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オルサフォルム.2

「行こう、ライムちゃん!」


「おー!」


 私達は、カイルさんと別れ、後方で杖を振り回している女性の元へ向かった。


「鬱陶しいのよ! 集中できないじゃないの、このコウモリ風情が!」


 女性は、キラーバット三体に囲まれていた。時折、爪を振りかざしてくるキラーバットの攻撃を、杖でなんとか凌いでいるようだ。


 私はクロスボウを構え、装填してあった弾を発射した。弾は命中し、一体のキラーバットが力無く地面へと落ちる。再装填している暇はない。


「ライムちゃん! お願い!」


「わかった-!」


 私は、弾を装填しながら見守る。ライムちゃんは形状変化させた腕で、キラーバット二体同時に絡み付き、そのまま地面へ思い切り叩きつけた。


「ギイッ!」


 二体とも同じ鳴き声をあげる。身体を痙攣させていたが、やがて動かなくなった。


「え! な、何!? スライム!?」


 女性は、驚きのあまり後ずさりして、こちらに杖を構える。そのまま詠唱を始めそうになっており、慌てて話し掛けた。


「待って下さい! 助けに来ました! このスライムは、カイルさんの従魔です!」


「カイル、従魔……そう。アイツ、ようやくテイム出来たのね」


 女性は構えを解き、私達にこう告げた。


「アンタ、名前は?」


「アメルと言います」


「ぼくはライム!」


「スライム、アンタ喋れたのね……まぁ良いわ。私はハディット。偉大なる、魔法使い見習いよ! 詠唱中、私を守らせてあげる! 特別に、私の華麗な魔法を近くで見せてあげるわ!」


 言い切ったと同時に、集中を始めるハディットさん。


「アメル、どうするー?」


「……守りましょう。カイルさんに言われたしね」


「そうするかー」


 ライムちゃんは、何故だかやる気が無さそうに言ってきた。カイルさん以外の事となると、比較的どうでも良い、という感じの印象を受ける時がある。


 そう思いながら、前衛にいるカイルさんと、戦士の様子を眺める。敵はこちらには来ず、ほとんど前衛、特に戦士の方へと襲い掛かっているようだ。


 ハディットさんはフン、と鼻をならし詠唱を開始する。


「火の精霊よ、我が名はハディット。我が名をもって、眼前の敵を打ち払わん。力を貸し与えたまえ」


 ハディットさんの杖が紅く光る。


「前衛! 特にアミカ、どきなさい! どかないと一緒に燃やすわよ!」


 そして杖を前に向けて、言葉を紡ぐ。


「よくもまぁ、散々やってくれたわね。塵になりなさい! ファイヤアロー!!」



 杖から撃ち出されたのは、炎。それが螺旋状となり、前方へ向かって敵を焼き消しながら飛んでいった。


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