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少女
ーーもう、嫌だ。
私は駆けていた。靴が脱げ、裸足になろうと構わず、全力で。
両親が亡くなってから、叔父に引き取られた私は、家畜と同等か、それ以下の生活を余儀なくされた。
起きたら、一人きりでの素っ気ない食事。足に重りを付けられて、何処にも行くことは出来ず、外から僅かに差す陽の光しか、私に安らぎを与えてくれない。
誰かに助けて欲しいと思った。でも、村の皆は、私に優しくはしてくれるけど、手を差し伸べてはくれなかった。この都市の人達もそう。今の私を見て、好奇な目や哀れみの眼差しをくれることはあっても、声を掛けたり、ましてや手なんか差し伸べてくれない。
……走っているのに手を差し伸べることなんか出来ないよね、と自虐的な笑みを浮かべてしまう。
死ぬことも考えた。でも、大事に育ててくれた両親の事を考えると、とても出来なかった。
「私は……! 自由に、なりたい!!」
枷をされていた足が痛む。だけど、そんなことは気にせず走り続ける。
道具としてじゃなく、ありのままの私を受け入れて平等に接してくれる、そんな世界を夢見て。




