7 事情聴取
企業名、その他、名称は、想像のもので、実在ののものとは、関係ありません。
ん?朝か、えーと‥‥あっ、そうだった。
ダンジョンから出て、とにかくポーション飲んで、それからひっくり返ったんだっけ?
考えていると、ガラリとドアが開いた。
「あら、お目覚め、体調はどうですか?」
看護士さん、入院してるのか?そういえば、点滴もしてるな。
「はい、大丈夫です」
それから、検温、診察をして、 食事を取り、落ち着いたところで、ギルドの方から、事情聴取したいと伝えられた。断れる訳もないので了承した。
事情聴取は、病室で行われた。呼び出されるのかと思ったが、昨日の今日ということで、配慮してくれたらしい。
正直、怒られたりするのか、内心ヒヤヒヤしていた。
病室に来たのは、数人の職員とスーツを着た人物だ。
簡易的な机とパイプ椅子が持ち込まれ事情聴取が始まった。
まず、スーツの人物があいさつしてくれた。
「はじめて、お目にかかる。私は、田所、このギルドの責任者をしている。まぁ、この茨城ダイバーギルドのギルド長という肩書きを拝命している」
うわっ、いきなりトップが来た。一気に緊張感が増す。あいさつが終わり、職員の人から、今回の経緯を聞かれる。
どのような装備、武器、行動、目的、何が起こり、どう対処したのか、など、微に入り細に入り、質問してくる。
スコップを無くしたことを謝ったが、命を守るためならば仕方ないことだと、気にする必要はないと言わる。
長い事情聴取は終わる。自分のソロの活動やダンジョン内の行動については、軽い注意やポーションなど使える物は、すぐに取り出せるような場所に持って、いざというときは躊躇なく使い、生きて帰ることを最優先にするように言われることにとどまった。
今回は、一層に他のダイバーがいなかったのは、本当に運が良かったのだと、いつもこうとは限らないことを考えて行動するように厳命された。
最後に質問はないか?と、言われて、今回のモンスターの大量発生について聞いてみたが、
「実は、ダンジョンについては、まだまだわからないことだらけで、モンスターについても調査中の案件が多々ある。今回起こったことや、君の行動にポーションを飲んだときの身体の状態の検査結果、これらはダンジョン攻略に有意義な資料となる、もちろん人命は第一だが、無茶無く安全にダンジョンを探索してもらいたいと思っているよ」
と、笑顔で返された。つまり、ダンジョンて思っていた以上に重要なのかもしれない。
「何を考えているんだ!誰が命をかけてまでロケハンしろと言った!」
翌日、退院したあと、黒崎さんに叱られていた。
「そもそもポーションを自分で取ってくる必要ないだろ!スポンサーもついているんだから、経費で落とすこともできるんだぞ」
「はい!すいません」
「まあまあ黒崎さん、竹本君も反省してるし、退院したばかりなんだから、それに詳しい説明無しに、仕事振られたら勘違いするよ」
山下さんの取り直しで、なんとかお説教も終わり、ダンジョンについてのミーティングが始まる。
「竹本君、ケガ大丈夫?」
「心配したよ~」
倉橋さんと戸田さんが声をかけてくれた。
「ありがとう、心配かけました」
と、頭を下げた。金森さんは、黙ってこちらを睨んでいる。やっぱり怒っているのかな?気づかない振りしてイスに座る。
場所は、ギルドの小会議室。知らないスタッフも数人いる。
黒崎さんから各自、自己紹介していく。初顔合わせの人達は、地上のサポートスタッフとワークナウのダンジョンウェアの開発スタッフらしく、ワークナウの責任者が、あいさつをする。
「ワークナウ、ダンジョン開発部の鈴木透です。今回は、試作のウェアを持ってきたので、試してみて下さい」
なぜか、パステルカラーのシンプルでいて、スタイリッシュなデザインの女性用のウェアに、男用なのか、ワークナウのカジュアルアウトドア用のようで、ゲームに出てきそうな物がある。
ついたてが、用意され男女に別れて試着していく、インナーには、ところどころチェーンメイルが、縫い付けてあるらしい。
そのあと、ウェアを着て、ブーツを履く、ワークナウの安全靴が元になっているのだろうオレにはしっくりくる。
ボディーアーマーをモトクロスや軍用防弾スーツのメーカーで共同で試作して、軽量で小型のヘルメットをバイクヘルメットのメーカーアラキで、武器類を金属加工の村本製作所、ベルトや武器のホルスターも一流どころを揃えている。
これ、かなり大きなプロジェクトじゃないの?
ちょっと場違いな感じに怖くなって、黒崎さんに、オレで本当に、いいのか聞いてみたが、実のところ、女性陣以外にも、男性タレントや若手芸人、俳優の卵もダイバー試験を受けたが、合格者がいなかったのは、大きな誤算らしく、女性陣を変な目で見てなかったオレに話を持ってきたそうだ。
現代社会、虫、蛙、ネズミ、予想以上に嫌いな人が多いみたいだ。女性の方が、いざというときは強いのだろう。




