射士
「D級以下の即席パーティーで、オーガを倒すだと……!?」
男達を縛り上げて、私の護衛に付いてくれていた職員さんは、青色のオーガ討伐を、あり得ないといった様子で呟いた。
「アメル! 今度は赤い方だ! やるぞ!」
「はい!」
私は、弾を装填する。アミカさんが攻撃を引き付け、カイルさんがその間に斬りかかっている……けど、どれも傷が浅いようだ。
「カイル、どうした!?」
「コイツの方が青より硬いんだ! 俺の攻撃が深くまで通らねぇ!」
「んなもん、気合いだ気合い! もっと力入れろ!」
「やってるっての!」
戦いながら言葉を交わす二人。戦いの最中だけど……こういうの、いいなって思ってしまう。
私は弾を一度外し、赤色へと取り替える。
「アメルさん、その弾は? 色が違うようだが」
「有事の時専用にと、厳命を受けています。多分、通常より威力が高いんだと思います」
クロスボウを構える。
今日、ダンジョンに入った時からかな。集中すると、魔物の部位が光るようになっていた。初めは何これ、眼がチラついて見にくいなと思ったけど、目、鼻、口等の人間なら急所になりそうな部分が、どの魔物でも光って見えた。
これは多分、魔物にとっての急所になる位置。私が優先して狙うべき部位なんだろう。【射士】のスキルだと思う。
カイルさんも、俺には見えない。アメルの、【射士】としてのスキルが発現したかもしれない、と喜んでくれていた。
弾を装填し、改めて敵を見る。
光っている場所は、目、鼻、口、主に顔に集中している。後は、カイルさんが斬りつけたであろう部分にも、光っている場所があった。
私は集中し、もっとも光が強い部分を探す……ここだ!
「カイルさん! アミカさん! 赤い弾を撃ちます!」
そう言って、弾を発射した。弾は、最も光っている部位、左肩へ直撃する。オーガが、いつもと違う痛みに左肩を見たのも束の間。それは、小規模な爆発を起こした。
爆発範囲とは裏腹に、ダンジョン内が揺れたかと思う程の、大きな爆発音が辺りに響き渡り、私も思わず耳を塞いでしまった。




