転職の館.3
「この職業は……冒険をしても、大丈夫な職業なんですか?」
アメルにとっては一番大事な所だ。戸惑いながら、ランクスへ尋ねる。
「おいカイル、お前の方が詳しいだろ? 説明して」
「そういうとこだけ俺にか……まぁ、良いけどさ。アメル、結果だけ先に言うね」
「は、はい」
「【射士】は、一緒に冒険出来る職業だよ」
「ほ、ほんとですか!? やった!」
アメルが破顔する、余程嬉しかったようだ。うっすらと、目尻に涙も浮かべていた。
俺は【射士】について、知っていることを説明した。
--【射士】
射、と名が付いていることから、遠距離系の職業だ。
特筆すべきは、命中率の高さと、汎用性の高さにある。
遠距離の職業に、【弓士】や【狙撃手】がある。こちらは武器特化の職業で、弓を持てば、銃を扱わせればと、その武器を持つことで、大きく恩恵を受けることが出来る。
対して【射士】は、武器特化ではないものの、射出武器なら満遍なく扱える所が魅力だ。
一番の特徴は、その場に留まらず、動きながら武器を扱える点だ。遊撃の一人として、中から後衛を担える。
「……とまぁ、何を武器にするかで、色々と戦い方が変わってくる面白い職業だよ」
「博識、なんですね。カイルさん」
「職業について、たまたま調べてた時もあったからね」
「それ、ウチに職業変えようと来てた時期だろ」
「そういうツッコミはいらん」
「でも、そっか。そんなすごい職業になれたんですね!」
「そ、ウチのおかげだね!」
えっへんと、腰に手を当てて威張るランクス。
アメルは立ち上がって、深々とお辞儀をした。
「ランクスさん、ありがとうございます……何とお礼を言ったらいいか」
「え? いいっていいって。これも商売なんだからさ。それより、また何時でも遊びに来てよ。色々お話しよ」
「はい! 是非!」
「カイル、お前は来るなよ。これは女子会ってやつだ」
「分かってるよ」
俺としても、アメルに親しくしてくれる人が出来るのはありがたい。ランクスなら、口は悪いが信用出来る。
「じゃあ、装備を見に、ティアジャールさんのとこに行くから」
「ん。ケチったりしたら、すぐにバレるからな? 後、アメルちゃんに怪我でもさせてみろ、全力でシバくからな? 覚悟しとけ」
「はいよ」
軽口を叩き合いながら、ボカティオパレスを後にする。
俺はアメルと雑談をしながら、一万で足りるかなと内心冷や汗になりながら、次の目的地へ向かった。




