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58話「銀河連合ギルド」

巡回艦と出会ってから3光年先へと進むと宇宙ドッグへとたどり着いた。


『こちら、スールン星系所属のタリアンステーション付近宇宙換装ドッグじゃ』

「新造船方舟船長のロイドという」

『アンタか時代遅れの代物を乗せておると言われている船ってのは。軍から指示が飛んで時は驚いたぞい』

「急で悪いが対消滅反応炉との換装をしに来たんだが有るか?」

『連絡を受けてこの3ヶ月で2基程容易しておる。その前にそっちの機関室を確認したいんじゃ。原子炉と対消滅反応炉では大きさが倍ほど違うんじゃ』

「分かった」


ピッ


「機関室を広くします」


即座にペンドラゴンが機関室を拡張する。


ガコンッ


艦がドッグに固定され階段が出入り口に伸ばされていく。


ガコンッ


『入らせてくれ』


工房の親方と言った風貌のドワーフが扉前に立つ。


武器等の所持は認められない。


プシュッ


ガコッ


扉を開き親方を中に招き入れる。


「工具類の入った道具袋を所持しておりますね」


親方をレーダー感知で監視するペンドラゴン。


「機関室はこっちじゃな?」


艦の後部へと向かう親方。


誰も向かい入れていないがズカズカと向かっていく。


「機関室への転移魔法陣は?」

「一応あるけど?」

「俺が応対してくる」

「あ、私も」




ヴンッ


親方より先に俺とフードを被ったキャメリアが魔法陣で機関室に入る。


ガチャッ


扉を開けるとモニタ越しでみるよりも大柄な親方が歩いてきた。


「こっちだ」

『そっちだな』


ノシノシノシッ


『ほぅ、綺麗なものだな。船の中で一番汚れが酷いのはココだと言われている。ましてや原子炉じゃな』


部屋は汚れ一つもない機関室。

その中央に原子炉A型4基が可動を止めて鎮座している。


『年代物じゃな。どれも100年も前の物・・・ふむ細かい部分をみると制作年月がバラバラの原子炉を使っておるか』


外側から見ただけで言い当てていく親方。


『これほどの骨董品を完全の状態で維持するのは余程腕の良い機関士が必要じゃわい。お前さん方じゃないな?』


これまた言い当てられる。


「原子炉の制御は私が担当しております」


サンが機関室の出入り口に立って言う。


『アンドロイドか・・・初めて見るがの』

「機関室についての事なら私がお答えいたします」

『うむ。では』


話が長くなりそうだから、俺とキャメリアは退散する。


「何も言えなかったな」

「一発で見破られちゃうからね。一応機関士の端くれなんだけどな」

「今度、サンから機関について習え」

「合気道も習っているから時間が取れないよ」


キャメリアはシェリルから護身術として合気道を習っている。


・・・


30分程親方とサンが会話を交わして戻ってきた。


「これから原子炉A型4基を取り外して対消滅反応炉F型2基と取り替えるそうです」

「何時間掛かる予定だ?」

「1日程は掛かるそうです」

「代金は?」

「換金物を提示したところミスリルインゴットを20kgで良いそうです」

「たったソレだけで良いのか?」

「むしろ儲かったと仰っていました。ミスリル金属は希少金属の1つだそうで高いそうです」

「ボラれた所で大した痛手にはならないか」

「ミスリルで希少となりますと、オリハルコンやアダマンタイトは価格が跳ね上がりそうですね」

「あまり一気に放出すると出処を付け狙う輩が出てきてしまうな。極わずかを売るには構わないがkg単位での売買は止めておけ」

「はっ」

「やっぱり金かな?」

「リウイ、金はどれくらい余っている?」

「腐るほどじゃの。掘りすぎてペンドラゴンに禁止命令が下されておるよ」

「そうなのか?」

「あのまま延々と掘り続けられてしまうと置く場所に困ります」

「それほど採掘していたのか?」

「ある程度の時間が経てば採掘ポイントが回復してるからのぉ。それに航行中は暇じゃから、ついつい掘っちまうんじゃ」

「ステーションに着いたら金の価値を調べてみるか。あとリウイとスターニアに頼みがあるんだが戦艦に侵入した時に使っていた人の顔に化けられる仮面を量産しておいてくれ」

「その事について聞きたい事があったのだ。侵入してきたときに乗組員の顔になっていたのは何なのだ?」

「潜入用の仮面型ヘルメットですよぉ。登録した顔に変形もできる優れものですよぉ」


フッ


「これの事だ」


カパッ


ヘルメットを被ると頭全体に覆う。


ヴゥン


仮面が透明に変化し俺の顔が浮かび上がる。


ソコに登録している顔を投影するとロイドの顔に変化する。


「これは凄いな。たしかに潜入時にコレを着けていれば見知らぬ顔にはならないである」

「量産して如何するんですか?」

「キャメリア、リリィ、リウイ、スターニアもステーション内を出歩きたいと思ってな」

「変な気をまわさなくても良いぞ?オレはその間鉱山に篭っていればいいんじゃからな」

「私もぉ森の中で薬草採取していればいいのですよぉ」

「私は出たいかな。これさえアレば外されない限り人間に見えるんだからね」

「息抜きでステーションに出たいのはありがたいわね」


リウイとスターニアは篭ると言うが、キャメリアとリリィは外に出たいと主張が分かれた。


「とりあえず、全員分の量産を頼めるか?ステーションまで2ヶ月は掛かるからな」

「少しお待ちを・・・・再計算した所1ヶ月程になりました」

「炉の性能でそんなに変るのか?」

「はい、対消滅反応炉の性能が良いという証拠です」

「とりあえずキャメリアとリリィの分を作り出してくれ」

「わかったのぉ」

「人工皮膚は培養に時間が掛かるので1人分が限界なのですよぉ」

「キャメリア、リリィどちらが先に作ってもらうか決めておけ」

「わかったわ」

「うん」


こうして対消滅反応炉を取り付ける為に1日ドック内で過ごす。


『取り付けは終わったぜ。これが説明書になる』


手渡されたのは辞書程に分厚い対消滅反応炉取扱説明書だ。


パラパラパラパラパラ


「覚えました」

『さすがアンドロイドって奴だな』

「キャメリアも覚えておけよ」

「えぇ~」

「一応は機関士見習いだろう」

「ここまで分厚いと覚えられるかな?」

「私が教えますよ」

「お願い~」

『がはははっ。お前さんら本当に珍しいな・・・それとも家族って奴か?』


この親方・・・感づいているか?


「そうでもない」

『そういや、外壁を超えた連中が至って噂が立っていたぜ・・・お前さん等も遭遇するかもしれねぇな。相手は極悪の連中だから気をつけるこったぁ』


このタイミングで・・・


チラッ


ペンドラゴンをチラリと見るが首を横に振る。


「忠告感謝する」

『船長さんにはそういや会わなかったが気分でも悪いんか?』

「俺がこの船のオーナーだからな」

『なるほど。オーナー直々か・・・そりゃ光栄だな』

「あの原子炉はどうするんだ?」

『年代物だが現役で動いている原子炉だからな、下取りして近くのステーションにある博物館に送ってやるつもりだ』

「そうか、長年動き続けてくれたからなスクラップ送りじゃなくて良かったよ」

『クククッ、機械にも情が移っちまったか?』

「そうでもないさ・・・そろそろ行かせてもらう」

『おうよ!もし船の調子が悪ければステーションのドッグ整備士より宇宙ドッグの方がオススメだぜ』

「それは、何故だ?」

『俺達がこんなんだからよ』


親方は首元を開くと鉄製の首輪が掛かっていた。


「それは?」

『隷属の首輪って代物よぉ。俺達は言わば星系軍の犬って事だな』

「ここは人以外の連中が?」

『おうよ。他の宇宙ドッグも同じだろうよ。だからオススメだ』

「なるほど、覚えておこう」

『達者でな。お嬢ちゃん、絶対にオーナーの傍から離れちゃならんぞ』

「ありがとう。これでも33歳なのよ」

『ほっ、もっと若いかと思ったぞ』

「ありがと!」


宇宙ドックを離れて俺達は近くのステーションに向けて出発をする。


・・・


・・・・・・


1ヶ月の航行を経て宇宙ステーションに到着する。



「タリアンステーションより通信が入りました」

「繋いでくれたまえ」


ピッ


『正体不明艦につげます。船名を告げなさい』

「こちら方舟船長のロイドです」

『方舟船長に聞きます。貴船の乗務員人数をお教え願います』

「7名とアンドロイド5体です」

『スキャンを掛けます』


ビィイイイ


今度は偽りなく報告する。


『乗務員の名前を教えてください』


チラッ


さすがにその質問は予想外でロイドが俺に目線を送ってくる。


それに頷き返す。


「ロイド、アオイ、キャメリア、リリィ、リウイ、スターニア、フェリスの7名とペンドラゴン、アルテミス、サン、ジャンヌ、チャリオットの5体です」

『全員ヒューマンという事でよろしいですか?』


そこまでスキャンできるのか?


「それはどういう事だ?」

『貴方は?』


画面に俺が映りオペレーターは俺に問う。


「この船のオーナーのアオイだ。乗務員がヒューマンじゃなければ入れないという事か?」

『いえ、ヒューマン以外にも入る事は可能ですが確認として質問しております』

「仮にヒューマンだと答えた場合、疑義報告だとしたら?」

『信用を失うでしょう』

「分かった。ヒューマンは3人、それ以外は4人だ」

『畏まりました。ようこそ、タリアンステーションへ。ドッグに入ったら中央受付にてお待ちしております。登録いたしますので全員来てください』

「あぁ」


ピッ


「良かったのであるか?」

「相手のスキャンがどの程度の物か分からなかったからな正直に話しておかないと後でイザコザになる。2人ともアレを用意してもらって悪かったな」

「構わねぇぞ」

「気にしなくていいのですよぉ」

「リウイ、急遽で悪いが隷属の首輪に似せた物を作ってくれないか?」

「悪い予感じゃな?」

「こういった場合、ヒューマン以外には隷属の首輪をとかいうパターンだ」

「オレに任せろ」

「あの隷属の首輪には魔力が宿ってましたのでぇ、私も手伝うのですよぉ」

「魔力か・・・魔石を仕込んでそれらしい物に偽造してくれ」

「サン、ゆっくりでいいから時間を稼いでくれたまえ」

「はっ!」


速度を落としてゆっくりとドックへと入港する。


ギィイイイイ


カチッ


キャメリア、リリィ、リウイ、スターニアの首に隷属の首輪もどきが付けられる。


「行くぞ」


俺を先頭にロイド、フェリスが続いて艦を降りていく。


ドックを出て中央受付へと赴く。


『方舟のアオイ様ですね。今回、新規登録について担当をさせていただきます。リンと申します』

「方舟オーナーのアオイだ。こっちは船長のロイドとクルーのメンバーだ」

「では、こちらの記入用紙にお願いします。アンドロイドの数もお願いします」


残念ながら俺達はスールン星系標準語は喋れるが読み書きは出来ない。


必然的にフェリスが書くこととなる。


「出身は皆バラバラですけど書くべきですか?」

「※の部分以外は無記入でも構いません」

「分かりました」


名前、年齢、性別等を始めとして必要事項をスラスラと書いていくフェリス。


「私はクルーとしての立ち位置は?」

「オーナー護衛でいいだろう。リリィもそうしておけ」

「はい。書きました」

「少々お待ちください」


受付のリンが用紙をスキャンして電子上に反映させる。


「方舟の情報をトランスポンダーに記録しました。これで正規の船として他から認識されます」


ドンッ


鉄の箱がカウンターに置かれる。


「こちらを船の端末に接続してください。レーダーで発見された時、どんな船なのか相手に知らせる物となります」

「登録料や月額制じゃないのか?」

「無料となります。クルー情報の追加・削除・変更等は自分たちで行ってください」

「海賊に対して自分たちの情報を渡すことになるが問題ないのか?」

「軍のレーダーに引っかからないことの方がよっぽど危険です。不審船というだけで主砲を放って撃沈されますよ」

「それは怖いな・・・金を稼げる場所ってあるか?」

「それなら、お隣の銀河連合ギルドが仕事の斡旋をしていただけます」

「分かった」

「随分、亜人種を飼われていますね」

「それが君に必要な情報なのか?」

「いえ。失礼いたしました」


新規登録受付を離れて銀河連合ギルドへと足を運ぶ。


「とりあえず、船に戻ってもいいぞ?」


ゾロゾロ行った所で嫌がられるだろう。


「んじゃ、戻るわい」

「お土産お待ちしてますよぉ」


最初から出る気が無かった2人が真っ先に戻っていく。


「私も気分が悪いから帰るわ」


リリィも不機嫌な顔をして行く。


「ん~久しぶりのステーションを満喫しないなんてね」

「お前は付いてくるのか?」

「自由にしてたいけど周りの目位は気にするよ」


ヒューマン以外の亜人種はチラホラと見えるだけで珍しい部類だろう。


『銀河連合ギルドにようこそ』


厳つい人間のオッサンが受付をしていた。


「金を稼ぎたいんだが」

『見ない顔だな?』

「今日来たばかりだからな」

『さっき、新規登録していたな。金欠か?』

「新造船でな」

『一応言っておくが、銀河連合ギルドは生半可な事じゃ請け負えない仕事もあるぜ。命が惜しかったら止める事だな』

「来た人間を追い返すのかよ」

『忠告だから聞き流してくれ。で、何がしたい?』

「登録とかしなくても良いのか?」

『さっき、隣で登録しただろう。すでにカードは発行済だ』


人数分のカードが渡される。


「全員分もあるんだな」

『そこの猫の嬢ちゃん・・・あまり見ない種だな』


キャットピープルは珍しいのか?


『まぁいい。獣人だろうがカードは発行するぜ。すでに隷属の首輪持ちか・・しっかし何したらそんな厳重なのを貰うんだ?』

「厳重?」

『たしかに隷属の首輪は奴隷に落ちた亜人種達に付けるが、それは軍の奴隷になった奴か、罪人が付ける代物だぜ?』

「ここに来る途中の軍艦から支給されたんだ」

『巡回艦に捕まったんか・・・よく落とされずに済んだな』

「艦長の人が良識人だったようだ」

『問答無用で撃ち落とされても文句言えないからな。そんな重い物より簡易版を渡すぜ』


色は黒で出来た簡易版の隷属の首輪がカウンターに置かれる。


「それは助かるな」

「これは私が預かっておきましょう」

「話を戻すが金になる仕事か換金所を探している」

『仕事の話なら此処だが、換金所は向こう側だ』

「銀河連合ギルドのルールだけでも教えてくれ」

『これがルールだ』


・・・


・・・・・・


アラムドの傭兵ギルドと変わらないルールだな。


「未開拓惑星への介入は禁止する。※やむを得ない場合に限り惑星に降りることを許されるが文明を壊すような事は禁止するってのは?」

『アホな事だろうが、途中で燃料切れや食糧不足を起こした場合等に未開拓惑星に降り立つ事だけは許されている。そういった場合の救済処置という事だ』


広い銀河では態々助けに来ないという事か・・・


「文明を壊さないとなっているが高化学文明の宇宙船ないし降下艇を原住民に見られてしまうだろう?」

『お前さん、何も知らないんだな?ステレス保護機器を用いればいい』

「具体的には?」

『周囲の風景と同化し目では見えないようになる。ただし、目視では見えないだけでレーダーでは見られる事になる。そういった場合は奇襲だと勘違いされて撃たれても文句は言えないから注意しろよ』

「なるほど。何処で売っている?」

『船のパーツは大体ドッグに端末があるから金さえ振り込めば取り付けてくれるぜ』

「分かった。何かわからないことがあればまた来る」

『おう』


銀河連合ギルドを離れて換金場所へと向かう。


『いらっしゃいませ、換金ですか?奴隷を売りですか?それとも買いですか?』

「奴隷?」

『後ろの方です』

「違う」

『換金ですね?』

「これは幾らで売れる?」

『金ですか・・・少々お待ちください』


ロイドにて精錬済みの金のインゴットをあらかじめ用意した袋から取り出す。


『不純物・・・0.28%。ほぼ完全の金ですか・・・暫くお待ちください』


受付嬢は機械を通して金のインゴットの分析結果をみて何処かに電話を掛ける。


『はい。そうです・・・分かりました』


ガチャッ


『担当者の方が対応いたしますので少々お待ちください』


暫く待つとスーツを来た男が現れた。


『これは、ようこそおいで下さいました。私、換金受付担当のエーダと申します。以後お見知りおきを』


今時電子でのやり取りが多いのに小さな名詞を渡してくる程のサラリーマンのようだ。


「ここでは何ですので小スペースにてお伺いさせて頂きます」


エーダが先に行って俺達は付いていく事となる。


「何かしたか?」

「不純物と0.28%は金としての価値が高いというよりは不可能に近いと思うのだが」

「ほぼ純金が原因じゃないですか?」

「私も船に戻るね・・・気分が悪いや」

「そうだな・・・フェリス、一応付いていってくれないか?」

「分かりました」


リウイとスターニアは亜人の部類とはいえ珍しい種族で狙われるであろう・・・が2人はそこそこ強いし何とかするだろう。

だがキャメリアは同じく珍しいが1人で帰らせてるのには弱く抵抗があった。

フェリスと一緒なら合気道で何とかしてくれるだろう。

最近自身の魔力を感じることが出来たと言っていたからスキル発動も間近だろうしな。


俺とロイドで小スペースへと入る。


プシュッ


どうやら他の奴に聞かれたくないように設計されている部屋に通された。


「では、現物をこちらへ」


金のインゴットをテーブルに置き、受付と同じような解析機に掛けるエーダ。


「確かに何処にでもある金のようですが・・・これは希少価値がありますね。これを何処で手に入れたのですか?」

「商人が取引先の情報を売るとでも?」

「これは失礼しました。てっきりギルド員かと思いましてね」

「主にギルドの仕事を請け負う予定だ。こっちはついでだ」

「ふむ。先に買い取り金額はコチラになりますね」


エーダは金額が書かれている電子端末を見えるようにテーブルに置く。


24,000コールド


それが高いのか安いのかが俺たちには分からない。

なにせ、この星系に入って始めてのステーションなのだから。


「少し待ってくれ」


ウィン


小スペースの扉が開きペンドラゴンが入ってくる。


「どうやって」

「私達にもカードを発行して頂きましたからね」


ペンドラゴンは銀河連合ギルドカードを手に持っている。


アンドロイドとしてペンドラゴン達にも銀河連合ギルドはカードを発行してくれた。

こういった場合の商談にアンドロイドが介入する事もあるのだろう。


「まず、金のレートは1gで1,000コールドですね。金自体はありふれている鉱物でありレートが低いのは仕方がないです。インゴットとしての値段は2.8kgなので単純計算で280万になります。にも関わらず24,000コールドというのはどういう事でしょうか?」

「これは失礼いたしました。桁が違っていたようです」

「だとしても240万コールドでは少ない理由はあるのでしょうか?態々小スペースに呼ぶ位大事な商談です。二桁も間違えるなんてプロとしては有り得ないと思いますよ」

「ぐっ・・・たしかに桁を間違えてしまったのは私の不手際で御座います。この度はお詫び申し上げます。しかし、其方も勘違いしておられる様ですが間違えた桁は3桁です」

「2,400万コールドですか・・・私も勘違いしてしまい申し訳ありません」

「いえいえ、不手際を犯したのは私のほうですから。では、この金額でお売りして頂けますね?」


一気に跳ね上がったな。


「実はまだまだあるのです」


袋から同じ大きさ、純度、重さのインゴットを4つ机に置く。

1億2,000万コールド分である。


「1つずつ解析しても構わないぞ」

「・・・たしかに全て同じ物で御座いますね」


なんだか青ざめているエーダである。


「それとコレも売りたいのですよ」


ペンドラゴンも持っていた袋から銀色に輝くインゴットを取り出した。


「ペンドラゴン殿、それも売るのであるか?」

「えぇ」


いち早く気がついたのはロイドだ。


あの輝きは銀ではなく魔法銀・・・ミスリルだな。


「少々おまち・・・くだ・・さ・い」


解析に掛けたエーダの言葉が途切れ途切れになってしまった。


「純度99.71%のミスリル・・・それを1.75kgも・・・ひぃ」

「レートは何だったか?」

「ミスリルは希少金属の一つで1g27,000コールドですね」

「472万5,000コールドか」

「普通のミスリルの純度でしたらの話になります」

「金の付加価値からしてみれば」

「2桁足せば4億7250万であるか」

「ちょっと待ってください。こちらはお買い上げするには上と相談させて下さい」

「では、コチラは縁が無かった事で金だけをお売り致します。商機を逃すのは商人としては若いですね」


流石に1つのインゴットに億が動くのは1人で判断は厳しいだろう。


ミスリルは本当に希少金属らしく、原石だけでもかなりの値段が付く程だそうだ。


それも不純物が殆ど無いインゴット状態が目の前にあるのだから商人としてはこの機を逃すだろうか・・・?


「分かりました!全て買わせていただきます!!」

「そちらの値段提示はまだでしたよね?」


そう4億と言うのは俺たち側の売値予想に過ぎない。

買い手がそれ以下の値段で買い取る事も出来る。


「だからアンドロイド相手はいやなんだ」


遂に交渉口調ではなく本音が出てきてしまうほどだ。


「この程度の商談で根を上げてはいけませんよ。私がアンドロイドでは無くとも真の商売人はもっと買取値段を上げてくるでしょうね」

「純金のインゴット14kgと純ミスリルのインゴット1.75kgを合計で5億9,250万コールドで買わせていただきます」

「オーナー、それで宜しいですか?」

「あぁ。満足いく商談だった」


ピッ


6億近くの金が即金で振込まれる。


「有難うございました。またのお越しを・・・」


心ここにあらずといった形で俺達は小スペースを出て行く。


「ミスリルを出して良かったのか?」

「あの程度でしたら値崩れはしませんよ」

「純度的の話だ」

「高純度のインゴットを持っていると漏れてしまう事を懸念していますか?」

「それもある」

「あの方が漏洩しなければそれまでの話です。むしろ襲われた方がお金になるかもしれませんよ」

「しれっとリスクある方を選択するなよ」

「冗談です」

「ペンドラゴン殿が冗談を言うなんて初めて聞いたのである」

「私は自律型魔導人形なのですよ。アンドロイドと一緒にしないでください」

「自我があるんだから冗談の一つや二つは言うぞ。ロイド、お前が誰かに冗談を言われるように成れば認められた事だから頑張れよ」

「私達の評価は辛口ですよ」

「精進する」

「6億もあれば何か買えるだろう・・・ドックに端末があると言っていたな」

「私たちの船に無い、コールドスリープ、ジャンプドライブ等が欲しい所ですね」

「そうだな」


・・・


「2つとも高いな」

「どちらかしか買えませんね」


コールドスリープ:2億5,750万コールド

ジャンプドライブF型:5億7,500万コールド


「性能的にジャンプドライブF型ですね」


コールドスリープは1人用のカプセル型で2機分しか買えない。


それに比べてジャンプドライブは1万光年先へ進める。デメリットは5日間は使用できない事だ。


現在の艦で1万光年先に行こうとすれば単純計算で472年掛かる計算だ・・・ジャンプドライブが必要な理由が分かった気がする。


「一応、あのドッグに問い合わせてみるか」

「そうですね」


タリアンステーション付近宇宙換装ドッグに同じものがあるか問い合わせた所、3億程で手配してくれるそうだ。


コールドスリープは流石に無いため、ここで購入を果たしてドックへと向かった。

お疲れ様でした。

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