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友達
「友達……? 俺と君が?」
「うん! たべたり、あそんだり、いろんなことしたい!」
そう言うと、スライムは楽しそうに跳ね始めた。
確かに、このスライムには攻撃性が見られない。会話もある程度成立するし、言うことを聞いてくれるなら、村でも一緒に生活できるかもしれない。
俺は、ある条件を提示してみることにした。
「友達になるのは構わないよ。けど、約束してほしいことがあるんだ」
「やくそく? なに?」
ワクワクと言った様子で、スライムは聞き返してくる。
「無闇に人間を襲わないこと。勿論、中には悪いやつらもいるから、その辺は、やられたらやり返す、位の気持ちで良いんだけど。これを約束してくれるなら、君と友達になるよ」
「……! わかった! やくそくまもる! これでともだち! ともだちね!」
嬉しそうに、跳ねながら俺の肩まで登ってくるスライム。
子供みたいだな。そう思いながら、俺は自然と笑みがこぼれる。
日はすっかり落ちていたが、俺は、晴天の様に温かい気持ちになった。