竜という存在
--竜という存在
防具のちょっとした手直しをして動きに問題が無いことを確認した後はロタラさん達ときちんと休憩を取り、また街道を歩み続ける。
平原を越える手前で幾度か目の野営を行い、これからは山脈越えとなる。
「これから山脈越えだが体調は大丈夫か?」
夕食を食べながらの場でモスが俺に聞いてくた。
「想像していたよりペースが遅いから大丈夫だ。というかこんな速度で大丈夫なのか?」
「問題ないみたいだ。山脈を越えた直後にある街に着く日程を調整する必要があるんだとさ」
なるほど。
商人ってのはめんどくさいな。俺には絶対出来そうにない。
「子供らはどうだ?」
全員の視線が子供らに集中するが何食わぬ顔で夕食を食べながらそれぞれ問題ありませんと答えた。
「師匠にいろいろ教わる時間が増えるので問題ありません」
「体術を鍛えるには時間が必須と言われた。なので時間が増える分にはありがたいです」
「知らない魔術理論をもっと聞き出したいので遅い分にはかまいません」
「師匠とまだ一緒…うふふ」
約一名怖い。
他の子供らもウィステリアちゃんの事を諦めた目で見ている。
モスとか深紅の斧のメンバーも生暖かい目で見ている。
俺…ロリコンちゃうで。
「んでだな…これから超える山脈に最近になって竜が住み着いたという情報がある」
「ほう?」
「古竜ではないと思いたいが…そうだったら全力で逃げるから協力してくれ」
「了解。おまいらもそれでいいな?」
子供らに向かって訪ねるとみんな首を縦に振っている。
ちなみにこの世界では古竜と言われる5匹の上位竜。
その下に成竜から幼竜までがそれぞれに付き従う。
上位竜それぞれが「長」と言われ、竜の街の族長をやっている…はず。
竜は幼竜でも人化も出来るから言われないと気づかない事が多いから友好的な竜族は大抵人化をして人間の街に遊びに来てたりする。
竜の姿のままで…というのは、大抵若い竜がやんちゃして俺つえーだろ。をやったりとか街から追い出された粗暴者だったりすることが多い。
そういうのが大抵自称勇者とか冒険者に狩られて市場に竜素材が出回るんだから人族も竜族もお互い悪いことはない、はず。
「師匠、竜にも勝てる?」
ウィステリアちゃんが首をかしげて聞いてくるんだが、どう答えるかを考える。
竜族の長達(♂)は前回こっちに来たときに全員飲み友達になってるし、その下で護衛隊をやってた奴らも宴で一緒に盛り上がった仲だからやり合うということを考えなかった。
まぁぶっちゃけ何でもありの殺戮ルールなら勝てるだろうけどね。
「どーだろうな。やってみないとわからないな」
こんな所か。
「ほれ、それより明日からは高くないとはいえ山登りだぞ。しっかり休んでおけよ」
はーい。という声と共に子供らはテントへ入り込んでいく。
これからは…大人の時間です。
「今日も子守お疲れさまです」
「ほいお疲れさん」
酒瓶を持ったロタラさんや他の商人さん達がたき火の周りに集まってきて軽い打ち合わせと宴会が始まる。
「モスさんから聞いたと思いますが、明日から山脈ルートに入ります」
ロタラさんが蒸留酒をくいっと飲み干しながら周りのみんなに告げる。
「その山脈には当然のことながら山賊や盗賊の輩もいます。それに付け加えて竜が住み着いているという情報があります」
竜と聞いた他の商人達はざわざわとし出すが、それを無視してロタラさんが続ける。
「古竜だった場合は全速撤退します。それ以外の竜だった場合は深紅の斧の皆さんが対応してくれるとのことです」
「深紅の斧リーダーのモスだ。今も言ったように成竜以下だった場合はこちらで対応する。後はそこのヒフミもだ」
「え?俺?」
いきなり話を振られたがそんな話は聞いてないぞ。
他の商人達も怪訝な顔で俺を見ている。
まぁそりゃ子供らと遊んでいる様にしか見えないだろうしなぁ。
「そこのヒフミは俺らより戦闘に長けている。ヒフミとの打ち合わせはこれからだが戦闘時は俺らかヒフミのどちらかが商隊の護衛をする」
「おいまてまて。そんな話は聞いてないぞ」
「おう。今言った。そういうことだからよろしく」
…どういうことだいったい。
災厄体質って誰が言ったんだ。完全に身にまとわりついちゃったじゃないか。
シェリス、後で一発殴る。
「…山脈越えるまでだぞ」
「助かる」
そうと決まれば早々に寝るか。
ロタラさんと商人達に挨拶だけしてテントに入り眠る体制になる。
外では朝まで宴会してるんだろうし見張りは任せよう…
飲み過ぎて動けないとかやめてくれよ…?
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次の日の朝、目が覚めてテントから出た所で見たのは…
酔いつぶれたロタラさんや深紅の斧の面々と…
ものすごいいびきをかき寝ている、見上げるほど大きな青い竜だった。
今年ももうそろそろ終わりですが、クリスマス特別編とか年末年始編とか書いて欲しい人いますか?(´・ω・`)
いたら頑張って書こうと思います。




