60話「旅支度」
翌日からは3人に専属の人が付き初歩的なスキル等を教える事となりバラバラに行動する様になった。
俺はというと、実力が示されたという事で自由に王城内での活動は許された。
「ん~」
一人という事はありえないようでマリアが俺の付き人という感じで後ろに数歩下がり引っ付いてくる。
が、問題は言語が互いに通じず黙っている状態が続く。
俺が歩けば、彼女が歩き始め。
止まれば数歩後ろで止まる。
非常に気まずい雰囲気である。
ふと、王城の高い位置から城下町を眺める位置に来て波紋状に広がる光景を目の当たりにする。
『×××××』
マリアが俺の隣に来て一言言葉を発するが何を言ったのか理解出来ない。
『××!』
何か謝っている様だが、何に謝っているのかも理解出来ない。
そして黙ることとなる。
まずは、単語の習得からの様だ・・・。
「マリア、これは何だ?」
『×××』
俺はマリアを呼んで王城内にある至る物について指差し問いかける。
ソレを察してかマリアは答えてくれる。
「イ×?」
『イス』
「テーブ×」
『テーブル』
「スプー×」
『スプーン』
「フォーク」
『はい!』
身近なものから順々にこの世界の言語で何度も繰り返し発音をする。
「ワイ×」
『ワイン』
「テーブルクロ×」
『テーブルクロス』
・・・
・・・・・・
何となく言語が分かり始めてきた様だ。
マリアも根気よく俺に付き合ってくれている。
「おやすみ」
『お休みなさいませ』
今日一日で城内にある物の単語はある程度理解した。
言語習得の日々が1週間以上続いていく。
『アオイさん、最近この世界の言葉が話せるようになったそうですね』
週に一度全員で応接間で集まり互の進捗を話し合う場を設けていた。
「殆どは習得できたぞ。恐らくこっちの言葉で話している筈だ」
『俺らには同じに聞こえるからなぁ』
『音がズレて聞こえる様だけど分からないわ』
さすが異世界言語翻訳スキルだな。
俺の努力が無に帰る程にな。
「お前たちの進捗はどうだ?」
『僕は剣士の初歩スキルを会得しました』
『早っ!俺は自身の魔力が全然感じられなくてお手上げ状態だぞ?』
『私も・・・まず、体の中にある魔力を感じ取ってから始まる様なのよね』
『魔力・・・僕たちの世界にはありませんでしたからね・・・アオイさんは魔法使いでしたよね?』
「あぁ」
『何かコツとか有るんですか?』
「魔力についてなんて教わったんだ?」
『魔力は体内にあるエネルギーだと』
『感じるには心を落ち着かせて内なる力を感じ取ると言われてたわ』
「・・・2人の指導者は感覺派って奴で分かっていないらしいな。2人共手を貸せ」
『おっ!実践的な奴か?』
『わかったわ』
右手はアキヒサの左手を、左手はウミの右手を握る。
「2人も手を合わせて輪を作るんだ」
『『え!?』』
「どうした?」
『いや、なんつーかさ』
『恥ずかしいというか』
「嫌なのか?」
『嫌じゃないんだけどよ』
『う、うん』
思春期ってやつか?
『じゃ、僕が間に入るよ』
『分かったわ』
『なんでハルヒコなら良いんだよ!俺の事嫌いなのかよ!!』
『いや、ハルヒコなら安心できるというか』
『くそぅ!』
『なんか、ゴメン』
『いいから繋ぐぞ!』
『うん』
俺→アキヒサ→ハルヒコ→ウミ→俺という輪が出来上がる。
「今から、右手から俺の魔力をお前達に流し込んで左手に戻ってくる様にするからな。感じとってみろ」
スッ
『あ・・・なんだか左手が暖かくなってきた感じが』
「なんもしてないぞ」
『え?』
「冗談だ」
『アオイさん冗談キツいっすよ』
「魔力を上げるぞ」
『うぉっ!全身が急に暖かくなって来たぜ』
『あ、アキヒサから暖かい感じが来たよ・・・すごい、これが魔力なんだね』
『ハルヒコから暖かいのが流れ込んできたわ・・・』
「よく感覚を覚えておけよ」
フッ
魔力を流し込むのを止める。
『すげぇ、まだ暖かいぜ』
『これって魔力が残っているんですか?』
「俺の魔力が残り続けているだけだ。時間が経てば消える」
『あっ!何だか私の中に何かを感じたかもしれないわ』
『・・・う~ん。違和感みたいな物があるような』
『お風呂に入っている感じかな?』
「あとは瞑想とかも有効的だ。静かな場所で自身を見つめ直せるしな」
『頑張ってみるぜ』
『アオイさん、ありがとう』
「気にしないでくれ。取り敢えず、今週の進捗はこんな物か?」
『その様ですね。夜も遅いので部屋に戻りましょうか』
『おうよ!』
『お休みなさい』
「あぁ」
・・・
・・・・・・
2週間、3週間が瞬く間に過ぎていった。
演習場に集まり各々の成果を見る日がやって来た。
「炎の精霊よ、我が魔力を糧に力を貸したまえ!ファイアーボール」
ボワッ
アキヒサの手からソフトボール大の火の玉が浮かび上がる。
「アキヒサ凄いよ!」
「たったの3週間で魔法が使えるようになったようね」
「結構苦労したんだぜ」
『フォッフォッフォッ。アキヒサ様の努力は並々ならぬ物がありましたぞい。素質ある者でも1ヶ月以内で魔法を発現する事も難しいのですからな。さすが賢者様ですな』
「褒めるな、アレキさん」
アキヒサに魔法を教えていたのは王宮魔法士の長となるアレキであった。
召喚の際に王女の後ろに控えていた爺さんだ。
「次は私の番ね。ヒールは使えるけど怪我をしていないとダメだから。光の精霊よ、我が魔力を糧に力を貸して。ライトボール!」
ホワッ
ウミの両手から光の玉が浮かび上がる。
『さすが、私が教えただけはありますね』
ウミに神聖魔法を教えているのは王城にある教会から派遣されているシスターのイブだ。
『ヒールもたったの2週間で会得しましたので、さすが聖女様だけはあります』
「イブの教え方旨かったからよ」
「有難うございます」
「最後は僕だね。一閃!」
ブゥン
一定方向に魔力の篭った剣を振るう。
振るった時に空気の震えを感じる所を見ると普通とは違うようだ。
「僕のは魔力を上乗せする事によって筋力とかが上がって結果威力に繋がる物なんだって」
『いやはや、私が教えてきた中でこれほど上達が早い者は居なかったですぞ』
プレートアーマーを身につけた武人はアキヒサに剣を教えた王国一腕が立つ軍団長のルーエルだ。
「して、アオイ殿の成果はあるのですかな?」
「冗談。普通に話せているだろう?」
「ホッ!いやはや普通の事過ぎて忘れておったわい」
「たったの3週間で私たちの言語を習得したのですか・・・それはそれで才能ですね」
「マリアが付ききっりで嫌な顔をせずに教え続けてくれたからな」
「マリア殿も根気よく教えた甲斐があったようですな」
「残り1週間はどうするんだ?技を極めて行く方針か?」
「いや、ワシ等の出番はここまでじゃ」
「残りは旅に対する訓練だそうです」
「「「訓練?」」」
「教えてくれるやつは?」
「たしか王女殿下護衛騎士だったな」
「お主と戦った相手じゃよ」
「私達では教える事は出来ませんので悪しからず」
「旅の訓練って具体的に何をするんですか?」
「行軍を縮小した物だな。テントの設営、交代での火の番が上げられる。詳しくはクルルー殿に聞いたほうが良いだろう」
「分かりました。ルーエルさんご指導ありがとう御座いました」
「最後まで礼儀正しき少年であったな。若者である君達に大役を任せてしまって申し訳が無いと思う」
「アレキの爺さんも有難うっす」
「ヒョッ!久しぶりに聞いたかのぉ」
「シスター、今まで有難う御座いました」
「いいのですよ。貴女は貴女の役目を全うして下さい。我が祖国にて聖女としての力を授かって下さい。皆様に神のご加護があらん事を」
ルーエル、アレキ、イブの3人とは別れて俺たち4人は旅の訓練をする為、場所を変える。
「3人とも見ない内に立派になった様だな」
赤髪を短く切り、整った顔立ち、青い瞳が力強さを表し、鍛え抜かれた肢体を持つ女騎士。
「貴様、如何わしい目で私を見るとは」
どうやら俺との相性は悪いらしいな。
「そんなに俺と互角に渡り合ったのが悔しいのか?」
「貴様・・・言葉が分かるのか?」
「これでも頑張ったからな」
「言葉なんぞ、赤子でも覚えられるぞ!」
一つの言語を覚えた後に異なる言語を覚えるのは難しい事を知らないようだ。
「それで、旅に対する訓練だったな?」
「仕切るな!皆にも改めて自己紹介するが王女殿下護衛騎士のクルルーだ」
「「「よろしくお願いします」」」
「ふむ。貴様は教えを請うのに礼儀という物を知らないようだな?」
3人が頭を下げる中、俺は立っていただけだ。
「これでも冒険者の端くれ、旅でのイロハは知っているつもりだからな」
「ほぅ、では。貴様には教えなくても良いって事だな?」
「それとこれとは話が違うだろう?王様からは俺たちに旅に対する訓練を教えるのがお前の仕事なのだろう?命令違反は王に対する侮辱と告げ口しても良いんだぞ?」
「くっ!」
何にも反論ができない様だな。
「教える事はしよう。だが、貴様の実力という物を知らなければ正せない。アソコにあるテントを一人で設営して見せろ」
クイッと後ろ指で指されたのは一人用ではなく数名分が入れる大きさのテントだ。
「旅は馬車での移動になる。折りたたみが出来るテントでの野営を想定されているからな」
「旅は必要最低限の物しか持たない決まりでな。テントは旅人や冒険者は持ち歩かないんだがな」
「ほぅ、たてる自信が無いと?」
「テントをたてている時間が有れば別の事をした方が効率的という事だ」
「屁理屈を立てるな」
「分かった。やって見せればいいんだろう」
折り畳まれたテントを前に行く。
パサッ
パサッ
まずは折りたたまれたテントを広げ、骨組みが何なのかを見続ける。
・野営テント(5人用)
丈夫な布で出来ており雨風は凌げる程度のテント。
骨組みは鉄で出来ている為、耐久性はある。
ランク:ノーマル
品質:1
「仕組みはこんな物か」
誰でも簡単にテントが建てられるように改良されているのか、骨組み等は最小限かつパーツ類は少ない。
後は理解した通りなのか確かめるまでだ。
ザクッ
ザクッ
まずは地面にテントを支えるのに必須な鉄芯を突き刺す。
次に屋根を固定する鉄の棒を鉄芯に嵌め込んで固定する。これが梁の役目を果たす。
バサッ
テント本体である布を骨組みに被せていき、各所にあるロープを引っ張り、アンカーで地面に固定してテント内部の広さを確保する。
「こんな物だろう」
わずか5分で野営テントは完成した。
「これで良いか?」
「ご苦労だな。だが」
ガッ
イィイイン
クルルーは鉄芯を思いっきり蹴る。
「ちっ」
見た目以上に地面に深く刺した鉄芯が倒れるわけ無いだろう。
「初めにしては及第点だ」
「不備でもあったか?」
「ロープの張りが均等ではない。これじゃ横からの衝撃には耐えられないぞ?このアンカーも角度が甘いから直ぐに抜ける」
「そうか」
「やはり部外者に任せておけないな。お前たち、私の動きをよく見ておくんだぞ」
クルルーが一度テントを折りたたんだ状態に戻し、テキパキと設営をし始めた。
「これが本当のやり方だ」
「そんな簡単に覚えられないぜ」
「結構覚える順序がありそうだね」
「とにかく実践あるのみね」
3人は悩みながらもテント設営について学んでいく。
この調子で旅に必要な知識を吸収していった。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
ワァアアアアア
馬車に乗った俺達は左右の歩道に埋め尽くされた人々に見送られながら進んでいる。
魔王討伐の大役を担った勇者の見送りに王都にいる住民が集まったからである。
ハルヒコ、アキヒサ、ウミの3人はお披露目という事で御者の後ろに立って手を振ったりしている。
御者は当然ながら俺がしている。
唯一馬を操れるという事で抜擢された。
パカラパカラ
2頭引きの幌馬車で勇者一行の旅は始まった。
ゆっくりと馬を歩かせて王都の中央門へと進めていく。
1時間以上に渡ってゆっくりとパレードを進み俺達は出て行った。
「やっとスタートラインだね」
「俺達って結構人気あるっすね」
「それもそうよ。私達は人類の希望なんですから」
「アオイさんお疲れ様です」
「気にするな」
「御者の経験があると嘘かと思いきや様になっているじゃないか?」
俺たちの幌馬車にはククルーが単独で馬に乗り横を歩かせている。
王の命令でククルーは勇者一行の世話係兼護衛を任命された。
王女護衛の任を解かれた彼女は不満になり王に理由を聞くところまで至った。
勇者一行の旅は過酷である事は確かな事だ。
ただの使用人程度では過酷な旅は耐えられない為、鍛え抜かれた騎士から抜擢されたのだった。
まだ世間に不慣れな勇者達は未熟故に王国の中で女騎士の称号はククルーだけしか持っておらずウミに対して世話も護衛も出来る人材が一人しか居なかったと語る。
また、王女殿下からも説得されてククルーは命令を受ける事となった。
「商業都市へは3日間かかる。この調子では隣町までは夕方頃に着くな」
昼頃のパレードスタートにより今日の泊まる場所は遅くにチェックインする事になりそうだ。
ガタガタガタ
後ろの荷台では3人はまだパレードの気分が冷めないのか楽しそうに話し合っている。
「貴様は実に惜しいと最近は思い始めた」
急に俺のことを褒め始めたが、悪い物でも食ったか?
「最初は傲慢な態度で偉そうに言う御仁かと思えば、魔法使いなのに私と互角に渡り合い3人にアドバイスを自主的にしてくれている。旅にも慣れている所をみると頼もしく思える」
「それはどうも」
「アオイ殿、これからの事よろしく」
「あぁ」
ガラガラガラ
数時間に及ぶ長い舗装されていない道を進み、最初の目的地である町に到着した。
「着いたぞ」
町といっても王都ほど活気があるわけではなく、周囲に柵で囲ってあるだけの物だ。
東西の出入り口の簡易チェックがある位で商業都市と繋ぐ道沿いに作られている特徴の無い場所だ。
「なんだか退屈な旅っすねぇ」
「仕方がないよ」
「腰が痛いわ・・・」
舗装されていない路面をガタゴトと揺れ、常に振動が俺たちを襲い続けている。
ただ座っているだけで小さなダメージを負っているのだ。
「この1ヶ月でアキヒサの性格が変わったか?」
初めて会った時より砕けた感じになったような・・・
「こっちが地っすよ。俺、自毛が茶髪だから悪くみられちゃうんっすよ。あと舐められないように演技してたっす」
「そうだったのか」
「コッチに来てから開放されたって感じで清々しい気分なんすけどね」
「その方がいいと思うぞ。感情を抑制し続けていたら精神がダメになるからな」
「うっす!」
町の大きめな宿にとまり、ククルーの馬と幌馬車を馬屋に預けてチェックインする。
『いらっしゃいませ。騎士さま、本日はお泊りで?』
「うむ。5人なんだが部屋は空いているか?」
『はい。大部屋か2人部屋や4人部屋等が空いております』
「2人部屋と4人部屋を1部屋ずつだ」
『畏まりました。1泊50,000ユーロンで御座います』
「うむ」
チャリリィン
銀貨5枚がカウンターに置かれる。
王から旅の資金として金貨15枚と銀貨250枚がククルーに渡されている。
『確かに受け取りました。コチラが鍵でございます。くれぐれも紛失しないように注意願います』
「あぁ」
2つの鍵をククルーが受けており、一つは俺に渡された。
「3人部屋だ」
「あぁ」
「ククルーさん、これから如何しますか?」
「ここにも雑貨屋はあるだろう。そこで日用品を買う。着替える服も必要であろう」
王都では日用品を買いに行くという暇が無く、旅の途中で調達する形となった。
「俺は一足先に休ませて貰う」
「アオイさんは服とかどうしますか?」
「次の町でいい」
「貴様、明日もその格好で旅を続けるつもりか?」
「貴族との考え方が違うんだよ。旅で着替えを持つなんて事の方が非効率的だ。その分荷物が重くなるからな」
「・・・やはり、貴様とは相容れぬようだな」
「気にしないでくれ」
「アオイさんは俺と同じ背丈だから、同じサイズでいいっすね?」
「それで構いませんか?」
「適当なのを頼む。1日御者をしていたから疲れているんだ」
「では」
一度、部屋を開錠してから鍵をハルヒコに渡して中へと入る。
ここ数日、1人になると定期的に試している事がある。
俺とNALLシリーズとは辛うじて魔力パスが繋がっているが弱まっている・・・魔力を強めているが反応が全く無い。
《ガガッ・・・・スター・・・・マスター》
!?
《あぁ、やっと繋がりました》
《ペンドラゴンか》
《はい。ここ1ヶ月も・・ガガッ・・いらしたんですか?》
やはり繋がりが弱い。
NALLシリーズとは魔力パスで繋がっており心の中で話し合える。
《マスターが居なくなってからは私を除き2号機~5号機のパスが切れて活動を停止しました》
《大丈夫だったのか?》
《皆さんが協力してくれましたので航行に支障はありません。現在はマスターとの繋がりを頼りに艦を進めております》
《そうか・・・俺の状況を説明をしておこう》
俺はこの1ヶ月の事を話す。
《マスターを隷属化ですか?》
声色に怒気が伺える。
《これは転移事故だと理解してくれ》
《・・・それで、隷属化の解除方法は分かりましたか?》
《あぁ》
【看破】
名前:アオイ
レベル:1(140)
種族:ヒューマン
職業①:傀儡師(Lv70)
職業②:魔導師(Lv70)
職業③:勇者(Lv70)
職業④:盗賊(Lv20)
職業⑤:薬剤師(Lv20)
職業⑥:採掘師(Lv20)
職業⑦:裁縫師(Lv7)
職業⑧:木工師(Lv2)
体力:100(33,060)/100(33,060)
魔力:50(27,726)/50(27,726)
攻撃力:2(4,650)
防御力:2(3,656)
各種装備品:変形マスク、レーダーキャンセラーアーマー、レーダーキャンセラーレギンス、スニーカー、外套(茶)、オリハルコンワイヤーの手袋
所有スキル:糸拘束術一式、糸拘束術二式、糸拘束術三式、糸防御術一式、糸防御術二式、糸防御術三式、引き寄せ、多重操糸術、操糸、切り離し、斬糸、ワイヤーネット、ワイヤーロード、アンカー、落とし糸、誘導、囮糸、盗聴糸、斬鋼線、右腕操術、左腕操術、胴体操術、右脚操術、左脚操術、マクロ人形操作、マリオネット、自立戦闘、自立化、装備強化、魔力糸壁、武装解除、生活魔法:ファイ、ウォタ、ウィン、ロック、第1位階:ファイアーボール、ウィンドカッター、ウォーターバレッド、アースホール、ライトボール、第2位階:ツインファイアーボール、ウィンドシールド、ウォーターウォール、アースウォール、第3位階:トリプルファイアーボール、ソニックウェーブ、ウォータースプラッシュ、ロックランス、第4位階:フレイムアロー、ウィンドフルール、アイスブレード、ロックキューブ、第5位階:フラッシュオーバー、ウインドバインド、アイシクルフィールド、ロックガドリング、第6位階:フレイムピラー、ダストストーム、ダイダルウェーブ、アースクエイク、第7位階:エクスプロージョン、バイオレントストーム、アブソリュートゼロ、メテオストライク、詠唱魔法 、魔法陣魔法 、詠唱魔法陣魔法、鍵開け、無音歩行、気配遮断、気配察知、集音、魔力糸、採取速度上昇、薬草の粉薬、薬草茶、薬草の丸薬、結合剤、裂傷回復丸、毒回復丸、麻痺回復丸(小)、石化回復丸(小)、火傷回復丸(小)、釘打ち速度上昇、鋸切断速度上昇、採掘速度上昇、魔力操作、乗馬、二連脚、三連脚、観察、注視、鑑定、看破、解析、鷹の目、遠視、千里眼、並列思考(Lv5)、幽馬、日本語、ヒメリア語、アラムド連邦標準語、スールン星系標準語、ルルーシ語
状態:健康、隷属(プロジット王位継承者)
・隷属(プロジット王位継承者)
プロジット王位継承者の願いを叶えない限り隷属は解除されない。
願い(魔王討伐)
《この世界の魔王を倒せば良いらしいな》
《分かりました。今、マスターの居る惑星が判明しました。話の通り未開拓惑星で登録されている星だそうですね・・・現在位置からマスターがいる星系まで約64光年となるので3年後には到着するかと》
《ワープドライブじゃ行き過ぎるのか》
《1万光年先に進んでしまうと戻るのに時間が掛かりすぎますからね》
《分かった。3年で魔王を倒すように努力する。もし倒せなかったら降りてきてくれ》
《分かりま・・》
ブツッ
交信が唐突に切れた・・・魔力だけで会話するには限界が有るようだ。
【鑑定】
名前:アオイ
レベル:1(140)
種族:ヒューマン
職業①:傀儡師(Lv70)
職業②:魔導師(Lv70)
職業③:勇者(Lv70)
職業④:盗賊(Lv20)
職業⑤:薬剤師(Lv20)
職業⑥:採掘師(Lv20)
職業⑦:裁縫師(Lv7)
職業⑧:木工師(Lv2)
体力:100(33,060)/100(33,060)
魔力:50(1.208)/50(27,726)
状態:健康、隷属(プロジット王位継承者)
たったの数分間の会話で魔力が2万近く消費された・・・
ガチャッ
「いやぁ、買ったっすよ」
「重いですね」
ここでハルヒコとアキヒサが荷物を持って買い物から帰ってきた。
「アオイさんの服はこれでいいっすか?」
一般的な市民服といった感じの服が上下渡される。
「あぁ、助かる」
「アオイさん、顔色が優れないようですけど」
「どうやら、本当に疲れているようだ」
「早く寝ちまった方がいいっすよ」
「あぁ」
俺はベットに横になる。
「僕たちも早く寝たほうがいいですね」
「幌馬車って結構腰に来るっすからね」
「おやすみ」
「あぁ、おやすみ」
2人も早いうちに横になり瞬く間に寝息をたて始めた。
・・・
パチッ
今は夜中の1時という感じか?
2人は寝ているようだな・・・
俺は音を立てずに行動を開始する。
今のままでは3人には違う意味で足を引っ張ってしまうからな、そろそろ潮時のようだ。
年配という事もあって頼られてしまうのも悪影響だろう・・・
俺は紙に3人に向けて簡潔に書いてハルヒコの枕元に置き、そっと町を出て行く。
≪サモン(幽馬)≫
ボワッ
ヒヒィン
町外れで幽馬を召喚する・・・随分と召喚してやれなかったが元気にしているようだ。
「これから頼むぞ」
ブルルゥ
ザッ
幽馬に乗る。
「目指すは最東部、ガルド帝国の最前線となるアーガスト要塞都市だ」
ヒヒィンッ
幽馬は走り出し尋常じゃない速度で東へと向かう。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
翌日、宿の食堂で食事をしていたウミとククルーの元に慌てた様子でハルヒコとアキヒサの2人がやって来た。
「大変だ、アオイさんが居なくなったっす」
「なんだと!?」
いち早く反応を示したのはククルーだ。
「くっ!やはり、信用するべきでは無かったか」
「ちょっと待ってください。置き手紙がありました」
ハルヒコが机にアオイの残した手紙を机の上に置く。
4人はその内容を見るために集まる。
----------------------
拝啓、ハルヒコ様、アキヒサ様、ウミ様へ
この度は勝手に離れることをお許し下さい・・・という建前は俺の性格上書けないから簡単に説明する。
まず、この内容はククルーの重要部分は話すな。
俺がお前たちから離れた理由はお前たちは俺を頼ってしまう傾向に有るため離れることにした。
俺とお前たちではレベル差が開きすぎている為成長を妨害してしまう恐れがあると踏んでいる。
詳しくはアキヒサがレベル差での経験値獲得ペナルティを教えてくれるだろう。
俺は先にガルド帝国の最前線となるアーガスト要塞都市に向かいお前達が成長した姿で来るのを
2年待つ。それまでの間に来なかった場合は俺は単独で魔王の城へと向かうつもりだ。
【重要部分】
ある程度、レベルを上げて成長したと感じたら、お前達の持っている勇者の剣と鎧、賢者の杖、聖杖は早々に切り替えろ。
俺の看破の結果からそれ等はレプリカだ。兵士の持つロングソードよりかは丈夫と言った物でしかない。本物は何処かに封印されているのだろう・・・
それとお前達だけで考えて行動をしろ、誰も信用するな・・・王国はお前達が考えているよりも胡散臭い連中ばかりだ。
-------------------
「アオイさんは何でこんな物を残したのでしょうか?」
「単騎特攻って書いてあるんだが・・・」
「・・・この聖杖が?」
「3人とも悪いがあの男は何という手紙を遺したんだ?私には読めなくてな?」
!?
「日本語で書いてありますよ!?」
「嘘だろ!?」
「それじゃ、アオイさんは・・・地球の人?」
「じゃあ、なんで隠していたんだ?」
「僕達にしか分からない文字でのやり取りですか?」
「なるほどな」
「自分達で考えろか・・・」
「それで、なんと書いてあるのだ?」
「アオイさんは先にガルド帝国の最前線アーガスト要塞都市に向かったみたいです」
「はぁ!?何でだ!」
「恐らくアオイさんのレベルは僕達よりも遥かに高いようなので」
「レベルが高い奴がいると、俺たちのレベルが上がりにくくなるんだよな?」
「確かにそういう法則がある事は分かっているがあの男が高レベル?」
「ククルーさんのレベルはどの位なのですか?」
「私のレベルは32の聖騎士職だ」
「経験値が低レベルに入らなくなる差はどの程度か分かりますか?」
「たしか・・・10レベル・・・つまりは42以上だと言いたいのか」
「この書き方だとそうでしょう」
「では、私はあの時手加減されていたという事か?」
「恐らくは」
ドンッ
「なんたる屈辱か!」
「落ち着いてください」
「これが、落ち着けるものか!」
「とにかくアオイさんは2年間をアーガスト要塞都市で僕達を待っていてくれるそうです」
「待つだと?2年後に私達が到着しなかった場合あの男は如何する気だ?」
「単独で魔王城に乗り込むつもりそうっすよ」
「なに馬鹿な事を言っているのだ!魔王の統括する領域に踏み込んだ人族は歴代勇者達でしかないと言うのに」
「勇者でなければならない理由があるんですか?」
「それは魔王に攻撃できる方法が封印されている聖なる武器でしか・・・あっ」
「聖なる武器・・・」
「それは俺たちの持っている物じゃないって事っすよね?」
「それは」
ククルーは王から絶対に漏らしてはいけない事を漏らしてしまった。
「ククルーさん、僕たちは元を正せば関係ない世界の事情に巻き込まれた被害者なんですよ?魔王の心臓がなければ送還魔法陣が発動しないと言われたから魔王討伐に向かわざるを得なかった」
「そんな中、嘘は頂けないっすよ。俺たちのモチベーションを下げるなんて本当に世界を救って欲しいのかが疑わしくなるっすよ?」
「ククルーさん。秘密にしている事を話してくれるわね?」
自分たちより年下だというのにククルーを圧倒する程の威圧感。
すでに勇者たちは職業の特性を発揮し始めているのかもしれないと錯覚しているククルーであった。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「ここが最前線基地で有名なアーガスト要塞都市か」
ハルヒコ達と別れて俺は真っ直ぐにアーガスト要塞都市へと幽馬を走らせ続けること半年で到着を果たした。
移動のほとんどを馬で行い、時折町や村に立ち寄り向かっている方角が合っているのかを確認してやって来た。
【鑑定】
名前:アオイ
レベル:25(140)
種族:ヒューマン
職業①:傀儡師(Lv70)
職業②:魔導師(Lv70)
職業③:勇者(Lv70)
職業④:盗賊(Lv20)
職業⑤:薬剤師(Lv20)
職業⑥:採掘師(Lv20)
職業⑦:裁縫師(Lv7)
職業⑧:木工師(Lv2)
体力:340(33,060)/340(33,060)
魔力:242(27,726)/242(27,726)
状態:健康、隷属(プロジット王位継承者)
最初から気になっていたが、俺のステータスはこの世界に来て()で分離しているようだ。
()外がこの世界でのレベルであり、()内が今までのステータスになる様だ。
お疲れ様でした。




