表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/73

アメル

 その後、少女は逃げることはなく、俯いていた。


 少女を、近くにあったベンチに腰掛けてもらい、俺も、警戒され過ぎないよう離れて座る。


 今の状況で、ないとは思うが再び逃げられたら困るので、座っている少女の側には、ライムに待機してもらっている。


「えっと、足は痛くない? 大丈夫?」


「……」


「迷子、になる様子じゃなさそうだけど、何かあった?」


「……」


 少女は喋らない。先程とは違った意味で、埒があかない。どうしたら良いものかと、悩んでいる時に、ライムが少女の膝に飛び乗り話し掛けた。


「ぼくはライム! オマエはなんていうの?」


「……! 喋る、スライム?」


 少女が、驚いた反応を見せる。余程必死だったんだろう。ライムが喋っていたことに、今気付いた様だ。


「そう! ぼく、はなせるの! オマエはなんていうのー?」


「……オマエ、じゃないよ。私は、アメルっていうの」


 クスクスと、笑う少女。アメルは、ライムの言葉に気分を害した訳でもなく、嬉しそうに微笑んだ。


 ライムも嬉しかったのか、彼女の膝の上で、楽しそうに跳ねている。


 和やかな空気になってきたところで、俺は、改めて話し掛けた。


「アメル、って言ってたよね。俺はカイル。依頼があって、君を探していたんだ」


 アメルは、半ば諦めた様子で下を向き、呟く。


「分かってます。私は、やっぱり自由にはなれないんだ……」


 か細い声で語る、その言葉の真意は俺には分からなかったが、彼女の悲しそうにしている顔を、ただ、見つめることしか出来なかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ