反撃開始
ーー分かった事がある。
まず、赤より青のオーガが賢いということ。そして、青の攻撃で俺は気絶しない。
何度か、壁に激突させられて分かった。悲しいけど。
壁や地面が、あちこち抉れて石の塊が散見している。
赤は、とにかく身体能力が高い上に、身体も特有の硬さがある。俺の愛剣で斬れなかった。
「かってぇ!」
細かく言うと、斬れてはいる。だが、表面を傷つけただけの感覚で、血は出ているが、深くまで斬り込めない。こっちが出せる全力で、斬ろうとしているのに、だ。
「……ったくよ! 俺も分裂でもして、二対二にならないと割に合わねぇっての!」
俺は、激突して埋まっていた壁から降り立ち、剣を構える。
苦戦しているのは勿論だが、一番頭を悩ませているのは、時間だ。
スキルを発動しっぱなしである。どの位経った? 今はまだいけそうだけど、俺が動けている内に救援は間に合うのか? そんなことが頭をよぎる。
段々俺も逃げる算段を考えるかと、頭の片隅で思い始めた時に、後方から、アメルの声が聞こえた。
「カイルさん! 救援です! 呼んで来ました!」
「カイル! 生きてるか!?」
救援にはアミカさんも来てくれたのか、ありがたい。
「なんと……二体を相手にして、まだ健在している……!?」
それと、入り口にいた、ギルド職員さんだな。この状況に驚いているようだ。俺、めっちゃ頑張ったよ。
--よし、これならまだ戦える。最悪、俺の意識が飛んでもなんとかなりそうだ。
俺は、今いる全員に指示を出す。
「アミカさん、赤のヘイトを取ってくれ! 力は強いが、頭はそうでもない! 各個撃破だ、その間に青の方を仕留める!」
「……おう! 任せとけ!」
「職員さん! アンタはその辺の賊を、纏めて縛っておいてくれ! 暴れられても困る! それが終わったら、アメルの援護を頼む!」
「わ、分かった! しかし、君達だけではとてもじゃないが、オーガには勝てない! 私もそちらに加勢する!」
「要らん! 実力があっても、どんな動きをするか分からん人と、合わせてる場合じゃない!」
俺が言ったことに、職員さんは驚いていたようだ。だがすぐに、分かった! と言ってくれて、転がっている賊を一塊にしていく。それを確認してから、アメルに声を掛けた。
「アメル!」
「はい!」
「青を先に倒す! 赤い方はアミカさんに任せろ! 青は攻撃が通りやすいはずだ、一緒に倒すぞ!」
「……はい!!」
アメルは、元気良く応えてくれた。防戦一方から、ようやく反撃に出れそうだ。俺は、オーガへ向かって吠える。
「散々やってくれたなぁ!? 今度はこっちの番だ、覚悟しろ!」
俺達は、各々の戦いへ繰り出した。




