人達と街の住人がクレーターを囲んでいた。

 そんなところを飛び出してきた俺はやはり注目の的のようで。

 地面に降り立った後に周りを取り囲む様に群衆とも言える人数が集まってくる。


 集まった群衆の中からは「魔王だ…」とか「とうとうこの世も終わりだ…」とか危険なことを言っている奴がいる。

 おまえらそこから出てこい。


「あの…だんな様?これは一体…」


 そんな群衆の中から俺に声を掛けてきたのはさっき相手をした子の中の一人で、ソレル。

 その後ろには他の4人も怯えるように立っている。


「あぁ、むかついたから潰した。でも君らには恨みはないから安心するといい」

「そ、そうですか…。お言葉ながらここを潰したところでスラムを食い物にする商会は後を絶たないでしょう」

「まぁそりゃそうだわな」

「私たちもイヤですけどあぁいうことしてでも稼がないと食べていけませんし…」


 ふむ。他に稼ぐ手段がないのかね。


 どうしたもんかと考えていると、群衆の後ろから大声を上げながら現れる衛兵。

 それに連れられる俺。


 あぁ、いつものパターンか。

 これで後ろにまた馬鹿な貴族とかが張り付いていたりしたら…。

 街ごと潰しちゃおうか。

 

「で、俺の罪状は何になるんだ?」

「そこら辺は領主様から直に話があるそうだ。私らでは話す権限を与えられていない」

「さよか」


 そうして通された部屋は…綺麗に整えられている応接室だった。

 そこでしばらく待つと衛兵と共に入ってくる壮年の男性。

 向かいの椅子に座ると深々と頭を下げられた。


「お初にお目にかかる。グランジの街を治めているザクルという」

「一二三・桜坂だ」

「存じている。貴君があの『暴虐』と言われている人物であることも調査で上がってきている」

「ほう。それでその俺になんの話があると?」


 目を細めて目の前のザクルを見る。

 胆力があるのか動じた様子もなく、こちらににこやかな笑みを浮かべている。


「貴君が潰した商会は前からスラムを根城にいろいろあくどい商売をしていたんだが、幸か不幸かそれがスラムで一定の秩序を保っていた」

「ふむ。それで見て見ぬ振りをしていたと」

「そうだな。本来であればスラムの住人に仕事を与え、住居を与え、食べ物を与えるのが私の仕事なのだがな。言い訳にしか聞こえないがそこまで手が回らなかった」

「確かに言い訳だな。統治者としての器が足りないんじゃないか?」

「これは手厳しい。それなら貴君に手伝って貰おうか」


 おっとやぶ蛇だったか。


「俺を従えるとでも?」

「いやいや。配下に置こうというんじゃないよ。スラム地区を特区として君に仕切って貰おうというだけだよ」


 …は?


「ちょっとまて。俺にどうしろと」

「言葉通りだが?器の小さい私に変わってスラム地区を統治してもらう。当然貴君が街を離れても問題ないようにしてもらう」

「根に持ってやがるのか。ちくしょう。それくらいお前でやれよ」

「貴君ならそれくらい余裕であろう。…好きにしていいぞ?」


 ほう…俺に好きにしていいと言うか。


「…ほんとに好きにしていいんだな?」

「…街の特色を潰さない程度で頼む」


 よし、言質は取ったぞ。

 じゃあやりたいようにやらせて貰うかね。

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