フィリピン式マッサージ
フィリピンの夜は、お色気攻撃。果たして二人は耐えられるか?
アンナを部屋へ送り、明日の朝食の約束をして、二人は部屋に戻った。「どうする、このまま寝るかい?」
と幸男が言った。幸男はシャツを脱いで、デカパンとランニング姿で、
ベッドの上であぐらをかいて座っている。「そうだな、寝る前にマッサージでも呼んでみようか?」
と私が言うと「二人いっぺんに呼ぶの?」テレビのリモコンをいじりながら幸男は言った。
私は「うん、時間が無いから、二人一緒にしてもらった方が良いな」と言いながら、
ベッドの脇にある受話器を持った。電話機に、マッサージは7番を押してください、
と日本語で書いてある。私はダイヤルの7を押して、マッサージを二人頼んだ。
全部日本語で通じた、よほどこのホテルは日本人がたくさん泊まっているのだろう。
10分もしないうちに、ドアを叩く音がして、二人のマッサージ嬢が来た。すると一人の女が、
入り口にあった照明用のスイッチを押して、部屋を暗くした。私をベッドにうつ伏せに寝かせ、
シャツと下着を脱がされ、ブリーフ一丁にさせられた。幸男もデカパンだけで、
うつ伏せになっていた。マッサージ嬢は、小瓶を取り出して、私の背中にオイルを塗った。
ヌルッとした感触を背中に感じ、両手で広げる様にして、肩から背中に掛けて揉みだした。
気持ちが良く、眠くなってきた。頭の先から足の先まで、丁寧にもみほぐす。
背中が終わると「上向いてください」と日本語で言った。私はクッションの効いたベッドの上で、
言われたとうりに上向きに成った。「気持ち良いですか?」とマッサージ嬢が聞いた。
見た感じ30手前の痩せた女で、日本語が少し出来る。マッサージをしながら「あなた日本人ですか?」
とか、「奥さん居ますか?」等と話しかけて来る。彼女の手が腰の辺りを揉んでいると、突然ブリーフを下げた。
私は一瞬ビックリしたが、フィリピンのマッサージは、こんな感じかなと思い、恥ずかしいのを我慢していた。
小瓶からオイルを取り出し、私の太ももに丁寧に塗っている。時折、彼女の指が私の大事な息子に当たる。
指が触るごとに息子が反応する、なぜる様に何気なく指が触れる。だんだん息子が元気に成って来る、
すると彼女が耳元で「スペシャル良いですか?」と囁いた。私は一瞬何の事か分からなかったが、
マッサージ嬢が、元気に成った私の息子を、オイルの付いた指で握ると、スペシャルの意味か分かった。
「幾ら?」と聞くと「マッサージが200ペソ、全部で800ペソ」と言った。ここまで息子を、
元気にさせられ、アンナと別々で寝ているのに、断る事は出来ない。私は「お願いします」と言ってしまった。
もっとも、お父さんと来ているアンナと、一緒に寝る気では無かった。日本に居る時も、アンナは誘っても、
ホテルには行かない、「私まだバージンなの、カトリックだから結婚するまで、バージンで無けりゃ駄目なの」
と言われ、我慢をしていたのだ。オイルを塗った手でやさしく触られると、息子はアッと言う間に、
爆発してしまった。丁寧にタオルで息子を拭いて「終わりました」と彼女が言った。ちょうど1時間ぴったし、
すばらしいテクノックの職人技。私はマッサージ嬢に、財布から800ペソを渡すと、別に100ペソ札を、
チップとしてあげた。幸男も同じようにされた様だった、デカパンを穿きながら、
タオルで大事な所を拭いている。「アリガトウ」と良いながら、二人のマッサージ嬢は帰って行った。
「マッサージ幾ら払った?」と、シャワーから出てきたばかりの幸男に聞いた。
「俺は1000ペソ払ったけど」と髪の毛をタオルで抜きながら言った。
私は幸男に「スペシャルやったの」と聞くと「もちろん抜いて貰ったよ、スペスペってしつこいから」
と良いながら、隣のベッドへ潜り込んだ。道理で最初からスペシャルをするつもりで、
電気を消した訳が分かった・・・
寝る前に又電話が掛かってきた、同じように女を要らないか?と言う電話だ、多分寝るまでしつこく女を、
買わせるつもりだ。私は少し怒る様な声を出して断ると、それからは掛かってこなかった。私は寝る前に、
幸男の大きなスーツケースが、気に成っていたので、「幸男、スーツケースの中身は何?」と聞いてみた。
「えっ中身?フィリピンで着る服と、下着だろ、カップヌードルにチョコレートだけだよ」と言った。
だがそれだけにしては大きすぎる、「服を何枚持ってきたんだよ、そんなに膨らんで」と言うと
「本当はな水を持ってきたんだ」と良いながら、台の上にのっているスーツケースを開けた。
ふたを開けてビックリ、スーツケースの中に1,5リットルの、ペットボトルに入った、
ミネラルウオーターがびっしり並んでいた。
「だって、本を読んだらフィリピンは、飲み水が危ないって書いてあったもん」
と幸男が言った。「馬鹿、ミネラルなんか、フィリピンだって売ってるぜ」
と私はあきれ返って、笑う事も出来ず、幸男の頭の中を疑った。
成田で荷物の重量を測る時に、幸雄だけ重量オーバーで、超過料金を取られていた。私はちょうど18キロで、
幸男は38キロ。18キロオーバーの代金を、幸男は払わされたのだ、
高い水に成ってしまった。その事もあって、よけい搭乗が遅れたのだ。旅の疲れは二人を襲う、
私はテレビを消すのも忘れ、寝てしまった。