収穫
夜になり、宿についた俺達は、疲労感が凄くてぐったりとしていた。
「たのしかったねー!」
この、まんまるとしたのを除いて。あの後、色んな策を講じてみたが、ライムにはどれも通用しなかった。
一回、アメルが逃げ回ってる時だけ、ライムが追い付けなかった。これ、初めて会った時の再現じゃん、と複雑な気持ちだった。
アメルは【射士】であるため、眼が良いのは当然だが、やはり足も速かった。足が速いってことは、魔物から逃げれる可能性、ひいては生存率の上昇に繋がる。それを、確認出来ただけでも収穫だった。
アメル自身に、個人のスキルが適応されるのかは分からないけど、その辺もいずれは聞いてみよう。
「十点も、取られてしまいました……」
「そうだね、キツかった」
アメルは、悔しそうな表情だった。最終的には、ライムと対峙するのはアメル自身だから、もうちょっと出来ると思っていたのだろう。
十点を取られた時点で切り上げたけど、差は開く一方だったと思う。
夕食は、ライムに追加でサンドイッチを多めにあげた。頑張ってくれたごほうび的なやつだ。ペロリと平らげていた。
訓練は、もう少し続けようと思う。お互いの部屋に戻る時、その事をアメルに伝えると、私もやりたいです! と、前のめりに言ってくれた。
「また明日やってみよう、俺も色々考えてみるよ」
「はい……では、また明日。お休みなさい」
ライムちゃん行こう、と言い、アメル達は部屋へ入っていった。俺も自分の部屋へ入り、そのままベッドに倒れ込む。仰向けになって、今日を思い返す。
ライムの擬態した俺。身体能力は、俺と同じだったと思う。が、戦闘のセンスが段違いだった。
魔物だからなのか、攻撃に対して敏感に反応してきた。それに加えて、一度見せた行動、誘導する類いの動きは、一切通用しなかった。
「勉強になるなぁ……畜生め」
顔は少しニヤけていたと思う。俺は眼を閉じて、どうしてやろうかと策を講じるのだった。




