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5 スカウト

 「あっ、え?はい」


 声をかけてきたのは、同じ班で一緒だった、派手目で背の高い女性、金森さんだったかな?


 やっぱり、にらんでるのかな?無言だし。


「ああ、いたいた、いずみちゃん」と、ちょっとガタイのいい男の人がやってきた。


「お!君、竹本君だっけ?ちょっと話いいかな?」


 え?何?と、考える間もなく

「まあまあ」と呼ばれて、ついていった。


 意志が弱いかもしれないが、公共の施設で、おかしなことにはならないだろう。

でも、なんの用なんだ?


 食堂に着いて、男女3人が、座っているテーブルに座る。


「まあまあ、座ってくれ。君に相談したいことがあるんだ。戸田ちゃん飲み物いいかな?」

「はいは~い!」


 座っていた女性のが、席を立つ。金森さんと、一緒に行くようだ。

 オレが席につくと、先に座った男の人が、


「ぼくは、黒崎って言うんだけど、竹本君ていうんだって、ここの寮に入るんだよね?」


 「え?ああ、はい、そうですが、何か?」


「いや実はさ、ぼくは、製作プロダクションのものでね、ダンジョンで、番組を作ろうと思っているんだよ。」

 と、名刺を出してきた。

 名刺には、黒崎利夫とあった。


 「そうですか、でもスタッフとか人は、集めているんじゃないんですか?」


「いや、そうなんだけどね‥‥」


 黒崎さんの話によると、運動神経のいい体力自慢を集めたらしいけど、試験で虫や爬虫類が、苦手であることが発覚して、ダイバー試験に落ちてしまったらしい。


 残ったのが、製作プロダクションの黒崎さんとカメラマンの山下さんと、3人のタレントの女の子たちだけらしく、荷物持ち兼ガードとして、人材が足りないということで、ダンジョンの寮に住む予定の、オレに声をかけたそうだ。


 何で、オレなのかというと、もともと最初から寮に入ってまで、ダンジョンに通う人は少なく、女の子たちを見る目が、不自然じゃないから、らしい。

 単に、試験中は緊張しないように、女性のことを見ないようにしてただけなんだけど。


 あと、金森さんから何度かモンスターから助けられたから、とか言われても、ダンジョンで、モンスターが襲ってきたら倒すでしょ。


 てか、クローチがぶつかったのは、金森さんだったのか、意識してなかったけど、


「で、どうかな?」


 考えたら、ダンジョンに入るなら班、つまりパーティーを組むことは推奨されているから、ソロより危険も少なくていいかな?

ということで、

 「それは、バイトということでいいんですか?」


「お!OKってことでいいかな」


 「ただ、アパートの解約に一度帰らないといけないんだけど、大丈夫ですか?」


「それは大丈夫、ウチらも一度戻るつもりだったから、実はスポンサーに、ワークナウがついてるから、ダンジョンウェアの試作品を回してくれることになってるんだよ。」


 それはかなり凄いことじゃないの?


「黒崎さん、一人で話してなくて、皆を紹介してよ」 「そ~よ~」


 と、さっき飲み物を持ってきてくれた、戸田さん?だっけ、と、もう一人、金森さんと違う女性が声を上げる。山下さんは、笑いながら見ている。


「悪かったよ、つい話しが弾んでね。竹本君、こっちのうるさいのが、戸田カナミ、その隣が倉橋エイミ、で、竹本君と同じ班だった南戸いずみ、彼女たちの今のは芸名になる」

「ひど~い!うるさくないよ!」 「はいはい」戸田さんのクレームを黒崎さんが、スルーしている。


 戸田さんは、かわいい感じ、倉橋さんは、淑やかそう、金森いや、南戸さんは、やっぱり、ちょっと派手な感じだが、皆キレイだなぁ。

 彼女たち3人が、ダンジョン中継主演になるんだろう、山下さんは、ケンジというらしい。

 

 山下さんは、カメラマンということで、謎の電磁波の影響を受けずらい、フィルムのカメラを使うらしい。ワークナウの他にも、いくつかの企業や研究施設の支援があるらしいので、ダンジョン関連の新しい技術や魔道具が、手に入ったらボーナスも夢ではないと言う、夢が広がる話だが、オレとしては、まずは、ケガなく生活を安定させたいと思っている。


 黒崎さんと連絡先を交換した。ダンジョンカードとスマホを重ねるとダンジョンから出ている謎の電磁波が出ているときでも通信出来るようになる。


 ちなみに、「免許を持っているか?」と、聞かれ、「もちろん持っている。」と答える。

 東京近県とはいえ、鉄工所勤務には、少なくとも普通車免許がなければなければ、仕事にならないと言われ、高校卒業までには、取ったものだ。


 もちろんマニュアルでだ。職場のトラックがボロい古いタイプばかりだったから都合が良かった。

 

 黒崎さんは、車で来ているので、方向が同じなら乗せてくれるというので、聞いてみたら、同じ方向なので、運転席に招待された。


 黒崎さんは、オートマ限定、女の子たちは、あっても原付き、山下さんは、マニュアルだが、一人で、運転はキツイらしい。


 地震と電磁波で、なかなか道の復興も進まないので、運転にも気を使うそうだ。


 黒崎さんが、助手席で地図を見ながらナビゲーションしてくれる。


 車を走らせながら、黒崎さんと話たら、ダンジョンは、今のところ日本にだけあるようで、外国では、かなり話題になっているそうだ。


 沖縄は、電磁波の影響がないので、日本の玄関口になって、外国から人が集まって混乱して大変らしい。


 やっぱりダンジョンだからか、と思っていたら、実は、ゴミが消えることが問題らしい。


 オレには良く、わからないけど、どんなゴミや瓦礫も一晩で消えるのは、凄いことで、ゴミ処理の費用が大幅に減るだけで、国としたらかなり助かるそうだ。


 




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