草原で.2
「さて、食った食った!」
「これからどうしますか?」
「あそぶー?」
食事が終わり、まだ昼に差し掛かる所。感覚は朝食兼、昼食になってしまった。久しぶりに、ゆっくりとした時間を送れている気がする。
「なんか、ここ最近色んなことがありすぎて、ゆっくりしたい気もするなぁ」
「そうですよね」
アメルは苦笑した。
ここへ来る途中、俺を知っている住人から、オーガキラーだ! と言われ、たちまち人集りが出来てしまっていた。
用事があるんでと言って、その場は切り抜けたが、毎回あんな感じになると身が保たない。
「ジェシカさんも疲弊してた様だけど、アミカさんもやってくれたよ、ホント……」
アミカさんは、ひしゃげた大盾を見せつけて、俺がこれでオーガの攻撃を防いだ隙に、【従魔士】のカイルが斬り込んだんだぜ! 息の合った連携プレーよ! と言ってたらしい。人集りが出来た時に聞いた。
俺の名前が広がってるのもそのせいみたいだ。自慢してくれているから注意もしにくい。
ベラートさんは、人目のつかない所で話してくれた事を考えると、気を遣ってくれたのかな? 俺の中で、どっちがしっかりした大人なのか、一瞬揺らいでしまった。
「あ」
アメルが、何か思い出した様に声を出した。
「どうしたの?」
「そういえば、ジェシカさんがパーティーを作れるって言ってたなぁと思って。カイルさん、どうされるんですか?」
ギルドパーティーの話ね。大丈夫とは思うが、ギルドのエントランスで、男達が話していたことも気になる。作らないせいで、アメルに迷惑が掛かっても嫌だし、何より、恩恵の大きさを考えると作った方が良い。
「作る予定だよ」
そう答えると、アメルは目を輝かせた。
「そうなんですね! でしたら、パーティー名を決めないとですね!」
「お! なんかたのしそう!」
アメルが前のめりで来るのは珍しい。
「パーティー名ね、何かいい案があるの?」
「カイルの冒険団! というのはどうでしょう?」
お、おう……。それはちょっと恥ずかしいな。個人の名前が入っているギルドパーティーも勿論あるが、基本的には自信家であることが多いように感じる。周りからも敬遠されがちだから、名前を考えていた時は、自分の名前は使わないようにしようと決めていた。
「駄目でしたら、カイルとゆかいな仲間達、とか……」
それも、俺の名前しっかり入っちゃってるなぁ……。段々声が小さくなっていくアメル。俺が返事をしないことで不安を覚え始めた様だ。慌てて話しかける。
「ごめんごめん、アメルが提案してくれた名前が嫌なわけじゃないんだ。ただ、もうパーティーの名前だけは決めてあってね」
「そうなんですね……なんという名前にしたんですか?」
「まんまるだん! とか?」
アメル達が、気になって聞いてくる。まんまる団は、ないかなぁ。
「そうだな……じゃあ、今からギルドに申請しに行こうか。それまで内緒ってことで」
俺は立ち上がり、腕を上げて背伸びをする。そのまま深呼吸をすると、空気が美味しく感じた。
行こう、と告げてギルドへ向かって歩き出す。アメルも立ち上がって、一緒に付いてきてくれる。
ーーギルドパーティーの名は、ウィズテーラス。
仲間と。そして、これから出会えるかもしれない、魔物達と共に歩むという意味を込めて。
【従魔士】として一歩を踏み出せた俺。今度はどんな事が待ってるだろう。高鳴る鼓動が、自然と歩みを速くさせた。
最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
これで、第一部は完結となります。続く第二部も、完結することが出来ました。
もし少しでも面白かったなと思っていただけたなら、是非第二部も読んで頂けると嬉しいです。
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では、貴重な時間を割いてくださった貴方に最大限の感謝を!




