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16話「ファスト-師弟関係①」

『ファストへようこそ』


6日程かかって、ようやくファストへと到着した。


「さてと、初心者なら草原で手こずっているだろうな」


門を目指しホーンラビットの居る草原へと出て行く。


「遠視」


視界を高く上げて、周囲を観察する。


草原の至るところに初心者プレイヤー達がホーンラビット相手に戦いを繰り広げている。


「アレか?」


一見なにも持っていないプレイヤーがホーンラビット相手に戦っている。


「やっぱ逃げるよな」


観察していたが、プレイヤーはホーンラビット相手に逃げ惑い始める。


そのプレイヤーは全力で門へと走ってきた。


『そこの人、どいてーな。トレインしてしまったわ』


トレインと言ってもラビット一羽だけなんだがな。


「シッ」


あまりモンスターの横取りはマナー違反なんだが仕方がないだろう。


ピィッ


俺の一撃でラビットは消滅する。


「ふぇ。あれ?」


少女は自分が追いかけてきたラビットが消滅するのを見て呆ける。


「お兄さん、強いなぁ」


そう口から感想が出てくる。


「アンタ、糸使いだろ?」


少女の右腕には麻糸のリールが取り付けられていた。


「ありゃ、バレたんか。噂の糸使いがどんな物か試しに作ってみたんよ、絶望的ですなぁ。しかもアレが始まってキャラリセットも出来ないと来たんでダブル絶望ですわぁ」


そういう割には気楽に話すな。


「お兄さん、初心者じゃないん?」

「あぁ」

「その武装からして武道家・・・二次職の拳闘士やろ?」

「いや」

「嘘は困るでぇ。その武器が何よりの証拠や」

「コレはアンタと同じ物だ」


ヒュオッ


近くを通りかかったホーンラビットを一撃で倒す。


シュルッ


「糸使い・・・つまり、お兄さんが掲示板で騒がれてる糸使い様やね!」

「糸使い様?」

「あ、知らんのね。お兄さんの事は時折掲示板に載るほど騒がれてるんよ。だからワイも糸使いになってみたかったんや・・・恥ずかしい事に絶望的な攻撃力で心が折れそうやね」

「だろうな。俺も最初は苦労した」

「なんで糸使いはこんなに脆弱なんやろ?命中率も低いし」

「それは糸使いとしての認識が違うからだな」

「お、ヒントか?」

「あぁ。糸が真っ直ぐに飛ばないのは何故だと思う?」

「そら、糸自体が軽いからなぁ」

「あぁ、糸だけだったら釣り糸だって遠くには飛ばないだろ?」

「・・・ん、あぁ!重石がないんやな!!気づかんかったわ」

「そういうことだ、其処らの石を重石にしてみろ」

「分かったわ」


少女は落ちている石に糸の先に固定する。


「おぉ、武器の名前が少し変わったわ」

「本当は細工師の仕事なんだが、自分の武器に関する細工は出来る」

「ちょっと、戦ってくる」


少女は草原を掛けてホーンラビットに戦いを挑む。

が、引き返してきた。


「なんでぇや」

「糸使いのデメリット部分も視野に入れないとな」


シュゥウウウ


再び連れてきたラビットを倒す。


「何がいけないん?」

「糸使いのメリットやデメリットはなんだ?」

「メリットは分かるで射程の長さや!」

「あぁ」

「でも、ロックしてもせいぜい17m位で魔法や弓と同じ距離しか当てられないんよ。射程距離の謳い文句は50mなんやろ?絶対嘘やでアレ!」

「俺も最初はそう思っていたが本当のことだ。この武器は20mまでしか伸びないからな・・・」


ピピピッ


初期からずっと持っていた麻糸のリールを装備する。


「兄さん、なんで初期装備をもってるん?普通売るかするやろ?」

「初期装備のコレの耐久値は無限って書いてあるだろ。つまり不壊武器だ。残しておくだろ」

「確かにそうやわぁ」

「インベントリの圧迫になるだろうが幸い余裕があるからな」

「みんなドンドン装備が変わっていってるから売ってるのかとおもてたわ」

「いや、他のプレイヤーは売ったりしていると思うぞ。持っていても攻撃力や防御力が下がるインベントリを圧迫する初期装備なんて」

「ならなんで、とっておくん?」

「糸使いの攻撃力は他の職業装備に比べて極端に低い設定をされている。もっと先に進まないとそういった感情がでないんだ」

「ちなみに兄さんの左手に装備しているのは?」

「攻撃力だけなら27」

「え?たったの27しか無いん!?コレと25の差しかないんかぁ」

「そういう事だ。他のプレイヤーだと100以上の差が出てきているほどだしな」

「あまり聞きたくなかった情報やね」

「すまんな」

「それなのに兄さんはワイより上に行っている以上希望はあるんやろ?」

「さっきターゲットの話をしただろ?」

「ワイの戦法や」

「ターゲットシステムは糸使いの阻害にしかならない。ノンターゲットでやるんだ」


麻糸のリール限界攻撃範囲50m圏内にいるラビットに狙いを定める。


ヒュォンッ


風切り音を発し、ラビットの鋭角を重石とした糸はすごいスピードで発射される。


キュゥウ


パァン


豆粒みたいな距離の差があったラビットが一撃死する。

これは俺自身のステータスによる攻撃力が高いから余裕で倒せただけだ。初心者だったら一撃では倒れない。


シュルルルルルルル・・・カンッ


「50mは嘘じゃなかっただろ?」

「おぉ!希望が見えたで!!他の連中は直ぐにキャラリセットしていったからなぁ」

「他にも居たのか?」

「ワイの他にも数名は居たそうなんやで。デスペナの嵐で皆止めていったって話やわ」


それは知らなかったな・・・普段掲示板とか見ないし、興味ないものは開かないしな。


「今のは数種のスキルを組み合わせて成し遂げてる奴だから参考にはならんだろうが」

「メッチャ参考になったわ。ノンターゲッティングでの戦闘が鍵なんやね」

「とりあえず20m以上の敵に当てられる練習をする事だな。最悪門付近で戦っていればすぐに逃げ込めるだろう」

「そやね。ヒントありがとうやわ」

「この世界で2人しか居ない糸使い同士だからな」

「そや、フレンド登録してもえぇ?」

「あぁ。いいぞ」


≪ラカンがフレンド申請をしてきました。承認しますか?≫


YES


≪ラカンがフレンドになりました≫



「ラカンや」

「アオイ」


グッ


握手を交わす。


「そうだ、紹介したい人物が居るんだが少しいいか?」

「えぇで」


ラカンを引き連れてプレイヤーのマーケットにやってくる。

辞めていったプレイヤーの大多数が初心者だった為か十数名程度しかおらず活気があるとは思えない程落ち込んでいた。


「やはり居たか」


ミカにイロハが店舗を広げていた。


「あらあら、まぁまぁ。フォースに居たはずじゃなかったかしら?」

「少し思う所があってな」

「態々、街道を通ってきたって所かしら?結構距離があるはずよぉ?」

「転移ポータルが使えなくなったのは痛手だな」

「むぅ?だれ?」


イロハが俺の後ろに控えている少女を指差す。


「あらぁ、思うところってデートなのかしらぁ?」

「そうじゃない、紹介したかったから連れてきただけだ」

「新規さんの紹介?それは有難うねぇ。アタシはぁラブリン・ミカよぉ」

「イロハ。見ての通り調薬師」

「これはどうも。ワイはラカンやで。よろしゅうな」

「なるほどねぇ、アナタがなんでココにいるのか分かったわぁ」

「糸使い?」


イロハがラカンの右腕に装備されている麻糸のリールをみて呟く。


「というかぁ、アンタまでなんで初期装備を付けているのよぉ?売ってなかったのねぇ」

「ちょっと手ほどきをな」

「私の時は無かった」

「職業が違うだろ」

「少し教えてくれた」

「じゃぁ、あったんだろ」

「ホンマ、おもろいなぁ」

「うふふ。そうね、アオイの紹介だしサービスしちゃおうかしらぁ?」


ピピピッ


「え!?ええの!」

「えぇよ。女の子だから麻のままっていうのもねぇ」

「助かったで。全然金も溜まらんと困っていたんよ」


シュンッ


ラカンの装備が麻の服やズボンから絹の服とズボンに切り替わった。


「アタシとしてはぁ、コレも付けて欲しいんだけどねぇ」


ミカがラビットクローロングブーツを指差す。


「この靴はなんや?かわえぇな」

「足技専用の装備なのよ。アオイも装備しているわぁ」

「足技なんてあるん?」

「あるわぁ。武器の取り替えなしで連続攻撃ができるのよぉ」

「そら、凄いわぁ。ちょっとまってーな」


ピピピッ


「これやな、二連脚!取得っと」

「あ、おい!」

「ふぇ?」


遅かったか・・・大事なSPを使いやがった。


「なにか不味かった?」

「二連脚は足技故に足の装備に攻撃力が無いとダメなんだよ。お前のつけている革靴には攻撃力はないんだよ」

「なんやと!?」

「あらら、やっちゃったわね」

「スキルリセットとかあらへん?」

「ある訳がない。だからプレイヤーは慎重に吟味してスキルを会得するんだ。俺も一度やった事があるからな」

「救いと言えば、初期段階でコレに気づいた事よねぇ」

「ミカ」

「それは無理よぉ、ラビットクローロングブーツは無料じゃあげないわよ」

「800Gか」

「えぇ」

「アカン、スカンピンや」

「俺が出してもいいが」

「そら、アカン。ワイのポリシーの問題やわ。そこまでしてくれなくてもえぇで」

「頑張って金策するしかないか」

「頑張るわ」

「ラビットの素材はギルドで売れるから、そこへ持っていけばいい」

「ギルドってドコや?」

「MAPに書いてある」


ピピピッ


「ここやな」

「お前たち、コイツの事頼んでいいか?危なっかしいと思う」

「うふふ。なら、師弟を結べばいいじゃなぁい?」

「師弟?」

「アップデート内容の下の方に一度だけ師弟になれるそうよ。まぁレベルが30以上じゃないとダメらしいけどね」

「これか」


一番下の方にあって気がつかなかった。


「お前がよければ師になろうと思うんだが」

「えぇの?」

「この師弟システム、同じ職業じゃなければ成立しない。俺とお前しか糸使いがいない以上関係が作れる相手がいないだけだ」

「分かったわ。ありがとな」


≪ラカンへ弟子の申請をました。承認待ちです≫

≪ラカンがアオイの弟子になりました≫


「これで、お兄さんの弟子や。師匠と呼んだほうがえぇ?」

「好きに呼べばいい」

「なら師匠と呼ばせてもらうわ。ワイの事はラカンでも弟子でもえぇで」

「普通に呼ぶからな」

「それで師匠、ワイはどないすればえぇか?」

「資金集めにラビット狩りだ。師弟関係ならレベル差での経験値ペナルティは発生しないらしいからな」

「そら、願ったりですわぁ。ほな、行きましょ」

「あぁ」


パタンパタン


「あらぁ」

「私も行く」


イロハが店じまいをし始めた。


「別にタダのラビット狩りだぞ?」

「行く」

「わかった」


イロハも俺たちについてくる事となった。


「イロハたん、嫉妬ちゃうん?」

「違う。それとたん言うな」

「ゴメンなぁ、ワイが奪っちゃってぇな」

「違う。暇だから」

「そっか」


後ろでコソコソと話していたが訳がわからん。


・・・


「ほな、20mオーバーを狙って!セイヤッ!!」


ビュンッ


サクッ


「届かないね」

「当たり前やんか、ノンターゲットやねん」

「ターゲットしていない?」

「師匠が言うにはターゲットしていたら届かないそうや」

「ダイチにも言っていた」

「誰やソレ?」

「もう、辞めた人」

「そっか。もういっちょ」


ビュンッ


「何処へ飛んでいくんや」

「下手くそ」

「うっさいで!」

「アオイはもっと上手く飛ばしていた」

「自力が違うんや。師匠、コツとかあらへん?」

「理論建ててやればいいだろ?」

「うっわ、ワイの嫌いな理論や」

「ゲームに理論はないね」

「そこは分かってくれるんやね」

「このゲームは物理演算もあるんだ。重力も当然発生しているからな、遠くに飛ばそうとしたら放射線を描くように射出する必要がある」

「もっと斜め上に発射すればえぇの?」

「飛距離は伸びる」


ビュンッ


サクッ


「おぉ!20mは超えてると思うで」

「でも、落下した場所が変」

「それはアレや。慣れてないからやな」

「頑張って」


・・・


・・・・・・


・・・・・・・・・


「ゼェハァゼェハァ」

「全然当たらないね」

「師匠、なぜ当たらんのです?」

「ラビットの動きを予測してないだろ?」

「え、アイツ等、動きよる?」

「モンスターといえど動き回っているだろう。観察してみろ」

「うむ・・・」


ラカンがじぃっとラビットを観察し始める。


「あ、なんかスキルが習得可能になったで?」

「観察のスキルだろ?取るかは自由だが吟味だけは忘れるなよ」

「わかったで。確かに動いているさかい」

「ラビットの動きに合わせて攻撃するんだ」

「そんな神業的なことできへんて」

「ラビットは活発に動こうとはしない、数秒立ち止まる時を狙って打つんだ。こんなふうにな」


バシュッ


ビュバッ


キュウウウ


≪ホーンラビットの毛皮を入手しました≫


「おー」

「凄いわぁ」


パチパチパチ


「お前もやるんだよ」

「ほな、いっちょ頑張りますかぁ」


バシュッ


ストンッ


「ワンテンポ、ズレたな」

「惜しかったなぁ。でも感覚は掴めてきたで」


バシュッ


ピッ


ピピィ!


「ダメージが入ったぞ。こっちに来る」


シュルルルルル


「巻き戻し中や!」

「もう一撃は入れられるだろう」

「せやっ!」


ピッ


「当たらん!」

「焦りすぎだ。糸拘束術二式」


ビィイン


ピピイィ!?


「2回入れろ」

「はいな!」


バシュバシュッ


距離が短かった為に9秒程の拘束で2回攻撃が入る。


ピピィ


「お、倒したん?アイテムが手に入ったで!!」


ラカンは初めてモンスターを倒したのが嬉しかったのか全身で喜びを表現する。


「総経験値も入ったはずだ」

「それよりも今のはなんなん?糸使いのスキルやろ?」

「糸拘束術二式、相手を束縛するスキルだ。数秒間動けなくさせる」

「なにそれ、めっちゃ便利やん」

「今の段階ではお前には不要なスキルだ」

「なんでや?」

「糸1本で束縛した後、何で攻撃するんだ?」

「あ、そやったか」

「足技だとしてもスキル発動中は他のスキルは発動しないから無闇に取るなよ?このスキルはサポート特化のスキルでPT組む前提なんだ」

「でも、アオイは連続スキル発動とかしてた」

「糸使いの糸は独立していてな、スキル発動は1本目で発動していても他の糸には影響がない」

「つまり」

「4本までなら連続スキル発動ができる」

「なんてチートや」

「これが糸使いの弱い攻撃力を補う一つの要素だ」

「手数勝負ってわけやな?」

「そういう事だ。まだ先の事になるだろうから頭の片隅にでも置いておけ。まずは慣れろ」

「わかったで!!」


・・・


・・・・・・


・・・・・・・・・


「ようやっと、15羽目や。イロハもありがとな」

「後で請求する」

「そんな、殺生な・・・」

「嘘」


糸の攻撃が間に合わずダメージを負うがイロハが体力回復ポーションで回復してくれていた。

レベルも3に上がったと言っていた。


「レベルの低い時は攻撃手段やらが少なすぎるから本来は誰かと手を組むことを勧める。スキルの組み合わせ次第ではソロもできるかもしれない」

「なぁなぁ、この飛距離ボーナスってなんなん?」

「早速、気づいたか。距離に応じて攻撃力に倍率が加算される。最大で3倍も入る」

「20mで1.5倍やな。ちゃんと入ってるか分からんな」

「1.5倍の恩恵を軽く見てるな」

「1.5倍を甘く見てはダメ。痛い目みるのは私達」

「そうなん?」

「今は攻撃力が低いから1か2の追加ダメージしか入らないだろ?総攻撃力100の物理ダメージと150の物理ダメージ、長期戦になって勝つのは1.5を持っている奴だ」

「あまり、実感があらへんで」

「そのウチ分かってくる。さ、続けるぞ」

「わかった」


夕方になるまでラビット狩りを続ける。


『ホーンラビットの角が15、ホーンラビットの毛皮が12、ホーンラビットの肉が7つですね。合計で340Gとなります』

「俺の時よりも値上がりしているんだが?」

『ホーンラビットの素材が不足気味になり始めたので高く買い取ることになりました』

「なるほど、俺の分も買い取ってもらうか」

『ホーンラビットの角が25、ホーンラビットの毛皮が26、ホーンラビットの肉が17つですね。合計で680Gとなります』

「師匠いつの間に狩ってはったん?」

「お前が苦戦中にちょくちょく遠いラビットを倒してたんだ」

「そ、そか。にしても一瞬で680Gかいな」

「先に行っているトッププレイヤーなんかコレの数百倍以上は稼いでいるぞ」

「数百倍って万以上の稼ぎかいな」

「まぁな」

「師匠も稼いでるん?」

「そこそこはな」

『コホンッ、用がお済みでしたら』

「スマン」

「カンニンな」


冒険者ギルドをでて宿探しに向かう。


「なんで付いてくるんだ?」

「師匠やさかい」

「今日泊まる宿探しなんだが」

「この時間やと満室ちゃうん?」

「・・・む」

「おっちょこちょいやな。初心者達が結構残っとるから早よぅに決めないとすぐ満室になるねん。教会に泊めてもらうか野宿やな。街の中なら安全さかい」

「教会もあるのか?」

「ファスト限定の処置らしいで」

「なるほど」

「ほな」

「明日、8:00に門前で待ってる」

「わかったで」


俺は教会へ向かう事にする。


『何用ですかな、迷える子羊よ』


神父の格好をしたNPCが出迎えてくれた。


「ここで泊めて貰うことができると聞いてきたんだが?」

『はい、お布施をいただければ雑魚寝部屋を貸しております』

「取るのか?」

『はい。無料で施すのは迷える子羊のみと成っております。アナタは迷われている訳ではありませんよね?』

「まぁな。これでいいか?」

『おやおや、こんなに頂けるとは』


500Gを渡しただけなんだが・・・


『では、コチラへ』


神父に案内されて教会の地下へと行く。


ガチャッ


『こちらの雑魚寝部屋をお使いくだい』

「広いな」

『空間拡張の魔法を施している部屋ですからな』

「そんな魔法があるのか?」

『あるにはあります。が、限られた者しか扱えないユニーク魔法ですよ』


そういえば、インベントリを拡張するクエストがあると聞いた事があるな・・・そういった者が関わってきているのかもしれないな。


今度、調べてみるか。


教会よりも広いんじゃないかと思わせる空間が広がっている。

余裕で1000人位入りそうな広さだ。


まばらだが数人のプレイヤーがグループや一人に固まって部屋に入る。


『ここは神域でもありますので人ならざる行為をさすれば結界がその者をはじき飛ばします。もちろん、罪人は入ることもできません』

「入れなければ何かしらの罪を作り、解消していないという事になるのか」

『そういうことです。その場合は衛兵を呼ぶことになります』

「わかった」

『出る事は自由です。しかし一度出た場合は神職に就いている私共ではないと再び開けないので注意してください』

「わかった」

『では、良い夜を』


ギィイイイ


扉を閉められる。


「寝るか」


空いている場所を探して寝転がる。

お疲れ様でした。

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