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35話「旅だち」

3年の月日が経ち俺とマリは互いに成長していった。


その間、俺の立ち位置は村にたどり着いた異国の子供という事でアンナの預かりとなっていた。

時折村の仕事を手伝ったりしながら過ごして俺のウケは上々である。

殆ど村人と言って差し支えないだろう。

ただ、年相応的でない受け答えが大人の村人達にウケは悪い。アンナが預かっているからあまり強く言えないと時折聞いてもいる。



ここ3年で分かった事はここが現実で、魔法もスキルもある異世界なんだと確信したという事だ。


・・・


『アオイ坊、ガイの所で荷馬車が溝にハマっちまったようだ』

「分かった」


村を散策していると村人に呼び止められて主に力仕事になる困った事を頼まれることがある。


ここ数年で俺が異様に力の強い子供だと村人達が知っているからだ。


レベル1にして攻撃力985もあるのだから当然といえば当然だ。

ただ、俺は力をセーブして大人と同じ力を持っている程度にしか力を発揮していない。


・・・


・・・・・・



「あらあら、アオイも15歳なのですね」


アンナが唐突にそう言った。


「15歳なのか?」

「はい。15歳の成人になる年、手の甲に印が1年間だけ浮かび上がるのです」


・・・どういう体だよ


それが当たり前だからこの世界の人は違和感が無いんだろうが怖いわ。


「成人という事は?」

「アオイも立派な大人という事です」

「そうか」

「つまり、私の庇護下から離れるという事になります。アオイは何か別のことがやりたいとかありますか?」

「そうだな」



【ステータス】

 名前:アオイ

 種族:ヒューマン

 レベル:1

 職業①:傀儡師(Lv1)

 職業②:裁縫師(Lv5)

 職業③:薬剤師(Lv2)

 職業④:木工師(Lv2)

 体力:5,435/5,435

 魔力:4,297/4,297

 攻撃力:985

 防御力:917(+3)

 状態:健康

 称号:なし

 ランク:?


ここ3年で変わった事と言えば、サブ職業が2つ増えたこと位だ。

薬剤師はアンナの手伝いをした事で、木工師は新たに結婚した夫婦の為に家を建てる時に手伝った時に増えた。

職業についてはある程度の知識や経験をすれば増えるようだ。増えた所でレベルが上がらなければあまり意味が無い。


「やっぱり冒険者になる事か」

「えぇ~!私と一緒にお母さんの薬剤師を継ごうよ」


異を唱えたのはマリであった。


「あらあら、これはアオイの人生なのですよ」

「でも、アオイだってお母さんが作れる薬だって作れるし」


乾燥した薬草を粉末にするだけなら誰でも作れるだろ・・・と思うが職業に薬剤師がつかないと作り出せない。

マリは薬剤師見習い故に成功率は他の村人よりも上だが確実ではない。


つまり、職業が剣士じゃなければ剣をいくら振っても本職には叶わないという事にある。

戦争時、農民を駆り立てても戦力にすらならない。だから各国は素質のある者は欲しがっている。

逆に言えば剣士が農家という職業を持たなければ畑を耕しても作物は上手く育ってくれない。


互いが支えあっていかなければ生活が難しく厳しい世界という事でもある。


「元はお前が継ぐもんだ。流れ者である俺じゃ務まらない」

「大丈夫だよ。アオイ兄ぃはこの村の村人なんだから。みんな言ってるもん」

「それでも俺は出ていこうと考えている。結局俺の記憶は戻らなかったしな。世界を見回ってみたいんだ」

「でもぉ~」

「アオイを困らせないのですよ。これはアオイの人生なのです。私達が邪魔をしてはいけませんよ」

「うぅ~。うわぁあああん」


ついにはマリが泣いてしまい、アンナに抱きついてしまった。


「アオイ、アナタの考えた通りに生きてもいいのですよ。結局のところアナタが何者なのかは私にも分かりませんでしたがこの3年間は楽しかったです」

「あぁ」

「一つ忠告ですが、アナタはまだ成人して間もないのですから無茶はしないでください。分を弁えることも必要です」

「分かった」

「何時ごろ、出ていくつもりなのですか?」

「次の行商人が来た時にでも」

「分かりました」


小さな村と言えど行商人が周期的に来て物物交換で村には無い塩や日用品を手にいれている。


・・・


・・・・・・


『坊主、3年間助かったぜ』

『達者でな』

『すぐに戻ってきてもいいんだからな?』

『無理はしないでね』


俺が村を出ていくタイミングで村人総出で旅たちを見送ってくれている。


たった3年間と言えど俺は村人の一員と認められていた事が分かった。


『行きましょうか』

「あぁ」

「アオイ兄ぃ、頑張ってね!」

「そうだ。ジョンソン。例の物手に入ってるか?」

「あぁ、そうだったね」


行商人のジョンソンは麻袋の中から薄手の本を取り出した。


「やっと手に入りましたよ。魔法に関する初級編の水属性だよ」

「やっぱり高かったか?」

「それなりの値段でね。でも君が3年間私に獲物を渡し続けてくれたから払い終わっているよ」

「じゃ」


ジョンソンから魔法書を貰うとマリに渡す。


「え?」

「これは俺からのプレゼントだ。いいか、良く聞くんだ。お前には水の魔法に適性を持っている。実感はないだろうが魔力はこの村の誰よりも持っている。魔法に興味があれば読んでみると良い。字が分からなければ村長かアンナに読んでもらうといい。そうすれば俺の所に来れるかもな」

「本当?頑張るよ!!」

「あぁ。頑張れよ」


ギッ


俺は荷物の少なくなった荷台に乗って荷馬車が動き出す。


村人達から一層別れの挨拶が大きくなり俺は見送られていった。


・・・


・・・・・・


「近くの街ってどんな所なんだ?」


「そういえば君は街に来たことがなかったんだね?禊の儀もしなかったのかい?」

「そういえばそうだな」

「一度教会でしてもらうといいよ」

「お金は掛からないのか?」

「その人の才能や可能性を見出す儀式だからね。国が推奨しているからお金は一切かからないよ」

「なるほど」


レベル1であのステータスやらが見られると困るな。


「他にはどういったものがあるんだ?」

「ここは剣の国だから、何個か剣術道場があるよ」

「冒険者ギルドは?」

「もちろんあるよ。アオイ君は冒険者志望だっけ?剣を使うなら道場に通ったほうがいいけど」

「剣は適正ないと思う。木剣ですらまともに振れないしな」

「あ~。それはゴメンね」

「気にしていない。ジョンソンも商人の才覚がなければ違う道を進んでいただろ?」


【看破】

 名前:ジョンソン

 レベル:11

 種族:ヒューマン

 職業①:行商人(Lv5)

 体力:220/220

 魔力:150/150

 攻撃力:36(+4)

 防御力:26(+3)

 各種装備品:鉄のナイフ、商人の服、商人のズボン、革靴

 所有スキル:観察、注視、見極め

 状態:健康


・見極め

 対象が良い物か悪いものなのか見極める事ができる。

 ただし、真の価値を見る事は出来ない。


「まぁ、そうだね。その人の持つスキルで人生の大体が決まってくるからねぇ。でもバランスだけは崩れないんから凄いよね」


この前の戦争で兵士が大量に死亡したが、各地で生まれた新生児が剣術や武術等の戦闘スキルをもって生まれてくるらしくバランスが保たれてくる。


「ん?止まれ!」

「え?なに??」

「いいから、馬車を止まらせろ」

「あ、うん?」


ヒヒィン


ジョンソンが荷馬車を止める。


ガサガサガサ

ギャギャギャッ


森の茂みから1匹のゴブリンが現れた。

手には粗末な棍棒を持っている。


「こんな浅瀬にゴブリンが出るなんて・・・」

「こういった場合どうするんだ?」

「引き返そう」

「戦わないのか?」

「ゴブリン1匹なら僕でも対処できる。けど、ゴブリン1匹みたら30匹居ると考えろという言い回しがあるんだ。護衛を雇っていたら話は別だけど」


地球のGと同じ立ち位置かよ。


「今更引き返されても俺が困る」


かれこれ4時間位は荷馬車は移動している。

村に引き返されては再出発は明日だろう。


「ちょっと!戦う気なの!!」

「ジョンソンは荷馬車を進ませろ」

「えぇ!?ゴブリンがいるんだよ?馬で轢き殺す前に馬が殺されちゃうよ」

「大丈夫だ。アレ位なら対処できる」

「し、信じてるよ。行け!」


ヒヒィンッ


馬が走り始める。


ギャギャギャっ


ゴブリンがこちらの存在に気づいて粗末な棍棒を振り回してダッシュしてくる。


「魔力糸」


シュルッ


俺の指から銀色に光る糸が形成される。


「斬糸!」


ズバッ


目にも止まらぬ速さで魔力糸は斬属性を乗せてゴブリンの首を断ち切った。


ドサァ


「へ?」


ガタンガタンッ


ゴブリンの死体を荷馬車が押しつぶしながら進んでいく。


ギャギャギャッ


「遠視」


周囲の様子を見ると、本当にゴブリンの集団が森の中から這い出てきた。


仲間を殺された事でゴブリン達が激高して追いかけてくる。


「ひぃいい!やっぱり無謀だったんだ!」

「30程度物の数じゃないさ!斬糸!!」


ギャギャッ


激昂して追いかけてくるゴブリンが次々に殺していく。


それでもなお追跡を止めない。


「18・・・19・・・20・・・・・・・・28・・・29・・30!!これで追いかけてこないだろう」


ガラガラガラガラ


「うそ!もう倒しちゃったの!!」

「ゴブリン程度、このスピードで逃げながらだったから問題ない。徒歩だったら囲まれて大変だったな」

「そりゃ、凄いや!商人仲間の自慢になるぞ!!何をやったか全然わからなかったけど君は将来凄い人になりそうだ!商人の勘がそう言っているよ!!」


興奮してジョンソンは馬を走らせる。


なんだかジョンソンは色々と街について教えてくれるようになった。


・・・


「さぁ、ここが僕が拠点にしている街。トランブルだよ」

「世話になった」

「コチラこそだよ。僕は商業地区にいるからたまに顔を出して欲しいな。といっても僕は商人の中で下っ端の位置だから行商人をしているし会えないかもね」


だと思ったよ。


「でも、感謝はしているよ。助かった」

「あぁ」

「最後に冒険者になりたいなら。広場に剣と拳の絵が入った看板がある場所が冒険者ギルドだよ。じゃぁ」

「またな」


ジョンソンは荷馬車を走らせて去っていく。


街に入った所が広場になっていてそこから商業、工業、住居、貴族という4つの地区に分かれているそうだ。


「ここか」


剣と拳の看板を確認して木造建築3階建ての建物に入っていく。


ギィイ


観音扉を開くと広いフロアが顔を覗かせる。


ザッと見、左側は飲食が出来る場所、最奥のカウンターがクエスト受注所、右側がクエストボードだろう。


真っ直ぐに進み受付へと向かう。


ザッ


が、一人の大男が立ちふさがった。


ガタイが良く、鍛えられた肉体。両手には鉄製のナックルが握られている事から武道家だろう。


『おい、坊主』


スッ


俺はソイツを無視して進む。


『ギャハハハ、無視されてやんの!!』

『舐められてるじゃねぇか』


周囲で飲んでいた別の冒険者達が爆笑する。


『ぐぬぬ、坊主。俺を無視するんじゃねぇ』


怒りに身を任せた拳が俺の後方から迫ってくる。


「糸防御術一式」


シュルンッ


グイッ


『うぉ!?』


ダァアン


男は自身の腕ごとあらぬ方向に捻じ曲げられて盛大に倒れる。


ソレを見ていた者達が更に爆笑する。


『ようこそ、冒険者ギルドへ。こちらには何の御用ですか?』

「冒険者登録をしたのだが」

『冒険者登録ですね。ですが、その身なりですと冒険者として活動できないかと?冒険者は時にはモンスターと戦うので命を守る装備を身につけないといけません。もう一度お考え直した方がいいですよ』

『その通りだ。俺が言いたかったのはそういう事だ小僧。出直してきな』


鼻を打ちつけ手で押さえながら先ほどの大男が言ってくる。


ただの新人潰しとかじゃないのかよ。


「生憎、身の気のままで村を出てきたんだ。装備を買う金が無いから此処へやって来た」

『そういった村からやってきた人もおりますが、剣術道場に入ってから来ます。いくつかご紹介いたしましょうか?』

「生憎、俺には剣術や武術系のスキルを持ち合わせていない」

『え?』


ポーカーフェイスだった受付嬢の表情が崩れた。


『えっと、アナタは戦うスキルをお持ちでない?』

「剣術や武術のだ。先ほどソコの男を倒したのが戦うスキルだ」

『そうですか?どういったスキルで?』

「自分の手の内を最初から明かす冒険者がいるのか?」

『確かにおりませんね。失礼いたしました』

「一応、来る途中ゴブリン30匹は倒してきた。嘘だと思うなら商人ギルド所属、行商人のジョンソンという男を訪ねるといい。今頃自慢話をしている頃だろう」

『分かりました。事実確認は後でするとしまして。冒険者として覚悟をお持ちでよろしいですね?』

「あぁ」

『では、コチラの石版に手を置いて下さい』


石版がカウンターの上に置かれた。


「何故だ?」

『冒険者の情報を登録する為です。また犯罪を犯した人物ではない事を示す為です』

「分かった」


ペタッ


石版に俺の手を置く。


『これで冒険者登録は終りです』


------------------------------

名前:アオイ

性別:男

種族:人族

年齢:15

職業:傀儡師

ランク:G-

パーティ:----(--)

------------------------------


『冒険者ギルドの説明を受けますか?』

「あぁ」


受付の人に読みあげて貰う。

要約するとこんな感じだ。



========================


1.冒険者ギルドの利用。

  冒険者ギルドに登録することで、冒険者ギルドのサービスを受けることができる。


2.サービス内容

  全世界における冒険者ギルドでは、仕事の仲介、報酬の受け渡し、素材の買取、貨幣の両替等のサービスを行なっている。

  世界情勢の変化で、通知することなくサービス内容が変更されるものとする。


3.登録情報

  登録された情報は冒険者カードにて冒険者自身が管理することとなる。

  紛失すれば再発行は可能だが、ランクはG-からとなる。

  また、各地域毎の罰金が発生する。


4.冒険者ギルドの脱退。

  ギルドに申し出れば、脱退が可能。

  再登録も可能だが、ランクはG-からとなる。


5.禁止行為

  以下に定める行為を禁止する。

  (1)各国の法令に違反する行為

  (2)ギルドの品位を著しく貶める行為

  (3)他冒険者の依頼を妨害する行為

  (4)依頼の売買行為

  (5)ギルド内での戦闘行為

  禁止行為が認められた場合、罰金と冒険者資格を剥奪とする。


6.違約金の発生

  請け負った依頼を失敗すると、違約金として報酬の2割を支払う。

  期限は半年間。支払えなければ、冒険者資格は剥奪となる。


7.ランク

  冒険者はその実力に応じて、SからGまでの8段階でランク分けされる。

  原則として、自分のランクの上下1つ以内の依頼までしか請けることはできない。

  カッパー → シルバー → ゴールドになる節目には試験が実施される。


  カッパー  :G-~E+まで

  シルバー  :D-~C+まで

  ゴールド  :B-~A+まで

オリハルコン:S~


8.昇級と降級

  ランクに応じた規定の回数の依頼を成功させることで、昇級することが可能。

  ただし、実力が伴わないと感じたら、そのままのランクでいることも可能。

  また、一定回数連続で依頼を失敗することで、1つ下のランクへと降級する。


9.義務

  魔物の襲撃などで国より要請を受けた場合、冒険者はそれに従う義務がある。

  また、緊急事態において、冒険者はギルド職員の命令に従う義務がある。


========================


「同じ等級でも幅があるんだな」

『はい。ですが片面にはどのランクかはひと目で分かるようになっています』


銅版の表にはG-と書かれていた。


『どこかの道場出身者であれば、F-からの出発になりますがアナタの様に最初からこちらに来た場合はG-からとなります』

「なんでもない。一晩宿を借りられる程稼げるクエストはあるのか?」

『この時間帯からクエスト達成は難しいかと・・・一晩だけなら2階が無料の共同雑魚寝部屋になっています』

「じゃ、今日はソコで寝させてもらう。いろいろと有難うな」

『これも業務ですので』


俺は二階へと上がらせて眠ることにする。


・・・


『エリス、ここは任せました』

『はい、ミーア先輩』


受付嬢のミーアは別の受付嬢エリスに現場を任せて奥へと引っ込んでいった。


カツカツカツ


コンコン


『誰だ?』


ミーアが向かったの3階にあるギルド長の部屋だ。


「ミーアです」

『入れ』


ガチャッ


「失礼します」

『どうした?何か問題でもあったか?』

「問題ということでもありません」

『問題無いわけ無いだろ?俺の所に来た時点でな』

「本日、新たな冒険者になった方がきました」

『その程度では俺の所へは来ないな。ソイツがどうしたと言うんだ?』

「ギルド員だけの秘密である。冒険者の登録時において相手のステータスの一部を見ることができます」

『つまり、ソイツのステータスが俺に相談するにたる数値だった訳か』

「レベルは2、素の攻撃力は988、防御力も919でした」

『988だと!?』


今まで冷静に話していたギルド長の態度が豹変した。


『ありえん、レベル2で攻撃力が3桁を超えるなんて』

「私も見間違いかと疑いましたがハッキリと表示されていました。3桁の攻撃力となりますとCランク以上・・・500オーバーであればAランクです」

『最初からAランク相当の人物か。本当にヒューマンか?』

「種族はヒューマンと表記されていましたので間違いないですね」

『歳は?熟練者になってから冒険者になるというのもある』

「15歳。今年で成人になったばかりの人です」

『何処から来た?』

「村出身とまでしか・・・どこの村という事はわかりません。ただ、行商人のジョンソンという男と面識があるそうです」

『ジョンソン・・・後で話を聞きに行ってみるか』

「あの数字が正しければゴブリンの30匹は倒せるのでしょうね」

『余裕だろう。素手でも殺せるくらいだからな。武器は何を持っていた?剣か?ナックルか?』

「武器は未所持です。未知の戦闘スキルをもってして忠告しようとしていたC+ランク冒険者ヤンジャンの攻撃をいなしていました」

『未知のスキルか・・・どういった感じだ?』

「相手に触れず倒すスキルです。魔法系かと」

『魔法ならば属性がついてくるだろう』

「無属性の可能性もあります」

『服装は?』

「村人といった軽装です。全て布でした」

『媒介になりそうなものを装着していたか?』

「いえ。手、首、手首にはそういった装飾品もありませんでした」

『スキル名を言ってなかったか?』

「糸防御術一式と聞こえました」

『糸防御術か・・・たしか糸を操るスキルがあると記憶していたな・・・少し調べてみるか』

「どういたしますか?」

『様子見だ。なにかしでかすようであれば除名処分も考えなくてはな』

「暴れたらどうしますか?恐らくあの場で抑えられる人はいませんよ?」

『俺が何とかする。元Sランク冒険者の腕を見せよう』

「分かりました。失礼します」

『あぁ』


ガチャンッ


『レベル2でか・・・将来、俺をも超える逸材だな・・・』

お疲れ様でした。

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