2 予備自衛官試験2
講義は、教官のあいさつから、始まった。
「自分の名前は、石上、階級は、三等陸曹になる。対ダンジョン予備自衛官に合格した者は、これから長く付き合う者もいるだろう、よろしくたのむ」
ダンジョン講義をする教官は、実際に、ダンジョンに入っている、現役だそうだ。
まず、朝からの試験は、ダンジョン内で、落ち着いて行動出来るかを見たそうだ。
動物や虫については、人によって好き嫌いがあるため、ダンジョンのモンスターの、対処反応を見るためらしい。
ダンジョンの種類は、建物タイプと洞窟タイプ、フィールドタイプがあるらしい。
この試験会場の合格者が、講習で入るダンジョンは、洞窟タイプということだ。
外観は、真ん中のに洞窟や建物のダンジョンの入口があり、その周りに空堀があって、真ん中の入口まで土手が橋のように道が続いているとのこと。
イメージとしたら、城のまわりに空堀が、掘られてる感じってことかな?
さらに、橋の外側には、立派な門と付属するように、石の建物があるらしい。
ダンジョン内は、光る苔や光る石があるが、薄暗く、影も多いため、常に周りに気をつけること、仲間のダイバーを間違えて攻撃しないこと、など教わる。
雑談で、ちなみに、なんでダイバーなのか、
「普通は、冒険者や探索者がイメージされるが、政府与党の幹部が、イメージ悪いから、ダンジョンに、潜るなら、ダイバーの方が響きがいい」
ということで、ダンジョン・ダイバーに、なったらしい。
モンスターについては、ネズミ、カエル、ゴ○ブリ、が一層、二層、三層に、ランダムに一種類ずつ出るモンスターだ。
それぞれ、ダンジョンラット、ダンジョンフロック、ダンジョンクローチと言う、
名前なんて関係ないと、教官は笑う。
スライムやゴブリンがいるのか、質問がとんだが、教官は、笑って「スライムは、確認されていない」と、返して笑っている。
ゴブリンは、いるのだろうか?
武器については、ナイフと、特殊警棒が、貸し出されるらしい。
ボーガンを使っていいかと、質問があったが、ダンジョン実習に持ってくることは、いいらしい。
実際に使えるかは、現地での判断するそうだ。
服や防具についても、隊服、ボディアーマー、ブーツも、貸し出される。
銃器は、使えないというか、貸し出さないそうだ。いろんな意味で危険だからだ。
ここで、昼休憩になった。
弁当と缶のお茶をもらった。今は、缶のお茶は、ちょっとした貴重品だ。
しかも弁当は、唐揚げ弁当!肉がある、うまい!なんの肉か、わかんないけど。
いかん、涙が出てきた。
昼休憩の次は、簡単な、健康診断と、体力測定
オレは、可もなく不可もなく終わる。
講義の最後に、教官からは、なんでこんなに急いでいるか、説明された。
ここのように、日本各地で、同じように試験が、行われている。
それは、ダンジョン浅層のそれより強いモンスターが、日本各地を荒らしているそうだ。未確認だが、ゴブリンらしきUMAで、人は、もちろん養豚場や牧場、動物園にも被害が及んでいて、自衛隊本隊は、そちらに集中すために、対ダンジョン予備自衛官試験を急いでいるとのこと。
そんなことになっているなんて、想像もしてなかった、他の人たちも、はじめて聞いたのか、顔を青ざめている人もいる。
これは、安全のためにも、受からないと。
帰りかけ、寮のことを聞いてみると、
次の、ダンジョン実習が終わらば、入れるとのこと、入寮の冊子もらって帰った。
寮は、プレハブ造だが、三階建て、トイレは、各階に一つづつ、基本一人部屋で、男棟と女棟があり、間に食堂、風呂、つきの管理棟がある。ダンジョンの入り口付近に、対ダンジョン予備自衛官事務所があるらしい。
部屋には、冷暖房があるらしいが今では、キチンと使えるかわからないから、防寒着も、持って行こう!布団は、かさばるから、寝袋でいいか、鍋や食器は、前の職場の社長からもらったものでいいか。
念のため、軍手や皮の手袋も、持って行こう。
ヤバい、遠足前の小学生みたいになってる。