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指名依頼.2

 昨日の今日で、行く訳にもいかない。


 いつでも行けますと言ってくれていたが、アメルの疲れを考慮して二日間、時間を置き、ギルドに顔を出す。


「ジェシカさん、こんにちわ。今日、行ってこようと思います。ダンジョン探索の、許可書をお願いできますか?」


「こんにちは、カイル君。今処理するわね……っと、はい。これ、お願いします」


「ありがとうございます」


「塊が手に入ったら、ギルドに持ってきてくれればいいわ。ティアジャールさんの所へは、こちらで持っていくわね」


「はい」


「アメルちゃんも気を付けてね。弾はちゃんと持ってる?」


「はい、補充してくださって、二十発丁度です」


「よろしい。そしたら、気を付けて行ってらっしゃい」


 笑顔で見送ってくれるジェシカさん。その視界の端で、こちらを睨み付けている様な視線を感じた。そちらを向いてみるが、誰も見ていない。


(気のせいか……?)


 俺達は、一先ずダンジョンへ向かった。



「よし、半分だな」


 ダンジョン探索中の俺達は、危なげなく、順路を進んでいた。


 アメルの眼による索敵能力、ライムの殲滅力で、出くわした敵は、ほぼ襲われずに倒すことが出来ていた。


「この間より、余力があります」


 アメルもまだ、余裕がありそうだ。


「まだいくんでしょー? はやくいこー!」


 ライムは急かすように言ってくる。


「順調ではあるけど、油断は出来ないからな。慎重に進んでいこう」


 俺達は、ゆっくりではあるが、確実に奥へと歩を進めた。



「ここが目印の十個目。ってことは、上層の一番奥だ」


 地図を広げて、照らし合わせる。


「この辺りに、ジェシカさんが見せてくれた鉱石があるんですね」


「そうみたいだね。とはいえ、パッと見なさそうだな」


 順路を見渡してみるが、鉱石っぽいものは見当たらない。となると、順路の鉱石は、採られてしまったと思うのが自然か。


 俺は、二人から離れ、順路から少し外れた場所を探し始める。


「……っ! カイルさん! 避けて!」


「え?」


 俺が、アメルの方を振りかえると同時に、何かが俺の頭を掠めた。それは投げナイフ。そのまま壁に刺さっている所からも、明確な殺意が感じられた。


「あーあ、外してやがんの」


「へったくそだなお前。俺がやってやるから、そこで見てろ」


「そんなこと言って、お前が取り分かさ増ししたいだけだろ? 俺も混ぜろよ」


 順路より外れた暗がりから、声がする。出てきたのは六人。いずれも、ガラの悪そうな戦士職だった。


「まぁ待て。この兄ちゃんはアイツのだろ? 下手に殺すと、俺達まで殺されかねんぞ」


「あぁ、そう言えばそうだったな。夜寝れなくなるのは困る。目的は、あくまで向こうだ」


 アメルが目的? 男達が笑いながら言っている。


「アンタ達、何者だ? 冒険者同士の戦闘は、御法度なのは知っているだろ?」


「んなもんバレなきゃいい!」


 男の一人が声を上げて言った。


「お前達がのんびり、外での依頼やダンジョン上層のさわりしか行ってない時は、退屈で死にそうだったぜぇ? ようやく中層手前まで来てくれて、俺達も仕事がしやすいってもんだ」


「仕事?」


 俺が問いかけると、馬鹿正直に話してくれる。


「おおよ! 女は生け捕り、取り巻きは殺せって指示だ。夜営までして待ってた甲斐があったってもんよ! 三年は遊んで暮らせる額を提示されたら、やる気もでるよなぁ!?」


「おい、馬鹿。内容を話すな」


「あぁん? コイツらを仕留めれば、漏れることもないだろ?」


「……それもそうか」


 男達は、もう先の事を話していた。内容から聞くに、あの男が絡んでそうだ。まだ諦めてなかったのか。俺は剣を構えて、スキルを発動する。


「ライム! アメルを守れ! ……お前ら全員、ギルドに突き出してやる。覚悟しろ」


 男達は顔を見合わせ、ゲラゲラと笑い合う。


「ハッハッハ! 格好いいねぇ兄ちゃん! だがすまねぇな。お前の相手は俺達じゃねぇんだわ。生きてたら、また相手してくれや」


 男達は、俺の横を通り過ぎようとする。


 待て--そう言おうとした時、奥から猛スピードで、こちらに向かってくる人影を見つけた。


 その男は、短剣を振りかぶり、俺の首を刈り取ろうとした。慌てて、愛剣で攻撃を受け止める。


 スカーフで顔を隠しており、今もなお、表情を読み取ることは出来ない。


 再び繰り出された攻撃を、剣で受け止め、怒気のこもった声で吠える。


「お前……何やってんだ!? ニスイさんよぉ!」


「……」


 ニスイさんは、何も喋らなかった。

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