四話「洋館にいた仲間たち」
洋館にいたのは、さっき見た女の人のような人間。でも、どことなく違うような気もする。
私をここまで連れてきた女性は、ただの人間のようだったが、ここにいる人は人間というより、私のことを大事に思ってくれそうな、仲間のような温かさがある。
「いらっしゃい、鳩歩。私は雪歩っていうの。よろしくね。」
一人の女性が言う。雪歩、と名乗ったその女性は落ち着いた印象でしっかりしているような女性。
「私は育歩。鳩歩、これからよろしくね。」
育歩という女性は、雪歩よりも落ち着いたといった印象はないが、お母さんのような温かみがあった。
あと一人、か。
「あのねあのね!ウチは猫歩って言うんだにゃぁ。鳩歩、よろしくにゃ!」
猫耳に猫のしっぽ、で大体予想していたけど。猫歩は、公園にいた子供たちと同じくらいの身長。子供、と思ってもいいんだろうか。これで、自己紹介は終わりかな。みんなが言うように私の名前は鳩歩で決定みたい、とみても構わないのかなぁ。
「女王様?そろそろ鳩歩もしてあげた方がいいんじゃないかしら。」
「鳩歩も早く仲間にしたいにゃあ!」
「じゃあ鳩歩、こっちに来て。」
あの女の人は女王様だったのか、と私は心の中で呟いて、女王様らしきその女性について行った。