オルサフォルム
奥へ走ると、魔物の声と剣を振り回す音、様々な音が聞こえてきた。
俺にも戦っているパーティーが確認出来た。あれは、
「オルサフォルム!?」
俺が以前所属していたギルドパーティー、オルサフォルムのメンバーだった。
【重戦士】のアミカさん、【戦士】のベラートさん、【魔法使い】のハディットさんの三人だ。
「あれ? ニスイさんがいない?」
【斥候】である、ニスイさんの姿がない。だが、そんなことを考えている暇はない。
アミカさんは、十体以上のゴブリンに囲まれている。防御力の高さが特徴な【重戦士】だけあって、致命傷は無いように見えるが、傷だらけだ。
ハディットさんには、キラーバットが襲いかかっており、魔法を発動出来ない様子だ。
ベラートさんは、目の前にいるゴブリンを、一体ずつ叩き潰している。
「アメルとライムは、後方にいる人のキラーバットを倒して、彼女の詠唱時間を確保してくれ!」
「分かりました!」
「おー!」
そう言って二人は、ハディットさんへと走っていった。俺はスキルを発動し、アミカさんの前にいる、ゴブリンの群れへ突っ込んだ。そのまま、数体を切り伏せる。アミカさんは、驚きの声をあげた。
「カイル!? おまっ、何でここにいる!?」
「今日がダンジョン初探索ですよ! ニスイさんはどうしたんですか!?」
あの人が前衛として動いていれば、こんな事態にはなっていないはずだ。
アミカさんは、大盾でゴブリンを吹き飛ばす。
「ニスイは抜けた!」
「抜けた!? 何があったんですか!」
「分からん! やることが出来たって言ってな! 三人で潜れるかと思って来てみたら、このザマだ!」
ザマァねぇよな! と、大盾を振るアミカさん。
俺も、ゴブリンを倒しながら話を続ける。少し遠目から、定期的に声を出すゴブリンが居る。アイツが、この事態を引き起こした犯人の様だ。
だが、今は目の前にいるゴブリンを倒さなければ、前にも進めない。
「ったく! キリがねぇ! ベラートさんは何をしてるんですか!」
「アイツは、狂戦士化を使っちまった! 敵が居なくなるまで、眼前の敵を仕留め続けるだろうぜ!」
「そりゃ愚策だろ!? ただでさえ、増え続けてるってのに!」
「同感だ! ハディットが魔法を撃てれば、風向きも変わるんだがな!」
俺とアミカさんは、愚痴りながらもゴブリンを倒し続ける。しかし、その度にゴブリンが続々と奥からやってくる。
俺達は、ただ眼前の敵を倒すことしか出来なかった。




