『若者とツバメとプレスマン』
若者が、親の財産を使い果たしてしまい、黒プレスマン一本しか残っていませんでした。この黒プレスマンも親の財産にほかなりません。最後に黒プレスマンを残したところが立派な気がしますが、単に小さくてじゃまにならないからです。
一羽のツバメが飛んできました。口には一本の白プレスマンをくわえて。ツバメは、若者の前に白プレスマンを置いて、飛び去りました。
若者は、ツバメからの贈り物を中古プレスマン屋に売りに行きました。中古プレスマン屋は、白プレスマンと黒プレスマンのセットなら、高く買い取ってくれると言いましたので、若者は、もともと持っていた黒プレスマンも一緒に売ってしまいました。
しばらくして、若者に、速記の仕事が舞い込んできましたが、プレスマンを持っていない若者は、この仕事を請け負うことができず、飢え死にしてしまいました。
死ぬ間際、若者は、ツバメを恨みましたが、公平に見て逆恨みでした。
教訓:プレスマンを持っているだけでは、速記の仕事はできない。速記者にとってプレスマンは必要条件だが十分条件ではない。




