第七章 「ミステリー」 電マー苦に死す
今回は少し趣向を変えてお届けします。R16くらいなので気をつけてください。
都内某所。あるビジネスホテルで宿泊客がチェックアウト時間を大幅に過ぎていたため、ホテルの支配人が客の部屋に入る。そこで奇妙な死体を見つける。
事件現場のホテルに入る刑事。
「被害者の死因は何だ!」
声を荒げて刑事の大川は部下の一宮に聞いた。
「...テクノブレイクです」
「テクノブレイクだと!!!!」
そう、被害者の死因は、局部に電動マッサージ器を当てた状態でベッドに拘束され、絶頂を迎えた後のショック死...つまり《《テクノブレイク》》だった。
「大川さん。犯行に使われた凶器の電マですが『lust』と書かれていました」
「なんだと...一宮、これはたぶん」
大川は唾を飲み込み、被害者を見た。ビジネスホテルのベッドの上で縛られた被害者は猿ぐつわ代わりのボールギャグを着けられて、目隠しもされていた。
「一見すると、マニアックな性行為がエスカレートしたように見えるが...これは見立て殺人だ!」
大川の推理には、ある巨こ...いや根拠があった。それは数日前のある事件だった。
被害者は大食い動画配信者A。Aはカップ焼きそばの大食いをしていて喉に焼そばを詰まらせて死んでいた。ただ...被害者の食べかけのカップ焼きそばには、マヨネーズで「gluttony」と筆記体で書かれていた。
「7つの大罪だ...しかも趣味の悪い犯人による見立て殺人だ」
大川がそう言い切る。すると、大川のスマホに着信があった。
「もしもし。大川だ」
大川が着信相手の話を静かに聞く。部屋はしばしの静寂に包まれいた。
「一宮。俺は次の現場に行く!」
「もしかして...」
一宮の予感は的中した。
「そうだ。被害者は、アニメグッズが所狭しと置かれたオタク部屋で、十数体のダッチワイフによって窒息死させられたオタクだ。そして、ダッチワイフには『greed』と顔文字付きで書かれていた」
この事件は現代を皮肉る愉快犯による連続殺人なのだろうか。果たして真相はいかに...
以上になります。
「最後まで書かなかった理由」
・書き始めは良かったが、徐々にトーンダウンするのでオチまで書けませんでした。七つの大罪をモチーフにした連続殺人は「セブン」が有名ですが、この作品は『現代の日本文化を皮肉るしがない会社員による殺人事件』という結末にしようとしました。
SNSでこの事件に鋭い推理を投稿してバズる投稿者。大川はこの投稿者の情報開示請求をして、ある名探偵と出会います。
ちなみに、この文章をChat GPTに校正してもらうと以下の指摘が上がりました。
文中で「ホテルの支配人」が「部屋に入る」とありますが、これはプライバシーの侵害になります。一般的にホテルの支配人はゲストのプライバシーを尊重し、宿泊者の部屋に入ることはありません。ホテルのスタッフが部屋に入る必要がある場合でも、事前にゲストに通知し、同意を得る必要があります。
・「デンマークに死す」という小説をもじったタイトルです。