空白
私の幼少期の実体験です。
フィクションホラーのような心ハラハラする展開はありませんのでご了承願います。
私が子供の頃住んでいた関西のある村での出来事です。もしかしたらあの時いた人がこの自叙小説を読むかもしれませんね。
私が住んでいた村は古くから住む人と、結婚、出産をきに夢と希望をもって移り住んできた人達で構成されていました。
私の親も他県から移り住んできた夢と希望あふれる人の中の1組でした。
移り住んできた人は自分達がこの村を活気ある場所にしようと団結する素敵な人達の集まりでした。
そんな村である時、新しく移り住んできた家族が購入した物件の大規模リフォームをするとのことで
村にいる大工、解体屋を筆頭に手伝いをすることになりました。
しかし、1から建て直した方がいいのでは?
ということになり
まず取り壊し作業から入ることになりました。
お金の話は当時小学生だったのでわかりません。
リフォームは土日に行われることになり、父親に
「お前らも瓦礫どかすくらいできるから手伝いにこい。」
私たち兄弟に父親がめんどくさい提案をしてきました。
渋々手伝いに行くと、私たち兄弟と同じように連れてこられた近所の子供達が数人いました。
お前らもかよーと手伝いなどせずに遊んだり談笑したりしていました。
時間も経ち私たちが飽きてきた頃、大工のおじさんが疑問を持ったようで
「なんかここおかしいなー、、、」
私たちはその言葉に即座に反応して近づきどうしたのか?と聞きに行くと
「いやな、ここ基礎ゆーのが下にあんねんけど、どーにも高さがめっちゃ高いねん。
もしかしたらここひっぺがしたらなんかあるかもしらんなー。」
なんとも子供心をくすぐる言葉である。
私たちはなんかあるん?と矢継ぎ早に質問すると
「そんな君らが喜ぶよーなもんやあらへんよ笑。
昔の大工の人らは基礎作ったらそこにゴミとかぶち込んで、その上から床をはめて隠してたことが弱あったたねん。これは多分それやな。
こんだけたこしてる事は、なんやでかいもんいれまわっとるんやしらんわ。
そん時は君らの出番やの。」
なんとも拍子抜けするおじさんの言葉に私たちは落胆しながらも、昔の人たちが捨てたゴミとゆうものに興味がわき近くにいました。
そうすると解体屋のおじさんが重機にのって、危ないからどきなやーと言いつつ
バキバキバリバリと板を破壊していきました。
その迫力に私たちは口をあんぐり開けて見ていました。
そして剥がした後に私たち子供と大工さんたちが覗き込んだその時。
「あかんあかん、これはあかんぞ!君らは見るな!」
大工さんが叫びます。
近くにいた大人たちがこっちへ来るな!と叫びながら抱きかかえて離れようのした為
私たち兄弟含む数人はそれをくぐり抜け、ひっぺがした場所を見に行きました。
見るな!と言ったモノを見た時私たちは声がでませんでした。
墓がありました。
そこには名前の彫られていない墓石
その向かって右におよそ30㌢程の角木が刺しており、
その前には水入れに使っていたであろう器が転がっていました。
その墓石と角木からは異様な雰囲気を放っていました。
固唾をがぶ飲みしたのはあれが初めてでしょう。
わたしを含めみんなが呆けている時大人達に抱えられてその場を離されました。
こんなものがあっては工場どころではない為中断。
その持ち主の家族達は私たちのために買い出しに行っていた為おらず、帰りを待つことになりました。
私たち子供には絶対誰にも話すなよ。深く鍵を刺されました。
その後すぐこのことについて緘口令が引かれることになり、一切他言無用。
それが守られたのは村ならではなのでしょう。
この話をする人を私は誰も見たことがありませんでした。
その後その家族は別の場所に新しく越すことになり、墓のある家はそのまま放置されることになりました。
それから数年後。
あの墓のある場所に新しく家がたち、新しく移り住んできた家族がすみました。
あの話は誰もしてないのでしょう、
もししていたらそんな場所に建てるはずもありませんからね。
その家の住人は私が村を引っ越すまで2組の家族が移り変わっています。
当時はあんなとこやから仕方ないのだろうと思いましたが、大人になった今思うと
マイホーム購入後、ローンも残っているであろう時に全て手放して引っ越すというのはとてつもない労力とお金を要するはずなので、そこまでしてでも離れたい事が起こったのだと思うと寒気がします。
あなたの住む家、ご実家の下。
そこにはもしかすると何かあるかもしれませんね。