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救援

「あーあ……御愁傷様だねぇ」


 ギルド本部の個室。僕はスキルを使いながら、言葉を漏らした。声は聞こえないが、恐らく、狙いはアメルちゃん。とすると、叔父辺りが絡んでそうだな。


 苦戦するようなら救援を出そうと思ってたけど、何て事はない。あのスライムを怒らせてしまっただけの様だ。


 魔法を扱える職は居なさそうだ。だとすれば、あのスライムには勝てない。希少なスキルでもあれば別だが、そんなものもないようだ。


 男達が腕を折られる様を、僕はボーッと視ていた。痛そう。


「でも、結局捕まえには行かないとか。さて、誰に頼もうかな」


 そう思いながら、視る場所をカイル君へ切り替える。投げナイフを叩き落とす中で、投げられた袋を斬っており、粉が舞っていた。


「……あれ、ヤバくない?」


 臭い袋だ。それの意味する所は、敵の呼び寄せ。勿論、ゴブリンやキラーバット等の魔物じゃ、カイル君達の敵ではないだろう。ランク詐欺みたいな所あるからね。では、上層の敵ではないとしたら? カイル君達が居る場所は、中層手前。


 僕の予想は是非とも外れて欲しい。でも、当たってました、から動いたのでは遅過ぎる。


 僕は慌てて、冒険者がいるエントランスへと走った。


「ど、どうしたのリョウ? そんなに慌てて」


 ジェシカちゃんが驚いているが、気にしてる場合じゃない。


「野暮用さ」


 辺りを見渡す。と、一人の冒険者を発見した。いるじゃないか、適任が。僕はその冒険者に話し掛けた。


「やあやあ、ちょっといいかな?」


「……【監視者】が俺に何の用だ?」


 彼は顔が広い。僕の事を知っている様だ。怪訝な表情をこちらに向けている。僕は、笑顔で話を続けた。


「あんまり、その名は好きじゃないんだ。僕の名前はリョウ。そう呼ぶのが嫌なら【お見通し侍】って呼んで欲しいな」


「……そーかい。それで? B級以上のギルド職員であるアンタが、D級に何の用だよ?」


「そう、嫌な顔をしないで聞いてくれよ。今、カイル君達がダンジョンで賊に襲われている」


 そう言うと、彼は勢い良く食いついてきた。


「それを早く言え! だとしたら早く助けに行かなきゃいけない! 場所はどの辺りだ!?」


 やはり、この男に声を掛けて正解だったなと思いながら、僕は話を続ける。


「気が早くて助かるけど、最後まで聞いて欲しいな。賊自体はスライムが制圧したんだ。間違いないよ」


「あぁ、アンタ、カイル達に会ったんだな……カイルと丸いの、その辺りが対象か」


 ……スキルと役割まで把握されてるのか。この男、意外に侮れないな。


「そこまでは良いんだけど、その内の一人が臭い袋を使ったんだ。下手をすると、オーガが上層に来る」


「オーガが上層に!?」


 オーガという言葉に、他の冒険者もこちらを振りかえってくる。僕は慌てて指を立てた。


「シーッ! ……あまり事を大きくしたくない」


「わ、悪い」


「僕は、都合で今すぐ救援には向かえない。そこで、君には代わりに救援へ行って欲しいんだ。ダンジョン前にいる、職員一人を連れて行ってくれて構わない。僕の名前を出せば大丈夫だよ」


「分かった!!」


 彼は慌ててギルドを走り出ていく。あの様子なら、救援自体は間に合うだろう。


「ち、ちょっとリョウ! オーガって……まさか、カイル君達に何かあったの!?」


 ジェシカちゃんが、受け付けから飛び出して凄い勢いで問い詰めてくる。僕は大丈夫だよー、と誤魔化した。


 ちょっとリョウ! ちゃんと説明しなさい! とジェシカちゃんに身体を揺さぶられながら、改めてスキルを発動し、カイル君を視る。


 僕でも一太刀では斬れないオーガが二体。彼の眼前に立っていた。

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