【閑話】頑張れ、自衛隊2
政府side
「なんだね、この報告書は、馬鹿にしているのかね!」
「まあまあ、総理、そう、いきり立たなくとも、それより、こちらには興味深い事案が、書いてあるよ」
「財務大臣、ゴミのことかね?捨てていいと許可を出した者も、わかっていないとは、どういうことだね!」
「そんなことは、どうでもいい‥‥」
財務大臣の説明によると、瓦礫や生活ゴミを毎日かなり捨てている。だが、捨てたゴミは、一晩ほどで、ほとんど消えてしまう。
「謎の電磁波の影響で、止まっている処理場の代わりなるのは、喜ばしいことだよ」
「確かにそうだが、環境については、どうなんだね」
環境大臣が、
「それについては、有害な物質は、何も出ていないと報告があります」
そして、財務大臣は、昨今の病気で、医療ゴミも増えているし、何より核施設がなくなったことで、原子炉の廃炉作業の費用がなくなったことは、国としても大きい。
「総理、全国の跡地を国の管理にした方がいい、いや、国で管理するべきだ」
財務大臣は、国の財政を担うものとして、当然の主張だろう。だが電気族という、電気事業者組合からの支援を受けている議員もいるのです。
自衛隊side
「自動販売機とは、どういうことだ」
副長は、そのままの意味だと答える。見つけた、隊員によると、下へ降りる階段とは、反対方向の奥まった部屋に入って、確認していたところ、突然、一部の壁から自動販売機らしきものが、出てきたらしい。
なぜ、自動販売機かというと、中央あたりに、カードタッチをする場所があり、自分のダンジョンカードをタッチしたところ、タッチした上に飲み物らしいものが映ったそうで、黄色の飲み物のボタンをおすと、下から黄色い飲み物らしい瓶が、出てきたそうだ。
今、目の前に黄色い液体の入っている、現在の技術だと、ややいびつな瓶がある。
「これが、自動販売機から出てきたのか?これを持ってきた隊員に異常はないか?」
「身体に異常は、ありません。ただ‥‥」
カードを使った隊員カードのダンジョンポイントが減っていたことが、判明したとのこと。
カードの機能が、だんだん明らかになってくる。レベル表示が出た者いる。最初、モンスターを倒すと、カードを受け取れる。そしてモンスターを倒していくと、レベル1と表示される。ポイントについては、最初から表示されていたが、使い方がわからなかったが、今回自動販売機に使えることが、わかった。
「それでは、この瓶は研究施設に送ろう」
「わかりました」
「そう言えば、モンスターの調査は、どうなっている」 「はい」
モンスターについては、倒したものは、一定時間で、消えてしまうことがわかっている。消えても、アイテムなどは残さない。人が運んでいると消えない。ダンジョン以外だと消えないらしい。
解剖すると、モンスターの中には、毒を持つものもいることがわかった。我が隊には、毒の犠牲者はいなかったのは、本当に幸いだった。
さらに、モンスターの胸のあたりに、小指の先ほどの楕円形の結晶、魔石らしきものがあり、研究室の方からは、もっとサンプルが欲しいと言ってきた。
拠点はに、プレハブの建築もしている。オブジェを隠す意味合いがある。やはり、モンスターを倒すとカードを受けとる資格を得ているのだろう。
副長と話していると、いい匂いが漂よってきた。
「もう昼か」 「新作が、あるそうですよ」
「この匂いは、肉か?最近では珍しいな」
「未確認情報ですが、養豚場や牧場がUMAに、襲われる被害が出ているようですね」
「UMA?」 「具体的にいうと、ゴブリンのようだと」
「ゴブリンに、魔石か?ますますダンジョンのようだな」
「そうですね。それで、新作は、どうします?」
「もちろん、いただこう」
副長が持ってきたのは、缶詰レーションと、焼きたてのステーキとスープ。
とても、美味しかった。スープも、濃厚で、とても深い味わいがある。ステーキは、何の肉か、わからないが、今まで食べたことがないものだが、満足のいくものだったら。
「隊長、どうでした?」
「満足したよ。何の肉か、わからないがステーキも絶品だな」
「それは、良かったです。私も最初は抵抗がありましたが、栄養価も高く、上としても普及させたいと思っているようです」
「ほお、何の肉だ?」
「ダンジョンモンスターです」
ブーッ! 飲んでいた、お茶を吹き出した。
「本当に、吹き出すものなんですね」
のんきな声がくる。ふざけるな!‥‥
だが、確かに旨かった。それに、研究室の方でも、上からダンジョン活用法を模索するように言われているらしい。
一応、大規模地下構造物と公式にはなっているが、我々は、普通にダンジョンと呼んでいる。
現在の日本は、食料事情が悪い。地震と、それに続き、謎の電磁波の影響で、電気機器が、うまく使えないことは予想以上の打撃になっている。
実際に、自衛隊のほとんどは、国民支援に動いていて、人員が足りなくて予備自衛官も召集しているくらいなのだ。
政府としても、ダンジョンを資源として活用したいのだろう。
とりあえず、自動販売機で、売っているものは、確保しておこう。