訓練.2
「これも、ライムのスキル……なのか?」
「うん! ギタイっていうみたい!」
俺と瓜二つの身体で、はしゃぐライム。跳び跳ねるな、なんか恥ずかしいぞ。
それにしても、ギタイ、擬態か。
相手に限りなく似せる、という意味を持つ言葉だが、ここまで似てると分身体のレベルだ。だけど、よくよく見ると、眼の色が薄緑だった。
俺は黒眼。いや、そこしか違いがないんだけどさ。
俺が従魔融合した時に、このスキルは使えなかった。
「このスキルは、最初からあったのか?」
「ううん、さいきんできるようになった!」
となると、俺と従魔契約をして出来るようになったと考えるのが自然か。でも、そんなスキル無かったんだよなぁ。
ここで考えても仕方ないか。俺は、話を進めることにした。
「よし、パーティーのスキルは共有出来た。どこまで応用が効くかは、やりながらでいこう」
「はい!」
「おー!」
二人は元気良く応えてくれた。
「それでライム。その姿は、いつまで保てそうなんだ?」
「うーんとね、たぶんずっとできるよー」
疲れないからね、とライムは何の気なしに言った。常時発動系ではないスキルの常時使用。これ、言ってることもやってることもおかしいんだよなぁ。
「じゃあ、一先ずその姿のままで居てくれ。これから訓練、というか、ちょっとした遊びをしよう」
「遊び、ですか?」
「わーい! なにするのー?」
「感覚は、鬼ごっこに近いかな。説明するね」
内容はこうだ。ライム対アメルと俺。
ライムと俺が対面して、隙を見つけて、アメルがライムにタッチすれば一点。逆に、ライムがアメルにタッチすると一点を取られる。
俺はアメルのサポートだ。主に、アメルの動きを見るのが目的になるけど、スキルを発動しているライムの実力がどれ程か、それも見たい。
「ライムちゃんにタッチすれば、点が取れるけど、同時に取られる危険もある、ということですね」
「そう。基本は俺とライムが対峙してる時に、死角から触りに行くのが良いかな」
「分かりました」
アメルは、真剣な表情だ。ライムはそれとは対照的に楽しそうだ。
「はやくやろー!」
「よし、やるか! 武器の使用は禁止だ。破ったら夕食無しだぞ」
「おっけー!」
どういう訳か、ライムの腰には俺と同じように、愛用している剣が鞘に収まっている。もし、本物と遜色無いレベルなら、何もない所から、武器を生み出せることになる。
ライムの潜在能力に、頼もしさと同時に、恐ろしさを感じていた。底が見えない。いや、今は訓練に集中しよう。
「アメルが、俺の後ろに来たらスタートだ」
アメルが、ゆっくりと俺の後ろへ回り込んでいく。ライムは、身体を前傾姿勢にして、その時を心待ちにしていた。




