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合流

 走りながら、チラリと横目をやる。ギルドが設置してくれた、順路にある目印。数えて五個目。中間まで戻ってこれた。


「後……半分っ!」


 息が上がってきたが、休んではいられない。


 カイルさんの焦り方。あの二体は、私は勿論、カイルさんでも勝てるか分からないと思っているみたいだった。それでも食い止めると言ったのは、ライムちゃんが一緒に戦ってくれるからだろう。


 カイルさんは言わないけれど、足手まといと思われたかもしれない。それでも、カイルさんは私を頼ってくれた。私は、言われたことを全力でやるだけ!


 とにかく走る。早く救援を呼ばないと!


 視界を前に戻すと、暗がりに何か居ることを確認出来た。あれは--ゴブリンだ。


 その数、五体。ゴブリン達は、道を塞ぐように私の前へ出てきた。


「どいてっ!!」


 私は滑るようにクロスボウを構え、装填していた弾を発車する。


 一体へ命中し、そのゴブリンは倒れたが、他の四体で、完全に走り抜ける道を塞がれてしまった。走りながら避けるのは危険すぎる。かといって、相手取っている暇すら惜しい。ああもうっ! 急いでいるのに!


 私が焦っていることを知ってか知らずか、ゴブリン達は、笑みを浮かべてゲッゲッと笑い始めた。


 その様子を見て、さっきの賊と似ているなと思ってしまった。とはいえ、いつまでもこうしている場合じゃない。


 私は有事の時に、と厳命を受けた赤い弾を装填する為に、ポーチに手を掛けた。が、その時、ゴブリンの後方、入り口側から、ガンガンと鉄を叩く音が聞こえて来た。


「おい、ゴブリン共! こっちも相手してもらおうか!」


「ア、アミカさん!?」


「嬢ちゃん、すまねぇ! 遅くなったが、救援だ!」


 --救援。その言葉に、心が軽くなるのを感じた。これでカイルさんを助けに行ける!


 そこにはアミカさんと、ダンジョン入り口で手を振ってくれた、ギルド職員さんの姿があった。


 ゴブリン達は、音のする方。私には目もくれず、アミカさんへと突撃していった。


「へ! 威勢の良いことで! 四体程度で、俺を突破出来ると思うなよ?」


 ゴブリン達の武器攻撃を、アミカさんは大盾で受けきっていく。そして、大盾を振り回し、ゴブリン達を吹き飛ばしていった。


「流石オルサフォルム団長。ヘイトを買うのが上手い」


「元、な! それでも、ギルド職員に褒められて悪い気はしねぇ! これが出来てこその【重戦士】だからな!」


 職員さんは、倒れたゴブリンを、一体ずつ確実に斬り伏せていった。


 四体のゴブリンは、あっという間に討伐され、辺りには魔石だけが転がっていた。


 アミカさんが私の方へ駆け寄ってきた。


「嬢ちゃんカイルは! 無事なのか?」


「な、何で知っているんですか?」


 救援を呼びに行こうとした途中で、向こうからやって来た形になる。まるで、見ていたかの様なタイミングだ。


「【お見通し侍】が、お節介をしてくれたのさ。そんなことはいい、どこにいる? 案内してくれ!」


「は、はい! こっちです!」


 私は来た道を引き返す。二人も着いてきてくれる。


「私は詳しい状況が分からない。アメルさん、簡単に教えて欲しい」


「中層手前で、賊に襲われました。その内の一人に、粉が入った袋を投げられて……カイルさんは、中層から出てきた魔物をオーガと言っていました。二体を今、カイルさんが食い止めています!」


「なんと……だが、E級であるならオーガには手も足も出ないだろう。恐らく、彼はもう……」


 そんなことはない! 絶対に!


「とにかく行かなきゃ分からん! 早く行こう!」


 アミカさんに促され、私達はカイルさんのいる場所へと急いだ。


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